京都適性とは?を考える宝塚記念予想・考察


京都血統考察

望田先生曰く京都は前輪駆動のストライド質らしい、このイメージ元に京都向きの血統、及び走法とは如何なるものかと考えていたが、自分の中である程度の結論が出たので記していきたい。
考え始めに、まず代表的な京都が得意な種牡馬を数頭挙げてその中から共通点を見出そうとした。ディープインパクト、ハービンジャー、マンハッタンカフェの3頭から検討した。
まずディープインパクト、これはSSのHaloやSir Ivor経由のMahmoudの柔らかさ、Halo,Fair Trialの前駆回転等が京都適性に影響を与えているのは明らかで、前輪駆動のストライド質というイメージにもある程度合致する。
次にハービンジャー、これはGrey Sovereign
が組み込また母系かつShareef DancerのSir Ivor,NDの中では比較的柔らかいLyphard, Bubbling BeautyのAlmamoudなので産駒傾向から見ても柔らかさがあるのでストライド質に出やすく、Shareef DancerのTom Fool,Blushing GroomのRed God,Lyphard辺りが前輪駆動に出れば、イメージにも合致する。実は後にもう1つ京都適性の仕掛けに気付く事になるのだが、それは後に述べたい。
3つ目に注目したのがマンハッタンカフェだった。父のSSを除けば知っている血統がほとんど無く最初は全く検討が付かなかったがある血統に目をつけたのが正解であった。それがAllegedだ。比較的マイナー血統であったが、個人的な推し種牡馬であるグレーターロンドンにも含まれていたので名前自体は知っていたのが検証は出来ていなかった。
血統的にはTom Rolfe,Princequilloなので前者が前輪駆動、後者がストライドを司ると考えれば京都適性のイメージそのまま、かつ1つの血統として完結しているので1本でも持つと京都適性に繋がりやすいのではないかと思われる。

同じAllegedを有するグレーターロンドンに関しても得意条件が下り続ける中山マイル、コーナーから下り続ける阪神マイルであるので下り坂が得意かつ、直線でもある程度ストライドを持続できるというのはこの血統のおかげでもあるという解釈が出来た。

また、何故Allegedが他の血統よりも京都適性を高めるのかを考えた時、Tom Rolfeの血統に着目した時Ribot × Teddyでありどちらも前駆に強い影響を与える血統なので(ex.ラトロ肩)、この配合バランスが下り坂を上手く下る為の前駆の骨格に影響を与えているのだと考えられる。また、個人的なイメージでしかないがprincequilloはストライドに影響する血統の中でも最も前駆に影響を与えない血統であるのでRibot×Teddyの骨格に影響を与えずストライドを伸ばせるのが坂を下った後の直線での走りに繋がるのだと思われる。
つまり、Ribot × Teddy × princequilloの血統配合が最も京都に合う血統だという仮説が立てられる。

この仮説を検証し始めて直ぐに他の例が見つかった。
それが先程述べたハービンジャーのもう1つの仕掛けである。Danzigは筋肉量が示すようにNDの中ではかなりTeddyを始めとした米血に影響を受けている。また、デインヒルはHis Majestyを通してRibotの血を引いているので、デインヒルの中でTeddy × Ribotの配合が成立している。また、ハービンジャーの父Dansiliは母系のRound Tableを介してprincequilloを受け継いでいるのでDansili内でRibot × Teddy × princequilloの配合が成立している事となる。これが上記で述べた他の血統と合わさる事によってハービンジャーの京都適性となっているのだというのはある程度の説得力があるのではないだろうか。

内回りではあるが先日のマーメイドSのアリスヴェリテにも同様の配合が見られた。母がGraustark × Danzig × princequilloなので、完全に Ribot × Teddy × princequilloの配合が成立している。
ロンシャンのイスパーン賞や京都の都大路Sを制したエイシンヒカリも、key to the mintを介してRibot × princequilloであり、Teddyを有するのでRibot × Teddy × princequilloが成立している。産駒にもエイシンスポッター始め明確に下り坂得意な傾向を有している。

Allegedに加えて3つも他の例を挙げればRibot × Teddy × princequilloの血統配合がTHE 京都配合というは証明されたと言っても過言では無いだろう。

下り坂適性とは

一区切りついた所で下り坂適性とは何かというのを考えたい。世間では下り坂での加速を活かせるのかというのが下り坂適性に繋がってくると言われている。この意見もある一定の正しさはあると思う。しかし個人的には、「下り坂で消耗しない能力」これが重要なのではないかと考えている。自分が坂道を走って下ることを考えて欲しい。下り坂では意図的に速度を制御しなければ勝手にスピードが乗り、スピードが乗った状態においては脚が勝手に動いてしまう。この状態では普段走っている時よりも明らかにピッチが早くなる。つまり、自分のペースでの走りが崩れてしまうのだ。ピッチの消耗が明確に走りに影響を与えるということは走法を齧った事がある人は想像出来るだろう。そうならない為、下り坂で適切にピッチを制御する為に必要なのが「前輪駆動」なのでは無いだろうか。前駆が発達している事はピッチを上げることにも繋がるだろうが、下り坂によってピッチを上げすぎない事、ピッチ制御にも繋がるとは考えられないだろうか。これこそが、京都適性というものが、単なるストライドでは無く、「前輪駆動のストライド」とされる所以なのでは無いかと考えられる。実際、より長く急な下り坂を有するロンシャンで好走しているのは惰性ストライド質のステイヤーではなく、オルフェーヴルといったピッチ制御の効いた馬で、馬体重の小さい馬が走るのも下り坂において重い馬よりもスピードに乗りにくいからとも考えられる。

各馬短評

以上を踏まえて各馬を見ていきたい。
前置きに時間掛けすぎて時間無いから各馬手短に

1.シュトルーヴェ

キンカメはMill Reef経由Never Bendの影響が大きいので基本買いたく無いが、本馬は母父ディープインパクトなのでマシと言えばマシ。ナスペリ、ナスキロの瞬発力タイプといった印象で特に強調する点が無い。

2.ジャスティンパレス

父ディープインパクトなので京都は合う。ただ、ナスルーラ強めで惰性ストライドなので他のディープ系と比べると強調材料に欠ける。ナスキロよりもナスペリが強いのも京都では嫌。地力はあってルメールなのが厄介。

3.べラジオオペラ

父ローカナでキンカメ系なので基本買いたくないが、母父ハービンジャーなのがマシなぐらい。阪神内回りベスト。

4.ドウデュース

イクイノックスが「天才」「到達点」とするのならばドウデュースは「鬼才」「外れ値」とかの類。ピッチとストライドの両立を高い領域で成立させているのは、筋肉量からすると有り得ないほどの柔らかさを有しているからだろう。また、それを制御できる程の運動神経、これらは正に才能であり、このような馬が今後現れるかすら怪しい。SS,La Troienne,トニービン,Lyphardの絶妙なバランスの上に成り立ったハーツクライからこの馬が生まれるのもまた面白い所ではある。基本線はSeatle Slew,SecretariatのボルキロをLyphard,SSで動かしているといった感じであろう。京都適性に関してもLyphard,SSの前輪駆動、ボルキロのストライドなので適性は合致するはずだ。また、Allegedを有するのでより京都適性は高くなっているだろう。なんならこの馬とこの脚質こそが京都コースへの最適解である可能性すら存在する。Allegedによる下り坂でのピッチ制御性は既に見せており、去年の京都記念の阪神内回りコーナーでの捲りをあれだけタイトにこなせるのだから京都での下り坂等心配に値しない。では何故ニエル賞で負けたのかという話にはなるがそもそも下る高さが倍近く、下ったあとも約5Fあるので、スパート区間が3~4Fの本馬にとっては長かったというのが敗因だろう。重馬場適性については奥が深すぎて何も言えないが京都適性についてはメンバー中でも1位2位を争う適性の高さだと考えている。

5.ディープボンド

この馬は母系のprincequilloの影響を大きく受け、キングヘイローも相まって、キズナの馬格を有しているのに柔らかくズブいという特殊な馬。同じような例が母系に同じくポイントメーカーを有するナイトインロンドン。基本線がナスキロでHaloの影響を大きく受けているので京都外回りの適性がかなり高く、成績も1-1-2-1。唯一馬券外も菊花賞の4着で、G1を含めてもかなり安定感が高い。これは先行脚質と京都でのprincequilloの優位性によるものだろう。

6.ヒートオンビート

キンカメおじさん、硬い。2500常連おじさん俺は好き。

7.プラダリア

ディープ×クロフネ×フォーティーナイナー。
フォーティーナイナーがTom Rolfeなので例の配合持ち。クロフネもボルキロなんで相性が良い。というかこれらの血の影響を受けすぎて京都外回り以外走れる所が存在しない。

8.カラテ

キンカメ系おじさん。同じく硬い。重馬場適性は抜群なので重馬場なら、という感じだけどそもそも硬いので下り坂が…距離も微妙

9.ソールオリエンス

デインヒル持ちかつPrincely Giftなので京都は合うと言いたいが、諸々相まって何とも。気になる点は欧州、米血積みすぎて重くなりすぎていないかという事。流石にもう少しMahmoud系の素軽さが欲しい。菊花賞でもコーナリングは置いておいて最後まで伸びきれていなかった点は気になる。直線短い方が良いのかも。重馬場適性踏まえても3着までかなという印象。

10.ローシャムパーク

ハービンジャー×キンカメ。ハービンジャーにしては中山をこなせてしまうぐらいのパワーがあるのでキンカメ、ノーザンテーストの影響を受けてそうなのが気になる。重馬場適性があるのは良いと思うが、京都の下り坂が合うかといった所。

11.ヤマニンサンパ

ディープなのは良い。フォーティーナイナー持ちなのも良い。ただ、能力的に特に買いたくはない。

12.ブローザホーン

父エピファネイアはKris S.のprincequillo,Seatle Slewのボルキロ,SSのHalo,Habitatなので基本的に京都適性はあるが、本馬はフォーティーナイナーのTom Rolfeがあるのでより京都適性は高い。
競馬ナンデのおくりばんと編集長が小柄ながら走法を器用さからディープインパクトに似ていると評していたが、その1つの理由が7代母のAromaの配合が父Fairway × 母父Son-in-LawなのでFair Trialと構造が共通しており、その点がディープインパクトにおけるLyphardのように身体制御性に影響を与えているのではないかと考えられる。

13.ルージュエヴァイユ

パワー型ストライド。適性はそれなり。

多分変える
◎4.ドウデュース
〇5.ディープボンド
▲12.ブローザホーン
△7.プラダリア
△2.ジャスティンパレス
抑え 9.ソールオリエンス
迷い ローシャムパーク

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