見出し画像

温かなコンクリートの家の話

「現代アートだっていうけど、
よく分からなかったのよ。
でもここにあるからね。」


国東に住むとある女性に伺ったお話。




ある日、作品の近くで作業している
おばあちゃんたちがいた。

花壇の整備や草むしりを
作品ができてからというもの
ずっと、ボランティアで行ってきたらしい。

「いつもこうして作品の周りを
きれいにしてくれているんですね。

......この作品はずっとここにあるんですよね」

「あのね、素敵なおうちやったんよ。
おうちだけじゃなくて、
住んでいるおばあちゃんもまた素敵でね。
"素敵なおうちと、素敵なおばあちゃん"
そんな感じやったね」

▼国東観光公式サイトより
Kunisaki House/レイチェル・ホワイトリード
20年以上空き家となっていた木造民家の内部をコンクリートで型取ったものです。型取りされた場所は、玄関と居間、そして神仏習合の地・国東半島を象徴する神棚と仏棚が横並びになった座敷など型取ることで、この地にあった民家の日常や地域特有の暮らしをも彫刻化したといえる作品になっています。


あの作品はつまるところ、
近所にあったおうちだったわけね。

冷たいコンクリートだと思ったけど
あれに触ったことある?
意外とやわらかいんだよ。
なんかね、フワフワしてるの。

現代アートだっていうけど、
よく分からなかったのよ。
でもここにあるからね。



お話を聞かせてくれた国東在住の女性

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?