01:ほぼ1000文字トレーニングはじめます
この状況で時間もありあまっているし、これを機に乏しい文章力を鍛えようかと始めます。長文だと数をこなせないので短文に。「ショートショート」にするもおこがましいので、「ほぼ1000文字」と言うことにしました。せめてもの工夫を、という姑息な考えにより、タイトルは最後に置いています。
"ほぼ"1000文字のゆるやかさで書いていこうと思います。これまでの人生を三日坊主でつないできたので、どこまで続けられるかわかりません。
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雨が降ると、息苦しくなる。空気が湿気を含んでだんだんと重くなり、皮膚に染み込んでくる感覚になるのだ。小雨の時は特に、じっとりとした空気にまとわりつかれるうちに窒息していくような、体を乗っ取られていくような気さえしてくる。
そんな時は、じっと身を潜めて雨が止むのを待つ。どうにも我慢できなくなると外に出て、雨音の不規則な響きに身を任せる。そうしているうちに重く暗い雲も通り過ぎて、すがすがしいほどの青空が見えるのだ。
今回の雨は、強かった。落ちる水滴はとても大きく、地面はみるみるうちに水を含み、水たまりを作り出した。ふと息苦しさを感じて、外へと飛び出すと、シロツメクサやスズメノカタビラなどの野草は、空から次々に落ちてくる水滴に叩かれている。せっかく地面から立ち上がってきたところなのに、諦めとともにそのまま地面へ横たわってしまいそうだ。
水と灰色に染まった光景を眺めて、どのくらい経っただろうか。気づいたらあたりはすっかり明るくなっていた。雨上がりの空は、そのさらに奥まで透かして見えそうだ。ふた筋の飛行機雲が横切り、爽やかさをより一層引き立てている。先程までたれていた野草も、しずくを滴らせてとても気持ちよさそうだ。どこへやら避難していたのか、カモもいつの間にか出てきて池をゆうゆうと泳いでいる。
大雨の最中とはうってかわってのどかだが、ゆっくりはしていられない。陽の光はだんだんと強くなっている。うかうかしていると、日焼けでもしてしまいかねない。どこか居心地のよい場所へ行かなければ。
とはいえ、もともといた場所はまだ濡れている。安易に戻って、また息苦しさを感じたら損だ。とりあえず、遠くに見える植物の陰に移動するとしよう。途中で邪魔が入ったり力尽きたりして、到着できない可能性もある。でも、ここにいるよりはよっぽどマシなはずだ。
「ミミズ」
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