「寺山修司贋絵葉書展文通違反...おもふひとにはおもはれず」@Kanzan Gallery
奇才寺山修司と交流のあった音楽家田中未知氏の監修のもと、生前、寺山が架空の人物を自演し、架空の人物に宛てて拵えた多数の「贋」絵葉書を、実物とその推敲ノート(直筆！)、絵葉書内の散文の抜粋、映像、BGMと共に構成した展覧会。
確固たる文才が淀みなく発散された詩情とペーソス、アイロニーを感じさせるテクストを彩るのは、おそらく劇団「天井桟敷」関係の方々と思われるモデルのSM、コスプレ写真。その写真も、現像後に脱色や彩色、ダメージ加工を経て仕上げられたものだという。極め付けは、特注の消印スタンプだろうか。そして、何気なく貼られた海外の切手も、わざわざ蒐集したものかと思うと、その一手間一手間が、軽躁状態の創作意欲に拍車をかけたのだろう。
奇想とエログロの合間に、表現者の孤独を垣間見る私は、邪道だろうか......
そして、フロントで押させて貰った「消印」。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？