愛する親友へ

まず最初に、誕生日おめでとう。
10年くらいの付き合いのはずなのに初めて当日に伝えられた気がする。
いつもいつも次の日とかわけわからん日におめでとうございましたって言ってくるとんでもない私に対して「覚えていてくれただけで嬉しい」なんて優しい返事をくれたね。どうしようもない奴でごめんな。

君と出会い過ごした高校時代は未だに私の中で人生の一番輝く思い出だ。
初めて君を見たとき、第一印象は正直「こいつなんかやばそうだな」だった。
「やばい」と一言で表すと良くも悪くも捉えることができるが、善悪とか幸福と不幸とかそんなもん全部ごちゃまぜにした、すごく複雑な生き物に思えたんだ。

2年で同じクラスになり、たくさん話をするうちに私はどんどん君という存在に惹き込まれていった。
大袈裟に聞こえるかもしれないけど、君の思考、人生哲学、それら全てが新鮮だった。
それまで生きてきた中で出会った同い年の人間の中で、君は一番高尚な存在と断言できるほどだ。完成されているのに未完成、日々変わっていく君という生き物はそれはもう興味深かった。
君の周りではトラブルが絶えなかった。私からすれば周りが低レベルだっただけだと思うが、そんなジェットコースターの様な日々は君と過ごす高校生活を鮮やかに彩っていったんだ。

私と君はよく似ていて、それでいて正反対の性質を持っていると思う。
豆腐メンタルの私は君の鋼鉄のメンタルがとても羨ましかった。他人を観察して終わるだけの私と違い、興味を持った対象へ警戒心も無く近づいていく君は危なっかしくも魅力的だった。
リアクションの薄い君と、感情がすぐ表に出てしまう私は、傍から見れば君がおとなしい子で私が明るい子だと思われていたかもしれない。
本当は全然違っていて、私は昼より夜が好きで夏より冬が好きな超ダウナー人間だ。相手に嫌われないよう、もう二度といじめられないよう笑顔で武装していた私は、そのままの自分で気高く生きている君が眩しくてたまらなかった。

君の良いところを上げだしたらキリがないし、魅力を語ろうとしたら修士論文5本あっても足りないと思う。
君から去っていった人間は人を見る目がないと思っている。人の表面だけしか見ないで自分のフィルター越しに他人を評価する、だから君という複雑で美しい存在を理解できなかったのだろう。私はそう考えている。
これまでも、これからも、君という存在を嫌いになることは無いと思う。未来のことなんてわからないけど、嫌いになる要素が全く思い浮かばないし、そもそも私はあまり人を嫌いにならない。

大学時代も含め、私が鬱で地球外散歩を企てたとき、いつもどこかで「私の葬式で君は泣いてくれるだろうか」と考えていた。
思えば君の泣き顔は見たことがない気がする。そんな貴重な泣き顔を、死んでるせいで見られないのは勿体ないなぁなんて考えて踏みとどまったこともあるんだ。

君のことをもっとよく知る人間はいると思う。でも私は勝手に君のことをよく知っていると思う。
ずっと一途に想っていた人と結婚できて、本当によかった。君が幸せだと本当に私も幸せなんだ。
この先の人生、良いことばかりではないだろう。つらいこと、苦しいことだってあるだろう。
私達の高校生活も良いことばかりじゃなかった。むしろつらかったことの方がよく覚えている。それでも私が胸を張って「高校生活は本当に楽しかった」と言えるのは、ひとえに君という存在があったからだ。
いろんなことを乗り越えてきた君だ。これからもきっと論理的にたくましく乗り越えていくだろう。
そんな君が「人生本当に楽しかった」と笑って言えるための一年間になることを心から願っている。

話したいことも聞きたいこともたくさんある。結婚のお祝いだっていまだに渡せてない。
サシ飲みだってしてないよな。それでも私は勝手に君のことを唯一の親友だと思ってるよ。
コス合わせだってしたい。女の子でいられる間に早く君とコスメの話で盛り上がりたい。
大好きだ。今日という君の誕生日を私が生きて迎えられて、こうして祝えることを心から誇りに思う。死ななくてよかったよ、ほんと。

まとまらない上に全然書き足りないけど、これ以上はさすがに気持ち悪い奴になっちゃうからやめとくね。
まぁこんなの書いてる時点で十分気持ち悪いかw

最後になるけど、改めて、誕生日おめでとう。生まれてきてくれてありがとう。
この一年とこの先の人生、君にたくさんの幸せが降りますように。

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