キミが2つ


たまごを割ったら黄身が2つだった

あ、生きなきゃ

と思った。

身体の重さと、壮大な絶望感と向き合ってみたり、
そっぽむいてみたりしながら半月働くこともできず
真っ青な天井と陽炎がゆらめく月を迎えてしまった
半月はほとんど家からも出なかった

このまま生きることを手放せばどうだろうと
考えてみるけれど、別に死にたいわけじゃない
生きることに執着してないようで執着しているのか
何が何だかよくわからない、そしてまた思考に疲弊する

いつからか本気で何かに取り組めなくなった
努力ができなくなった
その代わりにあきらめる事は上手くなった
あきらめられないこともあった 

また本気で頑張ることができるはずだと信じたかった


この期待はあっけなく崩れ落ちた
また変われなかったと絶望した
そして自分は一体何なのか、またわからなくなった
死ではない、終幕をどこかで望んでいた



たまごを割ったら黄身が2つだった


あ、生きなきゃ 

と思った。


ヘビー級の自問自答から解放してあげよう
小さないいこと、集めて生きてみようと思った

そんな日


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