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黄斑円孔闘病記 -4-

前回は入院まで私がどんな風に日常を過ごしていたかを書いてみたのだが、ここで客観的に私の症状と先生の説明を改めて整理してみよう。ここで登場するのが我が妹である。

私が大学病院で先生から話を聞いている間、一緒に行ってくれた妹はせっせと横でメモを取ってくれた。私は特に人の話をちゃんと聞いていない傾向がある。聞いても忘れることが多い。都合のいいところしか聞いていなかったりもする。

そういう私の性格を知ってかどうか、いや、多分知ってのことだ。ひとりで行かせると何にもちゃんと聞いて来れないと分かっていたのだろう。実際これは大変助かった。そもそも私の性格がいい加減というのもあるけれど、それ以上に、診察室で先生と話しながらメモを取る、なんてことは、なかなかできない。ドデカイ大学病院は患者も多いし、次の患者さんも待っているから

「あ、先生ちょっと待ってください、さっきのもう一度お願いします」

とか、手帳出してきてやったりできんのである。だからと言って他人に一緒に行ってもらうのは難しい。こういうときは出来る身内がいて助かった。妹は地元タウン誌で記者をしていたこともあってうまくまとめてくれた。妹は私を「ゆきおちゃん」と呼ぶので、メモでもそのように書かれている。

こんなの診察中に書けんよな。今見ると、そう言えばこんなこと言ってたな、自分。確かに1年くらい前から涙がたくさん出る時があった。
これは手術の説明のとき。
入院の説明のとき。CSセットというのは病院で用意してくれるパジャマやタオルなどの入院必需品セット。お年寄りなどはよく利用するけれど、私は使わず。


1月16日に診察を受けたときのメモをきれいにまとめてみよう。病院名は伏せて、先生の名前は仮名にしてある。

2023年1月16日(月)眼科の紹介状により、大学医学部附属病院へ精密検査にいく 大学附属病院 担当:イワシ先生(若い30~40代ぐらい?) 視力、眼圧等々の検査の結果 硝子体黄斑牽引症候群(しょうしたいおうはんけんいんしょうこうぐん)と診断
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー◆ゆきおの現在の症状 ・見えにくくなってから1年ぐらいたってる。 ・特にこの半年ぐらい前から眼鏡はずせば小さい字は見えていたけど、それも怪しくなってきた ・涙が良く出ることがあった ・異物感、ゴロゴロ、痛い感じはあったけれど、それがずっと続くわけではなかった。 ・左目が歪んで見える。
◆先生からの問診 ・糖尿病はないか? → ない ・不整脈はないか? → ない
◆精密検査の結果  
(1)本日の視力検査の結果(矯正)
右目 1.5 左目 0.8
眼圧 13(平常値10~21なので問題なし)※  
(2)目の奥の状態
右目 問題なし
左目 硝子体黄斑牽引症候群の症状があると判断

【硝子体黄斑牽引症候群の説明】
加齢により、硝子体(眼球の中のゼリー状の液体)が液化し、奥の網膜から離れて前面にでてくることがある。 しかし、硝子体と網膜の中心部である黄斑の癒着が強すぎて、上手く硝子体が網膜から離れず、くっついたまま硝子体が前面に出てこようとして網膜(黄斑)が引っ張られ、それにより、視力低下やものが歪んで見える。

◆ゆきおの場合 診断によると、すでに手術を選択肢に入れるレベルにきている。
◆選択は2択
①手術をしてひっぱってる部分を外して取る
・メリット :硝子体と網膜が離れることで、これ以上見えにくくなるなどの視力低下の症状が止められる 。白内障の症状もでてきてるので、一緒に白内障の手術もできる(どのみち白内障の手術を近いうちにしないといけない)
・デメリット:手術により傷をつくってしまい、ばい菌が入り、2000人に一人の割合で失明することがある。手術により網膜剥離や網膜に穴がを開いてしまうことがある。それにより今より見え方が悪くなることある。欠損(一部部分が欠けて見える見え方)することがある。視力の回復や、歪みがなおらないこともある。
②このまま様子をみて、硝子体と網膜が自然に離れるのを待つ(生活に支障がなければ)
・メリット :①のデメリットを回避できる
・デメリット:硝子体と網膜がいつ離れるかわからない。外れないことがある。先生の経験上、往々にして外れないことが多い。外れるのを待つ間に見え方がどんどん悪くなる可能性がある。急に外れたとき、その衝撃で網膜が剥がれたり、穴が開いたりすることがある。引っ張りが強くなるにつれて、やっぱり手術となったときに、現状維持の現状が今より見えにくい状態の現状となる。白内障が急激に進む可能性がある。

①を選択した場合 入院期間は5~7日間 今ここで決めずに、3~4週間後にまたきて手術をするか決めてもよい。 決めてから、手術のための検査(心電図/レントゲン/採血など)を行って、手術できる健康状態であれば手術日を決める。 網膜剥離などの緊急性があれば即手術だが、この病気は緊急性がない。 コロナにより、手術数が減っているため、手術待ちが検査を延ばすことで1か月ほど遅れる可能性がある

◆本人の選択
・どのみちしなくてはいけない白内障の手術もできる
・ここ最近どんどん視力が低下してる気がするので、手術日が遅れるのは不安 ・仕事の忙しい時期に手術、入院は回避したい。
・手術のための検査の後に、手術を決断してもいいので、とりあえず検査のためにまた来るという手間をはぶいて、初診の当日に手術方向を考えて、手術のための検査も済ませた。

◆1月25日(水)11:00~11:30までに来院し、大学附属病院にて手術説明を聞く。 手術までの禁止事項 ・目をこすること厳禁(硝子体に振動が伝わり、突然硝子体と網膜(黄斑)が外れることがある) それ以外は普通に生活してよい。

妹メモより、抜き書きして妹自身がまとめたもの

自分ではまったく抜けていた先生の説明がしっかり記されているので、もし黄斑円孔の心配がある人はこのメモを参考にされるのがいいと思う。これは初回の診察の説明で、手術の説明はまた後日別にあった。診察があったのはこの2回で、その次はもう入院となった。入院までには書類を準備したり、入院のための支度などがある。

この手術、手術後は「ずっと下を見ていなくてはならない」とのミッションを課される。実はこれが一番メインと言っても過言ではない。みなさん、1週間、毎日、起きているときは下向き、寝る時もうつぶせで寝なくてはならんのです。想像してみてほしいのだけど、ちょっと無理って思いません?でも私はアホなんで「ふふ~ん、まあできるっしょ」とか思っていたんですよ

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