Netflix版シティーハンター
「鈴木亮平という役者とNetflixの底力を改めて思い知らされた名作」
配信前からずっとソワソワしていて気になって気になって仕方がない作品だった。
シティーハンターはもちろんだがとにかく鈴木亮平という役者が好きで好きで有り余るほどだ。彼という役者の素晴らしさを語るなら常に出演する最新作を観れば良いと思うくらい個人的に大好きな役者である。とにかく彼は役作りに命をかけており、肉体から表情から雰囲気まで全身全霊をもって役に入り込む。尚且つ演技力が凄まじく、そして華がある。私が彼のファンになったきっかけのひとつは「狐狼の血LV2」だ。サイコで血に飢えたヤクザ役だったが、「アウトレイジ」の椎名桔平と肩を並べる程の鬼気迫る名演技だった。
そんな鈴木亮平がシティーハンターでリョウを演じる。最高過ぎるキャスティングに発表当時は日本中が沸いた。と思う。少なくとも私は沸いた。
CMの映像を見る限り不安要素はどこにも感じなかったし、最後の最後でテーマソングが「GET WILD」である事が発表されファンの期待値はもう打ち止めスレスレまで高まっていた。
そして満を辞して本日4月25日配信開始。先ほど視聴してきたばかりである。
率直に言うと
すごく良かった。
もう鈴木亮平が映るシーンが毎秒毎秒格好良すぎてあっという間にラストシーンだった。鈴木亮平の完璧に鍛え抜かれた身体はまさに芸術的であり普段から過酷な訓練を絶え間なくしているという冴羽リョウの設定に忠実であると言える。
さてそろそろ具体的な感想を。
本作は大人気コミックの実写版ではあるが何しろアニメも日本アニメ黎明期に関わらずカルト的な人気を誇っていた作品である。特徴としては音楽の良さや声優の良さが挙げられる。そして今回の実写版は見事にアニメ版へのリスペクトを表して作られている。先述した「GET WILD 」の起用もさることながらアニメ声優のさりげない出演。そして鈴木亮平の発声の仕方にしっかりとアニメ版のリョウを意識した演技を感じた。
人気のあるアニメ作品だからこそ、独自の路線で別作品にしようとせず真っ向から受け入れ実写化する。そんなNetflix製作陣と鈴木亮平の心意気を見事に感じた作品だった。
「令和と昭和の親和性も相まって」
少し話が逸れるが令和になって思うのは他の時代に対して懐が深い時代だと思う。平成の頃は何かと馬鹿にされていた昭和だったが令和ではちゃんと敬意を持ってもらえている。それどころか平成に対しても優しい令和。母親とも仲良しなおばあちゃん子みたいな令和。そんな令和だからこそ今回のシティーハンターの実写版は素晴らしい作品になったと思う。
シティーハンターは昭和の終わりから平成初期に放送されていたアニメ。日本が長い昭和を終えて新しい時代である平成に変わっていこうとしていた時代。そんなアニメ作品だからこ、この令和初期に実写化されてよかったと思う。
素晴らしい作品は時代を超えて愛されるというが、この作品は芯はしっかり残しつつ時代に合わせて変化していっている。各時代で作品を愛する人々がその時の感性をもってアニメ化なり実写化なりをすることで作品が永遠に生き続ける。素晴らしい継承であると思う。
スマホがある時代に駅の掲示板を使うというナンセンスさをサラッと流して違和感なく処理させるところ。ターゲットをトー横キッズにしたりして現代の新宿をきちんと表現しつつそこにリョウが溶け込み存在していること。あらゆる点で間違いなく令和のシティーハンターとして成立していた。これは素晴らしい作品だと思う。
おそらくNetflixは今まで日本の映画業界がやってきた失敗をしっかり反面教師にしてアニメや漫画に対して敬意ある実写化をしている。と思う。
後日書こうと思っている「fallout」ドラマ版しかり今回のシティーハンターしかりだが、サブスク配信会社が映画業界とテレビ業界を完全に超えてしまった時代がきた、と言って良いだろう。
これは続編に期待してしまう。
それにしても今作で鈴木亮平は何回「もっこり」と言ったのか。暇な人は是非数えてみて欲しい。
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