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ボランティアに参加した時に優しく声をかけられたのが衝撃だった件

ドラえもんのひみつ道具「テキオー灯」があれば、自分の適応障害が治るんでは無いだろうかと考えたことがある朝倉です
社会に適応してぇ…

あれは今から2年前の夏
朝倉がお世話になってる福祉の関係者からのお誘いで、地元の老人ホームの庭でやる夏祭りのお手伝いをしに行った時のこと

何度か老人ホームの前の道を通ったことがあるが、建物内に入ったことは始めて
緊張しながらも踏み入れたら、担当の人にそそくさと案内をされて、流れるように夏祭りのくじ引きの手伝いが開始した

老人ホーム内のイベントとはいえ、くじは子どものお客さんが対象で、みんな景品のオモチャやお菓子、またはカブトムシを目当てにたくさん集まってきた

(一応説明しておくと、カブトムシが直接景品として吊るされていたとかじゃなく、カブトムシのケースは別にあって、カブトムシを貰える券が景品として吊るされていた感じ)

ハズレ景品として吊るされていたじゃがいも🥔のセットを引いた子どもさんの「Σ(゜Д゜)アァァーーー!!!!」と分かりやすいショックのリアクションが実に良かった

接客は苦手な朝倉、それに反して一緒に参加していた学生のボランティア集団は積極的にお客さんの相手をする
というか自分も若いのに自分より歳下の子たちがちょっと怖かった

何をすればいいんだか分からず、言われるがままくじの準備・補充に取りかかる

朝倉はメンタルがえげつないほど弱いので、どんだけ相手が悪気ないと分かってても、補充の際に担当の職員さんが「はいここ!」「次ここ!」とせっせと指示してくるのを聞いていくうちに、なんか怒られてるみたいで若干怖くなってしまう

熱いのもあって向こうも多少イライラしてたのかもしれない、でも特に理不尽な怒り方はしてこないし相手はただ徹底して仕事してただけ……
そんな中で見事なゆとり世代の自分は、もうちとゆっくりしていいべやなんて本音としては思っていた

仕事の向き合い方が甘く、自分より歳下の子たちの方が積極的に仕事して自分は他より動く回数が少ない…こんなんだから自分は普通の社会に馴染めんのやな……と段々情けなくなっていった

相手は特に深く考えていないのだとしても、こっちがあれこれ考えて自爆してしまうのなんとかしたい…わしゃヒイロ・ユイちゃうねんぞ……
ガンダムW見てない人じゃないと分からんネタをやっても意味ないか、おもろないぞ自分

ともあれそれなりに仕事は続いた
しばらくすると、担当の人から「そろそろ休む?麦茶飲む?」と聞かれた

その時は熱中症注意報は出てない程度の暑さなので、暑いこたぁ暑いけれどぐったりする程でもなく、ましてや周りと比べて朝倉は動けてなかったので、この程度で休んでいいのか分からなかった

でも定期的に水分補給しないといけないのは事実であり、ここは休んだ方が良い気がする…でもこんな自分が休んでいいのか……

そう考えた瞬間、がっつりフリーズしてしまった

たかが休む事を聞かれただけで、まさかの声が出なくなる始末

早く答えを出そうとすると逆に慌てて答えが出てこない、早く喋らなければと思うほど何も喋れない

やばいやばい、こんな事でフリーズしてはいかん、なんか喋らないと、相手に迷惑かける、やばいどうしよう…と、軽くパニクりかけていたその時

「あ、じゃあ休もっか」

と何事も無いようにさらりと言って、そのまま休憩室に案内された

そして紙コップをくれて「そこの麦茶いっぱい飲んでいいよー」と言ってゆるりと休憩が始まった

クーラーの効いた室内と麦茶の冷たさに体力回復……

……あれ、思ったよりスムーズに行ったな
フリーズしたから怒られるかと思った、でも怒られなかった

朝倉は驚いた、いや何を驚くポイントやねんと言われそうですが、何気に衝撃的だった

学生時代、先生に何か言われても答えが出なくてフリーズしてしまう事がよくあった
というか萎縮して何も言えなかった

自分が求める正しい答えを言えず、先生をイラつかせて「意思表示して!」とよく言われた
未だに意思表示という言葉が気持ち悪いほど苦手である

その言葉を聞く度に「自分は意思表示できない人間としての機能がまともになってない馬鹿なんだ」とよく落ち込んだ

だからさっさと答えを出せばいい場面で何も言えなくなって、相手をまたイラつかせるんではないかと怖くなっていた、仕事中の指示をする様子を見て勝手にイラついてるのではとどこか思っていた

そんな中、怒られずさらりと次に進んだ
相手は嫌な顔ひとつもしてなかった、当たり前のように対応していた

自分で答えを出せなかったのは残念だが、今考えれば暑い中多少なりとも動いたんだから休憩するのは適切な対応で、それに導いてくれたのは有難い(そして手間をかけさせて実に申し訳ない)

相手は福祉の仕事をしてるんだから、こういう対応に慣れてるのかしらと少し考えた
または人前だから怒らなかったのか…とも考えたが、そんなマイナスな方面に考えなくてもいいのに朝倉よ……

学校で先生に怒られたのは自分のせいがほとんどだろうが、それはそれとして「あっ、そっか、普通はこんなことで怒られるもんじゃないのか…」と気付くことができた

後に友達にこの事を伝えたらそれが普通だよと言われた、どうやら朝倉は変に過敏になっていたようだ
未だにあの優しさが(向こうからしたら普通のことなんだろうが)、印象深い

そんなこんなで無事ボランティアは終わった、大した働きができてなかった朝倉がお疲れ様と言われるに相応しいかわからなかったが、自分ができる限りの仕事ができてとりあえずは安心した

…というかこんな考え方してると、自分がいざ仕事に取り組んだ時に無理してしまうだろうからやめたい…社畜にはなりたくない……

余ったくじ引きの景品を持って行っていいよーと言われ、朝倉は子どもたちに残念がられていた景品のじゃがいも🥔のセットを貰った

もう自分は、あの子どもたちのようにオモチャを求める歳じゃなくなったんだなと思うと少し切なくなったが、バイト代の代わりとして手に入れた食品のじゃがいも🥔を手にさげて満足気に帰ったとさ

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