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三重県「なばなの里」~花咲き乱れて、心整う場所

長島スパーランドの近くにある、なばなの里を訪問した。美しい花々を見て散歩。目の保養になり、心のリフレッシュになった。花々は激しく咲くが、人は穏やかに歩いていく。

入口から美しい、または、可愛い花が順路の両側にある。

「鏡池」。
紅葉の時期になれば、モミジが水面に映って美しいと説明がある。

ネモフィラまつり。
淡い青の花々が広大な土地に咲き乱れる。
この広い野原いっぱい咲く花を 
一つ残らずあなたにあげる 
赤いリボンの花束にして・・・
森山良子の歌が聞こえるようだ。(少し古い。)
その歌詞を頭の中で巡らせながら、「そうですか。いただきます。」と心の中でつぶやく。

人は花を見ると、脳内でドーパミンなど、幸せ物質が放出される、と聞く。特に「青い花」はリラックス効果があるようだ。ネモフィラは、心を解放してくれる。
ネモフィラ畑にカメラを向ける人も、畑の中の小道を歩く人も、柔らかな心の時間をすごしている。
遠くには売店横のテーブルで軽食を楽しんでいる人も見える。非日常の満たされた時間を満喫しているようだ。

ベゴニアガーデン。
入口から強烈な色彩のベゴニアに目を奪われる。赤や黄色や白。淡いネモフィラを見た後なので、ベゴニアの大群が強烈に目の中に飛び込んでくる。風景は日本から熱帯地域に移っていく。

花の色は、虫や鳥を花にひきつける一つの要素だ。虫や鳥たちは花の蜜を吸う。その中で受粉という現象が起きる。花は実をつけ種となる。子孫を残す。生命現象だ。ベゴニアには、そのような「生きざま」が強く感じられる。鮮やかな色彩に生命力を感じてしまう。

バラ園。
ベゴニアガーデンの中にある。
ここにも色鮮やかなバラが咲き乱れている。その色はベゴニアより優しい色だ。
再び、歌が舞い降りる。
バラが咲いた バラが咲いた まっかなバラが・・・
これまた、古い。マイク眞木。
赤だけではない。黄色や白やオレンジ色など、様々な色合いだ。

バラには名前がある。人の名前のバラは興味深い。
ジョン・F・ケネディー。
「国が諸君に何をするかではなく、諸君がアメリカのために何ができるかを問え。Ask what you can do for your country.
キューバ危機の際、ケネディー大統領が放った名言。
東西冷戦の中、国民を鼓舞した大統領は「ダラスの暑い日」に暗殺された。多分オズワルドによって。

オードリー・ヘップバーン。
「ティファニーで朝食を」「ローマの休日」などの映画を思い出す。映画のセリフは英語の勉強になる。
世間知らずの王女様の冒険は面白い。完成された映画だと思う。

心整った後、お土産に安永餅を買い、帰途につく。

車を運転しながら、昔読んだ小説のことを思い出す。
庄司薫の「赤頭巾ちゃん気をつけて」である。

様々な出来事があり、世の中が嫌になる。
それでも、「赤頭巾ちゃん」の本を買う小さな女の子と出会い、自分がやるべきことに気づく。

ぼくは海のような男になろう。・・・
ぼくは森のような男になろう。・・・
この大きな世界の戦場で戦いに疲れ傷つきふと何もかも空しくなった人たちが、何故とはなしに・・・散歩したくなるようなそんな、そんな男になろう・・・

そんな男にはなれるはずもなく、今を生きる。
それでも、今日に限っては、花いっぱいの「なばなの里」が、庄司薫が教えてくれた「森のような男」であるように思えた。

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