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2022年 謹賀新年 私の「老いるショック」 その1

ショック!老眼の進行が止まらない。
そろそろ40代に差し掛かろうとした頃からだっただろう、今まで読めた辞書の文字が読み辛くなったのは。もう、離しても・近づけてもピントが合わない、視界がぼやける、目が霞む。人並みに読書に親しんでいたので、その読み辛さは苦痛そのもの。加えて、外食する際は店員さんに出されたメニューが読めない。ましてや、薄暗い店内に至っては、メニューどころかお手洗いへ向かうまでに足をぶつけるや躓くわで、まるで生まれたての仔牛の様。あぁ、今まで出来たことが出来無くなる、心地悪さ。

歳を重ね、心と体の成長(あえて、退化とは考えない)に合わせて、今までの自分にさらば。新しい自分にこんにちはと素直に認めた時、眼科を訪れて人生初めての老眼鏡を作った。幾つかの機材を使っての検査、瞳孔を拡張させる点眼を用いた検査(視界を極度にぼやけさせるので、後にパニックに)を経て出来上がった眼鏡がなんとも言えなく愛おしかったこと。幼き頃、「クララが立った!」の衝撃を味わって以来の感動。できなかった事が出来る喜び。ありがとう、私の老眼鏡。訪れた老いを受け入れた時、その先に歓喜がある。頑なさは、未知への快感を隔てるもの。

その人生初の私の老眼鏡は儚くも我が愛犬・ルビーによって、齧られ破壊されたが(レンズはプラスチックだったので、ルビーは怪我することなかった)、それ以来、ほぼ毎年のペースで眼鏡を新調している。いつかは老眼の進行が緩やかになるだろうと願うが、それまでは自分の体の変化に耳を澄ませ、その時々のレンズをアップデートするしかない。時には、ユニークな眼鏡フレームを新調してもいい。新たな愉しみは年齢と共に増えるのである。


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