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中学校の登校途中に居眠り運転のトラックにはねられ首から下がすべて麻痺し、動くことも話す…

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中学校の登校途中に居眠り運転のトラックにはねられ首から下がすべて麻痺し、動くことも話すこともできなくなる。懸命のリハビリの末、ヘッド・スティックでワープロを操作し、文字を合成音声機で音に変換して、コミュニケーションをとれるようになる。

マガジン

  • 車椅子の視点 ヘッド・スティックで伝える私の言葉

    事故で脳幹部中枢神経挫傷という障害を負い、四肢の運動機能を失った著者。リハビリや友人とのやりとり、社会に対する思いなどを綴る。1998年7月初版

  • 亜砂子さんの暮らし

    中学校の登校途中に居眠り運転のトラックにはねられ首から下がすべて麻痺し、動くことも話すこともできなくなる。懸命のリハビリの末、ヘッド・スティックでワープロを操作し、文字を合成音声機で音に変換して、コミュニケーションをとれるようになる。

最近の記事

三、 再 起

脳幹部運動神経中枢挫傷  「この病院のリハビリに、何を望みますか?」入院に際して、主治医となったリハビリ科の0先生にこう聞かれた私は、母を介して、「人に車椅子を押してもらわなくても、動けるようになりたい」「人を介さなくても、コミュニケーションがとれるようになりたい」と答えた。0先生は「努力しましょう」と言ってくれたが、私の腕は、自分でほんの少し動かすのもやっとの状態だった。  カルテには「脳幹部運動神経中枢挫傷」とあり、引き伸ばされた頭のCT(断層写真)を見ると、脳のシワは

    • 2. 現 実

      私は異星人? このつらさは、「私が正常だ」という証拠なのだ。  全介助の身になっても、なにもできなくなったわけではなく、体に大きな不自由をもたない人にはわからないことを、自らの生き方や体験を通じて理解してもらうという、この身でなくてはできない大切な役目があるのだ。私には視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚、記憶力、思考力などの残存能力があるじゃないか——。  「生まれ変わったつもりで、障害とともに、一からやり直していこう」と心に決めた私だったが、いざ自分の顔を鏡で見てみると、頭は丸

      • 1. 再 生

        純白の空間の中で  気がつくと、目の前が真っ白だった。ワッ、一体何をボーッとしていたんだろう……。  今にも、白い壁にぶつかりそうな気がしたので、あわてて後ろに下がろうとした。でもなぜか、足の感覚がない。足を見ようとしたが、首はおろか、目さえも動かない。どうしたんだろう……。  私は、自分に何が起こり、どういう状態になっているのか思い出そうとしたが、記憶がまったくない。わかるのはただ、自分が物音ひとつしない、まばゆい純白の空間の中にいて、不思議なほどに心が平安だということ

        • ヘッド・スティックで伝える私の言葉

          メヂカルフレンド社 1998年発行 このテキストは現在準備中です。 noteのマガジンとして発表するため仕組み上、一部表示されています。 準備が終わりましたら、あらためて公開させていただきます。 はじめに 私は、一九八〇年十月、中学校の登校途中に、居眠り運転をしていたトラックにはねられ、脳幹部中枢神経挫傷という致命的な傷害を負った。脳幹部というのは、体の運動神経や知覚神経の通り道であり、顔面や喉の動きや感覚、また人間の呼吸や循環などの中枢となるきわめて重要な脳の部分である

        三、 再 起

        マガジン

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        • 亜砂子さんの暮らし
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