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「総理の夫」を読んだ

大好きな原田マハの作品、読んでいないものを消化中。昨日は今秋に映画化される予定の「総理の夫」を読んだ。

いや~おもしろかった。毎度そうだけど、今回も寝る間を惜しんで一気読みしてしまった。

日本で初めて誕生した女性総理大臣、相馬凛子。その夫、鳥類学者の主人公・日和が、妻の様子や、自身をめぐる心情の変化について日記として綴っているというもの。

もちろんフィクションではあるけど、国の債務が超過寸前だとか、長い間同一政党が政権を握り続けて癒着まみれだとか、女性が働きにくいとか、日本の諸問題については現状さながらに描かれていたので、物語の中に没入して読むことができる。混迷を極める情勢の中に現れた、美しく気高いリーダーの凛子には惚れ惚れするばかりで、日本国民の待望論をそのまま物語にしたような作品だ。

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女性の総理大臣というと、まず思い浮かぶのは現職でニュージーランド首相を務めるジャシンダ・アーダーン氏であろう。「総理の夫」でも少なからずインスパイアされているのだと思われる要素が多数あった。

この方、37歳で首相に就任して、翌年に妊娠を発表。悪阻に耐えながらも公務を続け、6週間の産休・育休をとって今も首相の任務を全うしているという。どこから言及したらいいかわからないほど、日本のリーダーを取り巻く現状とはかけ離れている。

日本の政界に関するしょーもないニュースを憂いでは無関心に傾いていくばかりであったけど、もっと自分事として捉えないといけない。そう思える言葉が、この小説の随所にあった。

女性管理職の目標30%をあっさり先送りにしてしまうような日本でも、いつかこのようなリーダーが国を導くときが来てほしいと願うばかりである。


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