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身体の動きを学んでみる3;筋力について(2)
前回から筋力について考えています。
筋肉が収縮することで関節に力が伝わり、
それが出力となって発揮される。
その筋収縮には神経の指令が必要。
ここまでが前回のお話でした。
ではもう少しそのメカニズムについて
詳しく話してみましょう。
神経ー筋のユニットを、
モーターユニット(motor unit)と呼びます。
具体的なイメージは下図のようになります。
![](https://assets.st-note.com/img/1675594352199-GDJ3ft5yZJ.jpg)
上図は簡略化して、
一つの神経細胞が支配する筋繊維を表しています。
比較的大きな筋肉(太ももやふくらはぎなど)は、
このような複数の筋繊維への神経支配が一般的です。
手指の筋などの小さな筋肉では、
一つの神経細胞が支配する筋繊維は少なくなります。
さらに、
![](https://assets.st-note.com/img/1675594513383-l1uWT1qGLk.jpg)
上図のように実際には、
一つの筋肉内にある多くの筋繊維を、
多くの神経細胞が支配しています。
であれば、
多くの神経細胞が活動(発火という)すればするほど
多くの筋繊維が収縮し、結果として多くの出力が得られます。
つまり、筋力が大きくなります。
さて、
みなさんは筋トレをし始めたら、
筋出力が比較的早期にアップした経験がありませんか?
また、
筋肉が太いことこそ出力が大きなるとイメージしませんか?
どちらも正しいのですが、
じゃぁ筋トレ早期に筋繊維自体が太くなる(筋肥大といいます)のか?
といえばそうではありません。
ではなぜ早期から筋出力がアップするのでしょうか?
それがまさに、
筋トレは神経トレーニングだということを
説明している現象なのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1675601552279-Ik4IiAoTKu.jpg)
上図をご覧ください。
これは同じ太さの筋繊維で、
活動するモーターユニットの数と筋出力の関係を見たグラフです。
モーターユニット活動数が多くなれば、
それに応じて筋出力はアップしていきます。
もう一つ図を提示します。
![](https://assets.st-note.com/img/1675601802686-j8sUY9NDx8.jpg)
(同じ数のモーターユニット活動の場合)
これは、
筋肉(筋繊維)の太さと筋出力を、
同数のモーターユニット活動数で比較した概念図です。
この場合は、
太い筋肉ほど出力が大きなることがわかります。
前述の話に戻ります。
最初に挙げたグラフから、
筋トレ当初の筋力アップの原因がわかります。
それは活動するモーターユニットの数が増えたからです。
ということは、活動する神経細胞の数が増えたということ。
2番目のグラフから、
同じだけモーターユニットが活動すれば、
太い筋肉の方が強い力を出すことができるということです。
太い筋肉ほど力強いということが、
必ずしも間違ってはいないことを示しています。
ちなみに、
筋トレを始めて3週間くらいは、
活動するモーターユニットの数の増加によって筋力がアップし、
それ以降からようやく筋繊維自体が太くなっていく/筋肥大が起こる
と言われています。
もっと早くから筋肉は太くなったと感じた方は、
きっと血流の増大にともなう(パンプアップと言うそうです)ものだと
考えられます(参考1)。
また、3ヶ月くらいしてようやく太くなったと感じるという方は、
目に見える形で、誰が見てもわかる変化という意味での肥大
だと思われます(参考2)。
筋力・筋トレに関しては本当に多くのことが関連してくるので、
書き始めたら終わらないくらいなのですが、今回はこれくらいにします。
次回は、もう少し俯瞰的に身体全体から見た神経活動と筋出力の意味
について考えてみたいと思います。ではまた。
参考サイト
1 https://www.oricon.co.jp/special/58322/
2 https://valx.jp/column/10560/
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