ひろげる

言いたいことを言うためにいくつものアカウントを作ってきて、ことごとく失敗に終わった。

新しいアカウントにログインするたびに「今度こそ」と思うのに、いつも本心をのせたときに限ってツイートボタンが押せなかった。インターネットという自由な空間ですら、自分は何も言えないのか。そう思っていたら、いつの間にかインターネットのほうが変わっていた。いつか確かに感じた自由はそこになく、目に見えるのはグロテスクな表象。いつからこんなことになったのだろう、そんなちょっとした悲観と同時に、今ならいけるんじゃないか?という謎の自信が湧いてきていた。これだけ殺伐とした空間なら、誰も自分の考えなんて見ないだろうし、論争になりそうな話題も(考えはするけど)たぶん投稿しない。よしんば投稿したとしても、火種としては弱すぎるから注目もされないだろう。あれ、案外いまも自由だったりする?

この日記は、まさにその湧いてきた希望の乗っかって投稿するものであって、とくに誰かのために書かれるということもない。「思ったことを思いつくままに書く」ことがそこそこできるようになった嬉しさを原動力に、好き勝手しているに過ぎない。等身大の、何もかも足りていない自分をさらすという意味では恥ずかしいことだけれども、そんな自分を引き受ける準備もできたように思う。否、ようやくここまで来たと言うべきか。

環境が変わり、一人暮らしを始めたことによって、無意識に「自主規制モード」に入らなくなった。これはとても大きなことなので、こうして文字に書きおこして、思考を固定させておこう。内容らしい内容でもないけど、こういうどうでもいいことだって残していいでしょう。世の中の面白いことは基本的にどうでもいいことだし。それにせっかく得た翼だ。飛べずとも広げないと損でしょう?

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