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美容整形 安心できる医師とは?カウンセリング候補の絞り込み方法

朝香です。前回の記事で「どこをどう変えればいいか?」を理解した後に問題となるのがどこにカウンセリングに行くかでした。有象無象玉石混交の医師の中から、どうやって自分の顔を任せても安心できる人を見つけ出せば良いのやら…という状態です。

▼前回記事はこちら。

人によって「安心できる」の要素は様々だと思いますが、ここでは朝香なりの安心できる基準と、朝香が執刀医候補を絞り込んだ手順を記録しておきます。文字が多く、内容も真面目で面白みがないですが参考になれば幸いです。


0.朝香の価値観(ここは読み飛ばしても大丈夫)

執刀医選びの判断基準はその人の価値観に大きく依存します。それゆえ、まずは朝香の価値観を明確にしておきます。

朝香は医師ではないですが、大学で医学研究に携わってきました。そのような基礎〜臨床医学の現場は日々新たな治療法や薬が登場します。しかしどんな場合も絶対的に患者の安全が重視され、効果やリスクが不明確なものは人に応用しないのが鉄則です。

安全を担保するのは、医師の知識と経験と技術です。また、治療法はコンセンサスを得た、確立された標準的治療であるかが重視されます。標準的治療はどの医院でも共通した名称で呼ばれ、例えば医院名を冠した特殊な名前で呼ぶようなことはありません。とかく、重要で有効な技術は多くの医師が支持するので、みんなが同じように習得します(ただ、みんなができる中で、その上手さには医師の個人差があります)。朝香は、そのような安全性が担保された範囲内でどれだけ綺麗に、美しく造形をつくるかを医師に求めています。

1.「安心できる」の要素とは

朝香は、安心できる要素は以下の①〜⑤ができるだけ満たされていることだと考えています。

①本来の機能と形状を損なわない専門技術
②緊急時の対応ができる知識と経験
③不要な傷を残さない形成外科技術
④希望する立体デザインを把握し実現するスキル
⑤技術・経験と見合う相応のリーズナブルさ

人それぞれにこの①〜⑤の優先順位が違うため、最終候補にする医師は朝香とは違ってくるはずです。しかし例えば、私がどうやって①の専門技術を判断したか?という部分は参考にできるかもしれません。

以下では、朝香がどのような情報源から上記の①〜⑤を判断したのかを記載していきます。特に①~③は朝香特有な判断をしていると思うので参考になるかも知れません。逆に④と⑤は一般的なことしかしていません。

①本来の機能と形状を損なわない専門技術

ここで言う専門技術とは、例えば骨を切る手術で神経を傷つけたりすることがない、ヒアルロン酸による血管閉塞で失明や壊死を起こさせない(リスクがあるなら実施しない)、審美だけを考えて高すぎる鼻を作り、後々湾曲を起こすような設計と施術をしない、などです。つまり解剖学を熟知し、安定して高水準で安全な手技を発揮できるスキルこそが専門技術だと考えています。

これは患者としては、医師なら最低限身につけていて当たり前だと思うスキルではないでしょうか。しかし、そういう水準に到達していない医師も美容外科のような自由診療の領域には残念ながら存在します。症例写真のみを見て執刀医を選ぶとスキルのない医師にあたるようなトラブルに繋がると考え、朝香は①を最優先の基準にしました。どこに神経や血管があるか、移植した軟骨はどの程度の皮膚から押さえつけられる力に耐えることができるかということを考えて手術を行うことができる医師かどうかを朝香は重視したいと考えています。

その専門技術の水準は以下のようにして判断しました。

●専門技術の判断指標(1):国立大学かレベルの高い私大医学部、形成外科が有名な病院にある形成外科で十分に経験を積んで、形成外科専門医を取得していること。これにより高い水準の教育を受け、しっかり技術を習得していると推測できます。

●判断の情報源(1):クリニックのHPに記載されている医師経歴、学会HPの専門医一覧ページを参照します。

もし気になる医師が決まっている場合は、クリニックHPの医師経歴を確認します。大体は卒業した大学の記載があるのでそれを確認します。国立大学か、慶應、慈恵、日本医科など都会にあるレベルの高い医学部の卒業生であると比較的安心な場合が多いです。卒業した大学がこれに該当しなくても、専門医を取得するまでに所属していた病院が上述の場所であればしっかりとした指導を受けてきたと考えています。大学病院以外の場合、東京警察病院などは形成外科が非常に高水準です。(あまり経歴で判断するのもどうかとは思うのですが、一部の私大医学部などでは「この子が医者になるんか…」と思うような学生も多く、自分の顔を任せたいとは思えないのが朝香の本音です。)
(追記:朝香は国立でもT大の理三ストレート系の人で美容やってる人はちょっと警戒します。その実力と能力を持ってしてなんで美容なんかやってるの…、裏があるんじゃ…という。。形成外科を長く経験してれば納得はできます。)

尚、「専門医を取得するまで所属していた病院」は明記されていないので、経歴から推測で判断するしかありません。

医師は卒後2年間に初期研修を行います。卒後3年目以降に専門を取得したい診療科で後期研修を行います。後期研修でしばらく経験を積み、症例数を重ねると専門医試験を受験できるようになります。なので朝香は、卒業後3年目以降にしばらくの間所属していた病院で後期研修を行い、専門医を取得するまでの研鑽を積んだと判断します。一方、卒業後3年目から美容外科クリニックなどに入社している場合も後期研修で積むべき専門性を習得せず、十分な経験をしていない(しないでいいと判断した医師である)と判断して候補から外します。

専門医について更に補足です。前述の通り、後期研修以降、ある一定の症例を経験するなどの基準を満たすと、専門医試験受験資格を得ます。つまり、専門医を取得していることは一定の経験を有していることの担保になります。免許皆伝のようなものです。例えば顔の骨を扱う専門医である頭蓋顎顔面外科学会の専門医受験資格は以下のように定められています。

基本的に朝香は、少なくとも形成外科専門医を取得していることを最低ラインの基準にしています。

美容整形に関わる専門医資格はざっくり説明すると主に下記の3つです。各学会のHPに専門医一覧があり、そこから専門医資格を持っている医師を探すことができます。

1-形成外科専門医:生まれつきや疾患や事故などで生じた身体の造形・外見上の不具合を解消し、機能と形態をより正常にする専門

上記の形成外科専門医一覧には所属病院(クリニック)が記載されています。

2-頭蓋顎顔面外科専門医:形成外科を取得した上で更に顔の骨を扱う専門

頭蓋顎顔面外科では専門医の専門分野も記載してくれています。朝香は当初頬骨削りや鼻の骨切り幅寄せなども検討していたため、そのような手術をする場合はこの学会に所属している先生を選ぼうと思っていました。

3-美容外科専門医(JSAPS):形成外科を取得した上で美しく造形を作る専門

形成外科専門に重ねて美容外科専門医を取得していると、我々がよく受けるような顔を美しく整える手術分野に関しての見識が深いことが担保されている安心感に繋がると思います。

朝香は、なるべく形成外科専門医+美容外科専門医の先生をさがすように心がけています。そのやり方として、美容外科学会の専門医一覧から居住地近郊の美容外科専門医でクリニックを開業している人やクリニックに非常勤で勤務している人を地道にリストアップし、その中から希望する手術(鼻翼基部肋軟骨移植)を行っている人を絞り込んでいきました。

さらに、骨を切ったり削ったりする場合には形成外科専門医+頭蓋顎顔面外科の先生をさがすことになると思います。

さらに、専門医の中でも専門分野はそれぞれ違います。鼻が得意な人、目が得意な人…など、朝香はその道の専門の人に依頼するのが一番安心で後戻り(再手術)がなく、結果的にコスパがいい結果になると考えています。餅は餅屋の精神です。以下に餅屋を判断する場合の判断指標や情報源を記載しておきます。

●判断指標(2):受けたい手術に関する学会に所属していて、できればその手術に関する報告実績がある。更に博士号(PhDと書いてある場合もあります)を取得していると尚良い。技術を深めて研鑽し、アップデートし続けている指標です。

●判断の情報源(2):クリニックのHPに記載されている医師所属学会、学会HPの学術集会プログラム、医師の氏名で検索をしたときに論文や専門雑誌への寄稿や学会報告実績があるかどうかを探します。

学会に所属しているかどうかは上に掲載した学会HPから確認できますし、クリニックHPの医師紹介に記載してくれていることが多いです。論文や寄稿の有無はGoogle scholarで医師のフルネームをスペースなしで検索します(「山田 太郎」ではなく「山田太郎」)。Google scholarはGoogleが提供する学術論文の検索フォームです。

▼Google scholarは以下のリンク。
https://scholar.google.co.jp/

これ以外に、J-stage、Pubmedなど無料で使える学術論文検索サイトなどもあり、朝香はそちらを好んで使うのですが、ここでは割愛させてください。

②緊急時の対応ができる知識と経験と技術

何らかの原因で大量に出血したり、麻酔管理下で呼吸停止を起こしたり、術中に何かの原因でアナフィラキシーなどの状態に陥り命の危機に面した場合に慌てずに適切な対応をとれること、また、術後の状態が悪い場合にも適切に処置を行い、炎症を最小限にとどめられること。そういうスキルがあると、万が一の場合に死んだり重篤な後遺症が残ったりするリスクは低くなるので、念のため朝香はこれも選定基準にしています。

尚、こういう緊急の対応が必要になる可能性を考えて、朝香は国内且つ自宅から通える範囲のクリニックのみを候補にしています。

●判断指標:卒業後にしばらくの間「2~3次救急病院」に所属していたか。「3次救急病院」とは、重傷患者を診ることができる病院のことです。「2次救急病院」は入院を要する患者を診ることができる病院です。このような病院にある程度の期間所属していたということは、病院で当直中にそのような重症患者を自分一人の責任と判断で対応したことがある、そのような大変な修羅場をきちんと経験して対処できる力をつけていると推測しています。また、そういう病院は患者数も多く、経験した症例も多くなるので豊富な知見を有している可能性が高いです。①の基準を満たしていればほとんどの場合②のスキルも十分だと考えています。しかし私は更に念を入れて、この指標でも確認しています。

●判断の情報源:病院の名前+○次救急 と検索してみる、3次救急のリストを確認する
①で医師の所属していた病院を把握した上で、その病院が救急病院に指定されているかを調べます。指定されていなくても、大学病院に長く在籍した先生であれば同様の水準の知識と経験があると思います。救急病院の指定リストは検索すると出てきます。

▼国土交通省第三次救急病院リスト(2023年時点)
https://www.mlit.go.jp/road/4kou-minei/pdf/2003/1128/b03.pdf

③不要な傷を残さない形成外科技術信頼度

形成外科は綺麗に縫うことが基礎中の基礎です。なるべく縫い跡が医師の技術のせいで汚いくならないよう、綺麗に丁寧に縫うという経験を重ねているかどうかも重視したいポイントです。従って、これも①の形成外科専門医を持っているという基準を満たしていれば十分だと考えています。ただし、体質によりケロイドが形成してしまうこともあり、医師の技術だけでリスクヘッジできない部分もあります。

●判断指標:形成外科専門医を取得しているか

●判断の情報源:①に記載の通り

④希望する立体デザインを会話から把握し実現するスキル

デザイン性の判断は一般的な執刀医探しと同じだと思います。症例写真を見て好みの症例を探し、Twitter等で症例詐欺写真でないことを確認したり、後悔している人がいないかを探したり…。なので判断指標や情報源は割愛します。症例写真が綺麗なこと以外に、朝香はカウンセリングで話をしたときにこちらの言ったことをうまく汲んで言語化してくれることを重視しています。好きな絵のテイストが再現できるか?みたいな、感覚的な部分ですので話してみないとわからないかな~という気がしています。例えばモネの絵が好きな人もゴッホの絵が好きな人もそれぞれですが、ゴッホっぽくしてくれと言ったら「厚塗りで線を太く、赤と緑を特徴的に使って…」と言葉で説明してくれる感じ。

また、ナチュラル指向の先生でも技術があれば派手めな造形に対応してくれることもありますので、カウンセリング時に聞いてみるのも手です。朝香は技術重視で選んだ先生に「色々調べた結果、先生の専門性を信頼していて今の第一候補なのですが…」と前置きをしながら、韓国の症例写真を見せつつ「この感じ好きなんですけどどうでしょう…?」と聞いたりもしました。その結果「じゃああと1mm盛りましょうか」とか「追加で耳の軟骨を取って鼻先を整えましょうか」というような細かな摺り合わせができたので結構いい手な気がしています。

⑤技術・経験と見合う相応のリーズナブルさ

値段のリーズナブルさも一般的な執刀医探しと同じだと思います。何件かカウンセリングに行って見積もりをもらい、価格を比較し、同じ術式で大幅に価格が高くないかどうかを確認します。朝香は①~③で絞り込んだクリニックのサイトに記載されている手術費用を一覧にして確認していました。

2.カウンセリング候補の絞り込み方

ここまで朝香なりの「安心できる」の要素とその判断指標を記載してきましたが、実際に私がカウンセリング候補の先生を絞り込んだときの方法を改めてまとめておきます。

①美容外科学会HPから自分が住んでいる地域近郊の専門医の先生で、クリニックに勤務している人をリストアップする
美容外科専門医は形成外科専門医を持っていないと取れない資格なので、これにより形成外科専門医+美容外科専門医の2つの資格を有する人を一気に絞り込むことができます。上述の学会HPに所属病院が記載されているので、クリニックっぽい所属先の先生をピックアップしていきます。普段は大きな病院に所属している人でも非常勤でクリニックに出ていることもあります。

②その先生の経歴を確認し、どの大学で専門医を取得したのかを確認する
朝香の場合、最終候補の先生は国立大学か、北里、慈恵、聖路加、警察病院に在籍していた先生になりました。朝香は関東で探しているので関西だとまた傾向が違うかも知れません。

③その先生のHPに記載の手術と症例写真を確認する
朝香は鼻翼基部軟骨移植を希望していたので、この手術をHPに記載している先生はあまり多くなくてこの段階で結構絞り込まれました。美しいと思う造形は人それぞれなので、症例写真は先生との感覚あわせのつもりで見ています。

④Twitterや口コミなどでヤバい噂がないか徹底的に調べる
基本、ちゃんとした大学を出てレベルの高い形成外科で専門医を取って、さらに学会活動も積極的に行なっている(学会聞きに行ったではなく発表してるかが大事!)、そういう先生がヤバいことは滅多にないですが念のため徹底的に調べるのは大事です。たまにですが技術はあるけどサイコパス系人がいるので要注意です。そういう人の場合、失敗した場合の対応に期待ができません。だいたい過去に人間性や顧客対応の問題で炎上してます。

追記:朝香は後期研修医や形成の専門医取り立ての医師がいるような大学病院や総合病院などは避け、クリニックを選びました。症例経験の少ない初心者マークの医師を避けるためです。もし大病院との連携が深い先生を希望するなら、普段は大病院に所属して、クリニックに依頼されて外来をたまにやっている先生を探すのが安心だと思います。

3.何かあったときのために

世の中にはレジェンド(大御所、御大)と呼ばれるような先生が少数います。そういう方は形成外科の有名な病院に所属したり、その臨床の世界で後世の育成に尽力していて、あまり個人の美容整形オペに関わることは稀です。普段は先天的な疾患、顔面の欠損が生じる癌や重度熱傷や交通外傷の再建など本当に難しい場合の対応を行っておられます。骨切り後の顎骨壊死など、美容整形外科手術後の組織損傷などはこのような“難しい場合”に該当してきます。困った状況に直面した時、被害を最低限に押し留めるにはそういう難しい場合の対応に慣れた先生を把握しておくこともリスク管理になると思います。そのような先生が特別顧問としてクリニックで診察をしていることもありますので、一度カウンセリングを受けておくと気が楽です。

これらの判断指標を元に、実際朝香がどの先生をカウンセリング候補に選んだかや、朝香がどの先生を困ったときの駆け込み寺だと思っているのかについては、要望が多ければ別途Noteにして公開しますね。その場合、朝香の選択が絶対ではないこと、個人名を記載するのであまり拡散したくないことなどの理由から有料になると思いますがご了承下さい。でもTwitterで過去に普通にpostしてたりするので遡ればわかるかもです。

以上。

Twitterでカウンセリングの感想なども投稿しています。どうでもいい日常とかも多いですがよろしければ見て下さい。たまに論文紹介とかもしていくかも知れません。

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