見出し画像

秋の札幌エンターテイメント【札響定期公演~SCARTSステージ~札幌劇場祭】

10月くらいに書く予定の記事が12月になってしまいました。

その間に、情勢がさらなる悪化となり、観劇なんてできたのなんて夢みたいだなと思います。

今日はそんな日々を振り返り、ゆるやかに書いていこうと思います。


10月~11月、私はそれまで全くできなかった観劇やコンサートのチャンスをようやく得て、恐る恐る足を運んでいました。

札幌交響楽団 定期演奏会 @Kitara

今年はやはりベートーベン。今この記事もクラシックの番組のベートーベン特集を聴きながら書いています。そして、Kitaraが改修に入るので、そういう意味でも「今しかない」というタイミングでした。

出せる予算は、今回もC席が精一杯で、あの空高い席から見物していました。やはり席はかなり間隔が空いており、それまでの、いっぱいだった様子とは全然違っていて正直寂しかったです。でも後に書くような「観劇で密になりそう」というような不安は一切なかったのでそこは良かったです。

心地よく聴かせていただきました、やはりベートーベンは大好き。「田園」は初めて生で聴いたけどのどかだったり、ダイナミックだったりと退屈しない。指揮者が変更になったり、演奏の合間があったり、いつも通りにはいかない感じはどうしてもありましたが。

今年のハイライトというような貴重な体験でした。


SCARTSステージシリーズ(沢則行トーク&小公演 人形劇の惑星、繋がる作曲家たち~西洋の風を運んで~)

どちらも事前申込で無料で聴ける、但し先着順、という方式で、当初人形劇のほうはキャンセル待ちでした。このときは収容人数の制限が緩んでいたところで、当初の予定より多く入れるようになって滑り込みでした。

席が密……隣の人と完全に隣り合っていました。そんな中で60席くらい。隣の子どもが咳とかするし、かなり恐怖でした……ちょっと体制がずさんだった印象が否めません。

内容もどちらもそんなに面白くなかったなぁ。強いていえば人形劇のほうが面白かったです、魅せる工夫もしていたし。でも観客席に飛び込むようなアプローチはせめて今だけでも我慢して欲しかった。結構不快でした。


札幌劇場祭 TGR2020 ポケット企画「渇き、瞬き」

TGRにはほぼ毎年、最低1作品は観に行っています。ポケット企画は未知の劇団だったけど昨年の新人賞受賞者と知って観に行きました。RED KING CRABと迷ったけどテーマで強く惹かれてこちらに。

テーマはずばり「札幌の路上生活者」。路上生活者にインタビューをしたり、差し入れを渡そうとする支援者に対して、彼らの反応は、そして事件が起こり、路上生活者の現実が突きつけられるーー

なかなかに、重く響き、見ごたえがあって良かったです。ラストも安直な解決策を与えず、ちょうど音響を手掛けていた演者さんが「一緒に歌いませんか」と言ってそろそろっと歌いだす。それは何も解決していないけど、どうしようもない現実から逃げられなくなったときの、唯一の、人が成しえる対処法ではないか、と思いました。私自身も何もかもから逃れられない中で歌や音楽に救いを求めた日々を何度となく経験しているから。

作り手も演者も若手で、それはフレッシュではある一方、「大人の重厚な芝居を観たいな……」という気持ちも沸き起こったのも事実で、その願望を埋めようと劇団風蝕異人街「わが友ヒットラー」も行こうとしていたのですが、こちらは延期となってしまいました。

「まだ少し何か観たいな」と思っていた矢先に、私自身が体調不良を重ねてしまい(軽症とはいえ、風邪を3回繰り返し、1か月近く風邪をひいていた。今やっと治りかけている状態だが油断はできない)、そうしている間にコロナ禍が悪化し、外出が難しくなってしまいました。

本当に宝物のような儚い体験でした。これから、エンターテイメントをめぐる情勢はどうなっていくのか……劇場やコンサートホールで何かをのびのびと楽しめるのは夢のまた夢なのかもしれないけれど……

貴重な夢をありがとうございました。

物書きの卵としても、励まされる、一連の体験でした。


いつの日か小説や文章で食べていくことを夢見て毎日頑張っています。いただいたサポートを執筆に活かします。