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【観劇感想】空宙空地「轟音 つぶやくよううたう、うたう彼女は」

あーやっと書ける。

2月4日(火)夜の観劇の感想をやっと書けるときがきました。

札幌演劇シーズン2020冬、空宙空地(クウチュウクウチ)の演劇「轟音 つぶやくよううたう、うたう彼女は」。

これは、まず会場であるコンカリーニョに無事辿り着けるかが、一番の難問でした。

家から札幌駅まで地下鉄で。そこから、普段乗り慣れないJRを使って琴似まで行く必要がありました(地下鉄でも行けることは行けるはずですが、ものすごく歩くとのことだったので)。うまくいくか心配だったけど、琴似を経由する列車って夕方なら結構あって、ものの5~10分もあれば着けちゃいました。

そこから、夕食を摂りにイトーヨーカドー行って。疲れすぎて吐きそうになりながら何とかはなまるうどんとサーティーワンのアイスクリームを食べて、道を折り返してザ・タワープレイスに行って。折り返すのは簡単だったけど、いざザ・タワープレイスに着くのと、コンカリーニョの入口を見つけるのがものすごく困難で疲れてる身には本当きつかった・・・・・・何かいい方法ないものですかね?

演劇は好きだから今後もコンカリーニョに行くと思い、貴重な経験として捉えることにしました。

平日夜にもかかわらず、会場はすぐにお客さんでびっしり。さすがです。

さて、公演がスタート・・・・・・の前にこの公演は「ビフォアシアター」がありました。地元の演者さんが演じる面白さなんかがあったというけど、これはちょっと冗長だったなぁと思いました。10分くらいで簡潔に済ませてほしかった。これのせいで帰りが大幅に遅れてしまいました。(後述)

やっとビフォアシアターが終わって、いよいよ本編。

これは、一言で言うと「母親の人生の再生産」の物語だと思いました。

こう書くと重いです。初めからそれを仄めかしてありました。

しかし、ある時点までは、会場はドッカンドッカン笑い声が響きわたっていました。私はコメディが苦手で、人がつらい思いをして笑われるのがいじめみたいで不快になってしまうたちで、中途半端な劇団だと一人だけ全然笑えなくて当時の彼氏に「一緒に笑えないなんて、かわいそう」と言われて振られてしまったこともあったのですが(そんな人と別れて正解だったと今では心から思います)、

そんな私が、クスリとしたり、ほんの少しだけですが声を出して笑ったりすることが、できました。

ドッカンドッカン笑いを取りながら、それでも提示する問題の本質は一切ぶれていませんでした。私はそれを聞き逃しませんでした。観客も皆そうだったはず。そういう巧みさがありました。台詞が注意深く、よく練られていました。絶妙な表現で、一言で言い尽くせていました。

コメディパートでは場面がバタバタ変わり、普通の劇団であれば不自然、無理がある強引な場面転換も多くありましたが、それを自然にみせていて(大道具を使ったり、笑いにもっていったり)そこに劇団の格の違いをみました。

そして、いよいよ物語は佳境へ、一気にシリアスモードへ。

要は「結婚して、子どもができて、気が付くと、あっという間に(ものの数十分で。この見せ方がまたうまい)時間が過ぎて、自己実現とか何もできなくて、ただ毎日パート先でいじめられて、その赤ちゃん~子どもが大きくなって、大人になって、親になって、自分と同じような道を歩んで、同じような失敗をして、自分は介護されている。これが「生きる」ってことなのかなぁ?」という大変重い物語で。

とても軽快、のち、とてもとても重かったです。

印象的だったのは最後の場面、娘が子どもの頃、貧しくて、ひな祭りにひな人形を買ってあげられず、それが母親のなかでずっと引っかかっていて、娘が大人になって子どもは息子ひとりでそれももう成人しているのに、自分は介護されているのに、ひな人形をあげるシーン。

重い余韻が残りました。あんなにみんな笑っていたのに、最後はみんな泣いていました。私は泣かなかったけど。

満足感の高い演劇でした。

さて、おうちに帰るまでが戦場なのです。終了したのは21時を大きく過ぎて21時20分近く。次の日ももちろん仕事です。どうしよう・・・・・・とにかくJR琴似駅まで急いで歩きます。そして寒い中ひたすら札幌行きを待ちます。10分くらい待って、5分くらい乗って、地下鉄乗って、家に着いたのは22時近く。JR琴似駅からが早いのは本当に救いでした、地下鉄で帰っていたら絶対にこうはいかない。

全体的に今回の演劇シーズンは平日夜が遅くまでかかって、かえって負担になってしまいました。改善してほしいです。

こんな感じで今回の演劇シーズンは2作を観ました。どちらもハイレベル。計6000円もかけたのですがその価値は十二分あったと感じました。観てよかったなぁ。

まぁ、そのせいで、こうやって今、身体を壊しているのかなぁ・・・なんとも言えませんが。

とにかくまた観劇をちょくちょくしたいなぁと思うのです。

早く日本中、世界中に平和が戻れ。

そのためには私も心身を治して平和を取り戻さねばなりません。きっとあともう少し・・・・・・

いつの日か小説や文章で食べていくことを夢見て毎日頑張っています。いただいたサポートを執筆に活かします。