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【all of the time】銀の指輪【羽】

【大切】つきあかり編

私が彼と出逢った理由…
もうそんな事も思い出せないくらい…

ずっと前の日記ノ最初の頁に描かれている事が私には思い出せずにいた。
指で一文字づつ、文字を追いかけるのだけど…

どうしても思い出せない…

明かり取りノ窓にもカーテンをつけようと思った。
日記の端にメモをする。
明かり取りノ窓、カーテン…色?

明日ノ自分はこのメモをどんな風に詠むのだろう…

次ノ朝

結局ほとんど眠れない…そんな朝。

1時間…悩んで決めたワンピース…
暁月ノ空があんまりにも、綺麗で悩んでいたのがとても無駄に感じた…
朝ノ光は嫌いじゃないけど…
今日はイマイチ気分が上がらない。

なんとなく、覚えた煙草が欲しくなり…ベランダに向かう。
残り三本…時間にして⏳15分ぐらい…

私の空間水泳は始まる…
I hear the sound of clouds flowing in the sky

台詞
「読めません。」
「唱えなくても大丈夫だょ。」
今、思えばいきなりクライマックスな彼のとのやり取りはこんな感じだった。
私の住む世界は普通に空を浮かんだり、光を集めて、人に打つけたり、自分の周りノ空間をとても冷たいモノに変えたりする事ノ出来る不思議ナ呪文で構成された世界…

時々、ドジな子が透明になり損ねて先生に怒られていたりすることもある。
言語が物凄く複雑で先生が真面目ナ顔をしてる時は何を話してるかわからない刻は観ていないフリをする。

観ていないフリは実は常にしている。

理由はカンタンで魔法の種類によっては、唱えなくても…
指で文字をなぞるだけで発動するタイプもあるのだとか。
何度か授業で観たけど…
結果は…
月🌕とスッポン🐢?
🍉スイカと胡瓜🥒?
先生に少し🤏だけ…
練習が足りないと言われた。
少しだけ…呆れた顔の先生を補習に付き合わせてしまういつもの私…

三年間ある。この学校ノ名物

それは二つノ指輪
一つは…   銀ノ指輪【羽】
もう一つは金ノ指輪【刻】
三年生ノ夏にある卒業の為に必要な試験

先生もこの学校ノ卒業生で…
二つともその指にはめられているノに、いつも手袋でその姿を観た人はいない。
【羽】と【刻】には幾つか不思議な噂がある…

行きたい場所へ必ず辿り着けるが、記憶が消えてしまう。とか…
行きたい時間へ必ず辿り着けるが、視力を特に色を失ってしまう。とか…
こころと身体が交換出来るとか…

ほかにも幾つかあったが…たくさんありすぎてどれも本当ぽいから…一度、先生に聞いた事がある。

「君はどう思う?」と質問を質問で返された。
授業の事、以外はこの人は全く口を開かない…

本と一緒に生活をしていると冗談で云っていたけど。
職員室の机の上を観るとあながち嘘ではないように思えた。


観た事は無いけど何となく想像💭で話しノ相槌を考えていると。

補習の時間が終わる⏰時間で…
明日までの宿題を出された。
魔法ノ基礎とある?

「?」
先生曰く…
魔法とは…
言葉なのだと云う…次に文字…次に音…それから…光と闇
大きく分けるとその5つ…
五感を通じて発動させる事が基礎中ノ基礎。

「どんなに難しい問いも、まずそこに戻りなさい。」と必ず云う。

時々、先生ノ瞳は何か別ノ処を観ている様なそんな気がする時がある。

きっと眼鏡にもきっと何かの術がされているのかもしれないけど、もし先生にとって嫌な事なら、申し訳なくて、聴けずいた。

「君はいつも不思議そうにいろんなモノを観ているねぇ」

この人ノ言葉はいつも何か見透かされている様で少し恥ずかしくなる。
「あの…宿題ノヒントは?」
「明日までに種火になるモノを探して来なさい。」

「種火?」
「そう種火です。」
この人ノ宿題ノ一番困る処は答えノ無いモノをさも答えがある様に出して来る所にある。
いつだったか、宿題が解けるまで2週間かかった子が居た。
もちろん課題は他言してはいけない。

1人、1人に全然違う課題を出す。
種火とは
いつでも火がおこせるよう、消さずに残しておく小さな火…

今、私はきっとこの人を不思議な生き物を見つけた眼👀できっとみている。

そして、この人はそんな私を観て楽しんでいる?
緊張と不安はいつしか空腹ノ胃に食欲を運んで来る。
複雑な気持ちノまま
「帰ります…ありがとうございました。また明日…」

私の補習はコレにて終了…
別れ際の先生の笑顔が少し怖かった…明日また宿題が増えたら困る。

素足が好きナあたし…私は靴下が苦手で教室を出る刻にどうしてかいつも靴下を脱ぐ…
家まで我慢すれば良いノだけど…
この不思議な癖を観られると恥ずかしいから、今日は下駄箱まで我慢した。

「種火かぁ」コレも私の不思議ナ癖…人に聴こえるぐらいノトーンの独り言…
呟いたぐらいでヒントが出てくれば良いノだけど。

自転車置き場まで歩いているとゆっくり時間が切り替わるのが眼で追える速度で変わってゆく…
お父さんのお古の自転車君、時々ブレーキがあまい刻があるけど、重いわたしを何とかここまで運んでくれる。
今日は荷物の少ない日だったから…帰り道は楽チンだ。
歩くと45分この子を使うと15分…そんな通学路はいつもいろんな事が起こる…
この間は子供ノスズメが親方とはぐれたのか木の下でチョコチョコ動いていた。
朝、だったから少しそのまま観ていた…

父が以前、はぐれた動物は出来るだけ手を貸してはいけないと教えてくれた。

理由はいつかあったけど…
私はどうしてもほっとかなくて、自転車の🧺の中にくるんで少し戻って八百屋さんの段ボールを分けてもらって。
タオルをしいて見つけた💡処の人の通らない所に寄せてしまった。とても可愛いくて、自分が通学途中なのを忘れてしまった。当然遅刻だ!
そして…あの人にも…

あの日は前日ノ雨☔がまだ少し朝方まで残っていた。
私はあんまり使い慣れていない白いポンチョを身にまとい。
「午後から晴れる」と云う父ノ言葉を信じて自転車で出た。

でも何で長靴にしなかったんだろう。
思い出せない…

子供ノスズメをミカン箱ノ中で親がくるノを一緒に待っていてもいいと思った…

時計ノ針は少しづつ進む…
自分ノ事じゃなかったから、物凄く不安になった…

それでも…時計ノ針は同じリズムで進む。

頭の中でいろんな事がよぎる。
そんな事はお構い無しノこの子は少し元気が無い様にも見えるけど…何もしてあげれない。

でも、何もしてあげれないから一緒に待っていようと思った。
時計が無かったら物凄く長い時間に感じたかもしれない。

「何をしてるんですか?」
聴き覚えのある声が雨☔ノ音に混ざって聴こえた…

先生だった…

なんでかわからないけど…涙が出てきた。

木の下でずっと待っている事しか出来なかったからじゃあない。

一生懸命、理由を頭で考えたけど…
頭が真っ白にになってしまった。

先生は何がそこで起こっているのか最初はわからなかった様だった…
使いノ鳥を先生は何羽🪶かいつも連れている。
みんなとても綺麗な色をしているけど…

一羽だけ違う色ノ鳥がいつも先生ノそばにいる。
「この子だけ色が違う…」

そういえば、先生は鳥と話せると聴いた事がある。
話している処をみた事は無いけど。

先生ノお使いをいつもきちんと届けて帰ってくる。

「いつもノ蒼い鳥さんは?」
「君には蒼く観えるんだねぇ…」

人によって観える色が違うのだろうか?
その刻はそう思った。

1羽ノ鳥が小鳥に歩み寄る…

しばらく…先生はそれを眺めている。

そのうち、二羽とも動かなくなった…
「眠ったみたいですね。」

先生が他の鳥を離すと🕊️鳥達は眠った鳥のそばから離れない。

私ははじめて先生が手袋を外す処をみた。
紡ぐような小さな声が聞こえる…

何を唱えたいのか聞き取れないけど。
眠った二羽の姿が見えなくなった。

「カラス🐦‍⬛などはとても眼が良いですからねぇ…コレでも見えてしまうかもしれませんが」

「そうなんですか?」
「えぇ、まぁ、こんな雨ですからきっと雨宿りをしてるでしょうから今はいいでしょうけど、雨が上がればひとたまり無いでしょうねぇ」
私の表情をみて言葉を考えているけど、このままだと食べられてしまうと云う事を言っている。
「この子たちは大鷹ノ子供です。まだ小さいですが、集団で無い限りこの子を守ってくれます。」
私は、カラスこの子たちの違いが色が違うくらいしかわからないけど、実際襲いかかる事は無い。
少し不思議だけど守ってるように見える。
「この子達は自然にはもう帰れない」
先生はそう呟いた。

「いつも居る鳥は親なんですか?」
「あの子は私の魔法です。」

厳密に云うと、魔法の源になるモノと言えばいいですかねぇ。
先生が手袋をポケットから取り出して、まるで内緒を隠すかの様に手袋をはめている。
銀と金…
ウワサは本当なのだろうか?

「ここから、そんな離れた処ではない処に親が居ますね。」

先生の独り言はこう云う事なのかと思った。
凄い人になると一度に幾つも呪文を構成する事が出来ると授業で言っていた事を思いだした。

「先生、眼が…」
凄い綺麗な何色と云うのだろう…それぞれが異なる瞳ノ色は暫くするといつもノ穏やかな色に戻った。

「少し、雨宿りをして行きましょうか?」

眼鏡越しだけど、少し顔色が良くない様に見えた。
私の表情はきっと逆に心配させる顔だったのかもしれない。

「僕は色を持って行かれました。」
笑顔が疲れている事を教えてくれる。
学校で流れている噂はあながちただの噂では無い事が分かった…

「しばらくの間、輪郭だけノ世界になってしまうので、手を貸してくれますか?」
先生の言葉の意味が半分も理解出来ないけど。

樹にもたれかかってしまった姿に恐る恐る近づく、すると
「君はこんな雨なのに長靴を履かないですねぇ」
とても小さな声だったけど…確かにそう聴こえた。

背の高さがこれだけ違うと、それだけで少し緊張する。
今、先生には私はどう映っているのだろうか?

「もう少ししたら雨は上がりますよ。」
先生はポケットの中に手を入れて…
私に何か差し出してきた。

「?」
きっと、またこの人は不思議なモノを見ている眼と思っているのだろう。
「ただの飴ですよ。」
一つ貰って食べてみる…
不思議だったけど…なんか安心出来た。

しばらくして…

雨はお昼に上がった。

特別な事は一つも起こらないかったけど。
私には大切な朝の出来事だった。


いつも記憶の中に居るのにまるで蜃気楼ノ様な日々の記録
コレが先生ノ言っていた輪郭だけの世界なのかもしれない。
いつかこの魔法も解ける日が来るのだろうか。

いつもすぐそばに居てくれている様で、特別なんて思った事が無かったけど。

「刻ノ魔法かぁ…」見覚えのある文字を指でなぞる。
途中で止めて、眼を閉じる。
ひかりはないけど。

なんとなく安心出来て。
いつの間にか眠る事が出来た。

大切にしてくれていたのだと云う事を…
無意識に口で唱えてしまいそうになる…

気がつくと、朝はすぐそこまでやって来ていた。

いつも彼は天気の事ばかりに気していた。
理由はやっぱり思い出せないけど…


文字ノ中にその人は居て、最初ノ頁はいつも同じ始まりで
指で一文字づつ、文字を追いかけるのだけど…

どうしても思い出せない…

明かり取りノ窓につけたカーテンから漏れる光が。
日記の端に光を照らす。
思い出せないけど…この人はきっと…

次ノ日

泥の様に眠り込む…そんな昼下がり。

1週間溜め込んだ資料と悩んで決めた靴…

窓の外の蒼天が季節が変わってゆく事を教えてくれる。部屋に居る事がとても無駄に感じた…
ひのひかりは嫌いじゃないけど…
寝起きはイマイチ気分が上がらない。

となりのビルのお花屋さんで教えてもらった観葉植物が外に出たがっている様な気がした。
一つベランダに増えたモノただの水を差す霧吹き。
煙草はあと2本、吸う前に珈琲メーカのスイッチを入れて。

私の空間水泳は始まる…
I hear the sound of clouds flowing in the sky

続く

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