メタ思考トレーニングを読んで

著 細谷 功『メタ思考トレーニング』
・この本の内容について
ビジネスシーンにおける様々な問題を一つ上の視点から物事を考えられるようにようにトレーニングを行おうというのが本書の主題である。

本書で紹介されている考え方は大きく二通りである。

WHY型思考

いきなり課題に対しての解決策を考えるのではなく問題そのものについて考え始める思考。
例)取引先に商品を紹介をしたが単価が高いので契約できないといわれた

よくある事例であるがその後単価の低い商品を紹介しに行っても何かと理由をつけて断られたりする。
この単価が高いので契約しないという理由は本当の断った理由かどうかは分からない。
もしかすると、競合他社からアプローチを掛けられていて既に契約が決まっているかもしれない。もしくは今使っている商品の機能に不満があり、紹介した商品がその不満を解決できていないという可能性がある。
いきなり次に紹介する商品について考えるのではなく、何故断られたのか知ることがまず第一の近道になることが多い。
実体験になるが取引先の抱えている考えを直接引き出すことは難しいため、ネットなどでその会社の状況を調べるなどある程度自分で予想を立てて行動することが多かった。

アナロジー思考

アナロジー思考とは別の業界の事象のような一見関係のないようなことからヒントを得る思考である。パクリではなく、目に見えない関係性や構造から新しいアイデアを得る。

アナロジー思考はWHY型思考よりもさらに意識し辛いが、新しいアイデアを得る際に最も有効な思考法である。
他業種の試みを意訳し、自分の問題の解決策に当てはめて具体化させる。

例)工場のベルトコンベアーから連想し回転寿司というアイデアを得る

・本書から得た学びとこれから実行していくこと

言われてみれば、仕事に大事な思考であることは分かるが、意識しないとこの二つの考え方を有用に使えない。
日常生活の中でアナロジー思考を癖づけていくため以下のトレーニングを行っていく。
新しい知見に触れる際に自分の知っている他のものに例えて理解をする。

これを行うことで他ジャンルの類似したものを見つけるトレーニングとなる。そもそも理解の難しい事項を自分の知っているものに当てはめて理解をすることは勉強を行う上で自然に行っていることだと思う。これを日常生活においても繰り返し行っていくことで意識付けを行っていく。

仕事の業務量に追われ、ついつい思考することを止めて作業のように仕事を行ってしまっている時が誰しもあることだとは思うが、自分の行っていることが効率よくできているのか、他に良い方法はないのかということを一度立ち止まって考えることも重要だと思う。
時間がない中でも自然にWHY型思考やアナロジー思考を行えるようになることはビジネスマンの必須スキルだと本書を読んで感じた。

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