「好きなことを描いてください」は困る
こんにちは。朝日です。
漫画の表現についてあれこれ書こうと思ったものの、まとまらないので今回はわき道の話。
編集さんから「好きなもの描いてください」って言われると困る話
最初に連載を持つまでの経緯を説明します。
①コミティアで同人誌を描いてた(趣味でマンガ描くの楽しい)
②編集者さんからイベントで声をかけられるようになった(商業を意識する)
③ネームタンク主催の「ネーム大交流会」で編集者さん数人と会って、うち1人と打ち合わせして連載の話を進めた
④連載始まった(もうすぐ1年)
で、ここ数年の間、数人の編集者の方とお話をしてて、打ち合わせすると必ず出る話題が
「描きたいものありますか?」
「好きなもの描いてください」
というやつ。定番の話題です。
私個人の話をすると
「商業で私個人が描きたいものはありません」
になります。
そこから相手の方と「じゃあ、何が好きですか」「何を描きましょうか」
という話になります。
私が商業で個人的に好きなものを描かない理由
「描く理由がない」
これに尽きます。
今まで編集者の方と打ち合わせした結果、
「私の個人的な好みの作品は商品として売るのが難しい」
と感じました。
なので、相手と打ち合わせしながら
「①私が描ける、②描いてて楽しい、③読者が読みたいもの」
について、編集者の方と話ながら探るところから始まります。
多分なんかしらの商品は「市場価値のあるもの」が基準になってるかと思います。商業マンガもそう。
マンガ家の中には「私の描きたいもの何が何でも商品にするんじゃい!」みたいな熱い魂持った方も当然いるし、それで面白い作品もあると思いますが、全員そうする必要も無いし、そういう作品だけでもないだろうなと。
編集者の方から「朝日さんの好きなもの描いてくださいね」って言われると、
(自分の好きなもの担当さんに見せた後であれこれブラッシュアップしたりこだわり変えたりするの心理的負担マジデカイし、それするくらいなら最初から同人誌で描くほうがいいし、イチから担当さんと考えながら固めた方が私一人の負担少なくてすむな~)
という理由から、商業で好きなもの描く理由ってあんまりないです。相手と話してて段々最初に書きたかったものどんどん分からなくなっていくし。アレめっちゃなえる。
最初は描きたいもの分からんな~って思ってても、相手と話したりメモとったりまとめてると徐々に書きたい方向性が見えてきたりもするので、最初からめっちゃ好きでめっちゃ描きたいものある~って必要はそんなにないなぁと。あと編集者さんは好きなもの聞くだけじゃなくて「こういうものどうでしょう?」みたいな提案もしてくれると「この人は私にどういうものを描いてほしいのか、今それが売れると判断する理由は何か」とかこっちも色々考えるきっかけになります。
どうしてもうまくいかないときはあきらめる
しばらく打ち合わせして、ど~しても企画まとまらなかったらちょっと時間おいたり別の編集者さんと打ち合わせします。
マンガ家も編集者も今の相手が一生の相棒とか、この企画をなんとしても通さないといけないわけでもないので。
企画を優先するなら担当さんを変えてもいいし同人誌で発表してもいいし。
いろんな編集者の方と話してみて「この人とならいい企画できそう」みたいな出会いがあるまでがんばるしかない。
お見合いかよ。
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