レジ袋はもともと有料だった

●レジ袋は、むかしから有料だった
前記事で、有料化はアホである、を説明した。ムダが増えるだけで、環境対策にもなっていないのだから。とはいえ、ひとつだけ話を曖昧にしていた。
店舗は、レジ袋を有料化する以前には商品代とは別にサービスでくれてたのか。あるいは、商品代にこっそり載せてたのか。というところである。有り体にいって、どっちにしたって経費になっていたのは変わらないわけで、商品に載せていたとしても、言葉の上ではサービスにしていたってことなんだろう。つまり、もともとレジ袋は有料と同じだったのだ。無料なんかではない。だったら、無料だ有料だとあれこれ話してみても、ほとんど意味はない。有料化することで店舗の負担は減り、かえって利益につながったわけだ。こういう理屈を環境問題なんかにすり替えないで、はっきり言えばいいんだ、と思う。

●環境問題とかいいだすから面倒になる
そもそもレジ袋を含む包装のサービスは、店舗にとっては競争力の強化だったわけで。それがいつのまにか、どの店でも行なうようになり、当たり前の行為なったんだよね。そして、レジ袋は店舗にとっての必然の負担になっていった、と。だったら、商品代に載せるのはあったり前のことじゃないか。だったら、それをはっきりさせりゃいいんだよ。レジ袋はこれまでも、これからも、無料ではなく有料です、ってね。そして、基本レジ袋は提供する。でもって要らない、という人にはポイント還元するとか、合計額から数円さっ引けばいい。なんなら使用するレジ袋は、バイオマス25%のものにすればいいんじゃないの? でもって、体力に自信がある企業は、どんどんレジ袋を無料扱いで提供すればいい。だって、レジ袋は環境問題にはほとんど影響ないんだから。「いや、ある」という人もいるだろうけど、そういう人には、もっと影響の大きなプラゴミを標的にしなさい、といっておくことにしよう。

●レジ袋メーカーも文句を言っているぞ
ポリ袋製造メーカーの清水化学工業は、ポリ袋は「有害物質は発生しない」「ポリエチレンは石油をガソリン、重油等に精製した残り・余りもの」「ポリ袋は見かけほどごみ問題にはならない」「エコバッグより、都度使用ポリ袋は衛生的」「ポリ袋は紙袋の70%のエネルギーで製造可能」なんてホームページで発信していて、レジ袋の有料化には異論を唱えているようだし。レジ袋企業の組合の日本ポリオレフィンフィルム工業組合も、「環境配慮型レジ袋の開発」が進んでいるし、「レジ袋は「使い捨てプラスチック」ではない」なんていってるってニュース記事もどっかにあった。

●3割がレジ袋を買っている
こんな記事もWebにあった。『レジ袋辞退率は7割、義務化前の倍以上に 環境省が公表』(2020年12月9日・朝日新聞)によれば、「レジ袋の有料化をすべての小売店に義務づけた結果、過去1週間でレジ袋を店頭で受け取らなかった人が72%に達し、94%の人がマイバッグを持っていることがわかった 。(略) 義務化前の今年3月の辞退率は30%だった。辞退率が最も高かった年代層は60代以上で84%。最も低かったのは20代の57%だった」らしい。要らないという人が多い、っていう書き方だけど、逆に読めば3割は金を出して環境に悪いといわれるレジ袋を買っているわけだ。では、その3割に罰則があるのかといえば、そんなものはないわけで。環境問題なんて、その程度のもんだと思う。それに、提供されるのがバイオマス25%のレジ袋ってことになれば、たぶん辞退する人は減るだろうし、基本有料でおつけしますよ、といわれればその比率はもっと上がると思う。いちいち「要りません」なんていう手間がなくなるのは、結構大きいと思うんだよね。(2021.02.24)


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