近江八幡からの京都リベンジ その4

腹もふくらんで、次は近くに市立資料館というのがあるので、そっち方面へとふらりふらり。でも、たどり着く手前に旧西川家住宅なるところがあって。ここも見どころなのか? と覗いてみたらむかしの近江商人の家らしく、しかも、これから行こうとしている資料館とのセット券500円もあるというので(資料館は無料だと思ってたんだよね、実は…)、まあ、入って見るか。
靴を脱いで上がると薄暗い和室がいくつかあって、部屋ごとに時節柄なのか雛人形が飾られている。興味深かったのは土間に斜めに張ってあったロープで、聞けば吊り上げ式の扉になっているという。ロープを引っ張りあげると扉が上に引き上げられ、屋内の土間に大八車なんかがそのまま入り込めるようにした仕掛けだ。ところで、この西川家が専門に扱っていたのは、蚊帳なんだそうだ。そういえばどこかの部屋に蚊帳が畳んで置かれていたっけ。それと、こことは別の西川という商家も近江八幡にはあって、なんと布団の西川のルーツなんだそうな。近江商人恐るべし。
さて、つづいて訪れた市立資料館は、郷土資料館と歴史民俗資料館の2つからなっていて、前者は民具的なもの、後者はよくある地元の歴史紹介みたいな感じで、正直いってあまり面白くなかったし、記憶にも残ってない。その資料館にちいさな中庭みたいなところがあって、カフェもあったのでちょっとひと休み。まあ、概ね当初の予定は消化した感じだったのでね。もっとも、事前にもっと情報を仕入れていたら、まるで消化しきれてない! って嘆くところだけど後の祭り。いつも行き当たりばったりがちょうどいいような感じでさまよっております。

そういえば、街中で見かけたこれは何なんだろう? 帰ってから調べて分かったんだけど、近江八幡の左義長まつりは3月11、12日に予定されていて、こちらが訪問したのは9日。大きな祭を控えていたとは知らなんだ。だからって、どうせなら祭に合わせて行っていれば…などとは思わないのだ。だってその時期はホテルは高いだろうし第一予約なんか取れるはずもない。だから、とくに残念とか惜しかった、とは思わないのだよね。

心残りは、旧市街に来るとき、最初に見つけようとした、中村の交差点から左に折れた先の、土田の交差点周辺にあるヴォーリズ建築3件(旧広瀬邸、旧佐藤邸、旧柿元・バーミリー邸)かな。ヴォーリズ記念館のスタッフに尋ねると、もちろん存在はご存じで、旧佐藤邸はレストランになっているとか、1軒は細道の奥にあるとか、おおまかなことは教えてもらえたけれど、細かな行き方は分からない様子で、別のヴォーリズ建築マップをもらいはしたんだけど、目印になるランドマークも書き込まれていないし、縮尺や位置もアバウトな感じなんだよね。でも、めげずに再度トライしてみるか。
で、重い腰をあげて、街中をふらふらし、あの、最初にみて感動した池田町洋風住宅街の煉瓦塀を再度ながめながら、ヴォーリズ記念館でもらったマップをみながら土田の交差点をめざして行ったんだけど、やっぱり手がかりになるものもなく、結局見つからず。うーむ。
悔しい思いを抱きつつ、だらだらと観光地とは無縁な住宅地や畑地をうろうろめぐって近江八幡駅につづくメインストリートにたどり着き、ヨロヨロと駅をめざしたのだった。

近江八幡の路上観察あれこれ
牛乳配達がまだ行われているのだね。

というわけで、もう17000歩くらいいってるよ、な状態で近江八幡の駅に到着。3時55分発の列車に乗り込んで京都をめざす。車内は空いていて、ときおり生徒たちが乗ってきた降りていったり。席がボックスシートだと旅をしているって気分になるね。で、京都到着は4時半過ぎ。まだまだ明るい。宿は四条烏丸の近くで地下鉄で2駅。歩けない距離じゃないけれど、もう十分歩いているのでここは電車のお世話になった。
予約したホテルは1万円もいかないところなので覚悟していたんだけど、意外に見かけはきれいでロビーも広い。もっとも部屋は値段なりに狭くて、でも設備はそんなに古ぼけてはいなかった。まずは近江八幡で昨日、夕食を食べた店でもらった缶ビールを冷蔵庫に放り込み、なんとなくテレビをつけ、ベッドに横になったら、うつらうつらしてしまった。はっと気づくと6時半。さて、何食おう。と思ってスマホで検索したら、ビリヤニをだすインド屋が近くにあるようなので、そこにしよう。と、インドモードで出かけて行ったんだけど、その店の明かりが点いていない。ありゃ。しかたがないので付近をうろついてみたけれど、お洒落な旅行ガイド本で紹介されているような、いかにも、な店はいくらでもみつかるんだけど、そんなところに入るつもりはさらさらない。まあ、連れがいてお酒でも飲もうってんなら気持ちが大きくなるのかもしれないけど、こちらは毎度の貧乏徘徊者だからね。というわけで、結局入ったのは四条通りに面したKIBARUという低所得者向けな感じの大衆中華で、カウンターの壁に向かって孤独に748円のちょっと辛めのタンメンで空腹を満たしたのだった。そのあと近くのセブンイレブンでつまみがわりのチョコビスケットを買って、部屋に戻って浴槽に浸かり、まだ全然冷えていない缶ビールを、荷物を軽くするためにだらだら飲み干して本日は終了。あいかわらずテレビは面白くないのだった。(2023.04.11)


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