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なぜ米国はディスインフレ状態なのに長期金利が急上昇しているのか

じぇいさんによる解説まとめです。

御本人も「特に知る必要はない」と言っていますが、間違った理解でトレードしていると大怪我をするのでちゃんと見ておきましょう。

一応自分の理解で目次を付けましtが
「1y30y(イールドスプレッドのことだと思いますが)のボラティリティ」というものが何を意味するのかを答えられないなど理解が不十分なので、間違いがアレばご指摘ください。



先に結論を言うと、「ボラティリティの大規模なショートスクイーズが起きており、この間はマクロ環境をいくら論じても無駄」ということです


なぜ米国は足元ディスインフレ基調であるにも関わらず超長期金利は急激に上昇しているのか?幾つか要因はあるものの、現在市場を動かしている圧倒的な力学について、既に一年前にツイートした内容と被るため焼き直しするか迷ったがそのことに言及しているものが皆無であるため、再度取り上げる。

トラスショックの時は「ボラティリティのショートスクイーズ(ボラティリティショート勢が一気に損切り)」する形で短期金利が急上昇した

昨年の同時期、金利市場で何があったか覚えている人はいるだろうか?「トラス・ショック」である。この時米金利市場は暴力的なボラティリティのショートスクイズに見舞われた。簡単に言い換えると、同イベントを契機に金利変動スピードギアが数段シフトアップしたことで短期金利は加速度的に上昇した。
金利とボラティリティの話をする際、鶏が先か卵が先か議論は常について回る。当時Fedは連続利上げ真っ只中、表面上短期金利が上がることに違和感はないが水面下金利ボラティリティが急上昇したことで火に油が注がれ市場は我先にと短期金利ボラティリティをロングした。1y2yつまり一年後の2年金利変動。


現在は30年金利でボラティリティのショートスクイーズが動いている

今それが1y30yのスペースで起きている。以前、短期金利は政策金利を主線維として動くが相対的に超長期金利はより需給あるいは椅子取りゲームに近い感覚で動くことに言及した。

1:超長期金利は今年一杯ずっとショートが積まれていた(正確には長期金利ショート、短期金利ロングの構図になっていた)

ここで年初に市場の大多数が信じていた2023年景気のパスを思い出してほしい。過半数が景気の失速、ハードランディングによる年後半Fed利下げを合唱していた。さらにSVB破綻のクレジットイベントまで勃発し、本来手当しておくべき金利ヘッジの手綱を緩めてしまったどころか利上げピークアウト期待によるボラティリテ売りを積み上げてしまった。


2:9月FOMCで利下げパスが大きく後ろに伸びたので、超長期金利のボラティリティショート勢は思惑が外れて損切りを余儀なくされている=Vol上昇により債権損切りで利回り上昇


今これらがペインとなって完全なスパイラルにハマってしまっている。どういう構図か?
昨日が分かりやすい例だが、長い所の金利が2bps売られるとVolが4Normal買われるという極端なプライスアクションが示すように市場は確実にボラティリティのショートで捕まっている。 MOVE指数ではウェイティングのため観測できないが(短期Volは比較的落ち着いている)長期金利はこれが完全にドライバー。

3:日本株市場が信用買いパンパンに膨らませたせいでそのポジションが解消されるまで助からないように、債券市場も歪みが治るまで需給が悪く、ボラも高いまま


バックミラーでソフトランディングが見えているから米株買いという人は、ここまで債券市場が積み上げたポジション経緯を無視している。インフレが関係ないというのは、市場の先行き期待値偏りを是正する流れが足元プライスアクションをドライブしている。「超長期債券も結局は需給」過度に偏ると沈む。


4:このVolが収まらない限りは債券市場の混乱がおさまらず、金利の上昇もじわじわ続き、株式市場にダメージが入り続ける

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