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何もかもうまくいかないけれど8

「よう、朝」

「だーれが、呼び捨てにしていいつった!
朝さまだろうが」
「それは言い過ぎだろ」
朝礼の後、教室で系と茜は朝を問い質した。
「オマエ、歴史変更機関って知ってるか」
「歴史変更機関?」
朝がキョトンとした顔をした。
「なに、それ」
「サムスルとかなんとか」
茜がうろ覚えの単語を並べた。
「フランシスコザビエルなら知ってる。
ネットで検索した」
「なんでそんなもん検索したんだよ」
「うっさいわねえ、どうだっていいじゃない。
アンタには関係ないでしょう」
「なに」
「やるか」
「オマエらは十年夫婦か」
茜が呆れて両腕を両横に広げた。

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