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波と戯れて

波乗りは、心が踊る。

初めてサーフィンを体験した時の光景は脳裏に焼き付いて離れない。
私の人生史上、あんなに感動をくれた瞬間は未だにサーフィンだから。

友人が波乗りをしていても、危険そうだとあまり興味を抱かなかったのに
何故だかわからないけれど私はいつの間にか、サーフィンに興味を持つようになった。

県外に引越した友人と再会するため、数人の仲間で旅行の計画を立てた。
近くの海は、サーフィンの世界では結構有名な海で大会も行われる海だった。
そこでみんなでサーフィン体験してみよ!
宿泊するゲストハウスのオーナーさんが先生をしてくれると言うのでみんなでいざ海へ。

太平洋の波がザザーっと押し寄せ、グッと足腰に力が入った。

海は6月でビギナーには優しい波。
先生は波がないと言いながら、サーフボードの上にいる私達を波のタイミングに合わせて押してくれていた。

初めてのサーフィン、ボードの上に立つ事が少し怖い。

運動神経の良い友人は、難なくボードの上に立っていた。

私はひたすらボードの上で寝そべって、タプタプ波を楽しむ方向に。

その時、波がグッと押してくれた感覚がきて私は無意識にバランスをとりながら、まるでボディボードのようにして岸まで向かった。

日差しが波に反射してキラキラ輝いて、それは海の宝石が散りばめられたみたいに眩しくて
その光景は今までみたどんな景色よりも美しくて胸がキュンキュンした。

そんな事が2度起こって、子供のようにはしゃぐ私はもう虜になった。
ボードの上に満足に立てもしないのに、あの光景とサーフィンに恋をしたのだ。

岸に着くと、周りにいるサーファーと目が合う。
温かい笑顔に優しい気持ちになる。

アウトサイドにいる先生はグー!と手を高く挙げて笑顔だった。
黒い肌に白い歯が輝く、関西弁のサーファー先生。
サーファー先生がオーナーをしているゲストハウスには、先生の友人たちが宿泊していて外国の方や、片腕のサーファーもいて純粋に凄い!と思った。
サーフィンって無限のスポーツじゃない?

その後移住してサーフィンを始めた私。
海上がりの体は、何故かスッキリしているしダイエットにもなった。
クビレがどんどん出来て痩せていく私を職場の女の子もサーフィンやってみたい、と言うようになったし
アトピーで悩む息子さんがいるお母さんも、海水がアトピーに良いみたいだからサーフィンをやらせてみたい、と言っていた。

波の上に立って滑る爽快感は一度味わうと、もう一度!となるくらい気持ちがいい。

「嫌な事がどうでも良くなる」

波乗り仲間も口を揃えて、こう言っていた。

サーフィンを体験するまで白黒の世界だった。
毎日充実とはかけ離れて、ロボットみたいに仕事だけしていた私の人生に色と輝きと感動を与えてくれたスポーツ。

だから私は、度重なる怪我でドクターストップとなって諦めてしまったサーフィンを海に入れなくなった今も心から応援している。

⚠︎自然相手のスポーツなので怪我や危険も伴います。
充分ご注意を。
ローカルサーファーに敬意を払い良識あるサーフィンを楽しみましょう♡



また読みにきてください。