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小沢健二の説得


monochromatic '24 Ozawa Kenji
を見に行き分かったことがたくさんありました。





小沢健二はオザケンという歌手を披露しに来た訳では無かった。



言葉の持つ力を本気で信じていて、それをみんなに伝えに来ていた。

ライブというか説得、説法、演説、講義、提案。



歌詞そのものを直送するのではなく
その言葉達が巻き上げている空気を
「見て!ほら!すごくない!?」という
日常にある風景に目を輝かせ
親に報告する子供のように真剣に遊んでいる。

だから、理解できない人もいる。



たぶん、小沢さんは私たちと同じ地面に立っていると思っている。
同じ人間だから通じ合えることはたくさんあると考えている。

まるで友だちかのように話しかけてくる。
友だちに紹介するように家族の姿を見せてくれる。
友だちと歌うように、私たちに歌わせてくれる。

もちろん、少しの勘違い・誤解を持ったまま来場している人もいる。

それは授業に対して斜めに構えている学生に近いのかもしれない。大人になってから、ああちゃんと聞いとけば良かったなあ、となる人。
もしくは、授業そっちのけで先生の顔を見に来た生徒。

小沢さんの説得をすべて聞き入れる必要はないと私は思う。

こんなに言葉・音楽が持つ力を信じている人が今この時代にいるのだな、
と知るだけで日常が少し変わってくる。
明るくなったりする。

会場には何ひとつ垣根がなく
二階席にいた私はステージまで滑り落ちそうになった。

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