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【な、な、な、なんだこの才能は!?】長井短・著『私は元気がありません』「衝撃」の感想ぞくぞく

 俳優、モデルとしても活躍されている長井短さん初の小説集『私は元気がありません』が2024年2月7日(水)に発売されました。発売前に本作をお読みくださった書店員さんから感想を沢山いただきました。
 ピン留めできない今に抗いもがき直面する、逃れられない生への恐怖、価値観を“アップデート”できない女子高生が“暴力的”な恋に落ちた数時間、学生時代の親友とのどうしようもなくしょうもない交流……。本書はそんな3篇を収録した、「長井短」の新たな文体と言葉に驚かされる1冊。

長井短著『私は元気がありません』(朝日新聞出版)
長井短著『私は元気がありません』(朝日新聞出版)

冒頭一部を下記にて公開しております!

■書店員さんコメント

な、な、な、なんだこの才能は!?長井短さんってすごい!!!
初の小説集だなんてちょっとびっくりするくらい、おもしろかったです!

 世間の当たり前や建前やスタンダードに、意識的に、あるいは無意識に、合わせていくときのざわつく心。日常の中で突然始まる台本、グループにふさわしい自分。物語の彼女たちに対して、”自分と似ている”とは思わないのに、自分の中をよく探してみれば奥に潜んでいそうな、”そう言えば、そう!”と気付かせてくれるような新鮮さがあって、もしかしたら私も自分に言い訳してたのかも…とハッとする。『私は元気がありません』では、雪をじわじわ本当の気持ちへとにじり寄せていく、五郎の鋭く優しい言葉が、私にも突き刺さるようでした。あんなふうに言ってもらえるのって素敵です…。『私は元気がありません』『万引きの国』と、タイトルからしてもう魅力的で、読む前から予感はしていたのですが、言葉の選び方がすごく好きで、長井さんの文章をもっともっと読みたいと思いました!めちゃくちゃおもしろかったです!ありがとうございました!

(紀伊國屋書店京橋店 坂上麻季さん)


 胸の奥底に秘めたフラストレーションが、どんどんふくらみ、爆発するような人間ドラマ。
相手に嫌われたくない。
社会からはみ出したくない。

そんな、自身の理性と本能の間で揺れる、葛藤やもどかしさに大共感。
低温やけどをしたような、心のひりひり感が、止まりません。

だめだと分かっているけど止められない、心地よい中毒症状必至の人間ドラマ。
まるで、友人と何気ない会話をしているような、日常を近くに感じる空気感に包まれました。

読み終えた後、心に充満していた灰色の空気が換気され、爽快な気持ちが広がりました!

(紀伊國屋書店福岡本店 宗岡敦子さん)


やられた。発せられた言葉は異常なまでの痛さと切実さを貫いてきた。

その感情は他人事ではない。何とも表現できない、自分にもあったような怖さになすすべがなかった。人には説明できないような特別な関係。失くしたら、自分の一部が欠落するようなもの。長井短さんのぎらつく、震える言葉は唯一無二だ。こんな気持ちがあることに気づいて痛みとともに自分だけじゃないという救いも感じた。

(ジュンク堂書店滋賀草津店 山中真理さん)


読後にくる不思議な感覚。
じわじわと癖になりそう。
何度も読み返してしまう。

(宮脇書店境港店 林雅子さん)


独特な世界観かな、と読み進めていましたが共感できる感情もあり、若い頃を思い出しました。

(未来屋書店姫路大津店 沖川幾美さん)


 中2病…?
成長を止めて生きているように感じました
どこかで区切りをつけて生きていかなくてはならない。でも怖い
不安定な気持ちのまま年だけとっていく
心が取り残されていくような

前に進むには勇気が必要で失うものが大きい
だけど新しい世界がある
小さい一歩だけど大きい一歩
そう思わせてくれました

(未来屋書店武蔵狭山店 柴田路子さん)


深く深〜く、潜っていかないと辿り着けない言葉の数々。
人との関係、自分自身のこと。
そんな言葉たちがたくさん散りばめられていて、「人って凄いな」と純粋に思い、
それを表現出来る「長井短」という人間の才能の素晴らしさに震える。

人の見えない傷と思い込み、正しさと怠惰。
「私は元気がありません」の中で語られたセリフ。
「全てが起きたから今ここがあるんだよ」
まさにそれ!起きた事の結果としての今。
形にならない色々な感情を言語化して目の前に並べてもらって満足度満点でした!
何度でも言う。素晴らしい!!

(文真堂書店ビバモール本庄店 山本智子さん)


■「元気という完璧な箱に収まり苦しくなるのなら、決して元気じゃなくてもいい」長井短の初小説集はイタ気持ちいい/『私は元気がありません』書評 (山本亮さん、「日刊SPA!」)

■X(旧Twitter)でも感想をあげていただいています!

長井短(ながい・みじか)
一九九三年生まれ、東京都出身。俳優、作家。雑誌、舞台、バラエティ番組、テレビドラマ、映画など幅広く活躍する。他の著書に『内緒にしといて』がある。小説集は本作が初となる。

■長井短・著『私は元気がありません』
■2024年2月7日(水)発売予定
■1760円(本体1600円+税10%)
■ISBN 978-4-02-251964-1

■内容紹介
 なんでみんな平気なの?怖くないの?私は、自分のお気に入りの私から離れたくない。最高だったって瞬間を過去にしたくないの。
「長井短」にしか描けない言葉が躍る、恋と友情、怒りと怠惰の小説集。
 変わりたくないというピュアな願いが行き着く生への恐怖を描いた表題作に加え、“アップデート”する時代についていけない女子高生が“暴力的”な恋に落ちる「万引きの国」、短編「ベストフレンド犬山」を収録。


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