見出し画像

2023年に朝日新聞出版から発売された文芸書を一挙に紹介します!

 2023年1月から12月までに朝日新聞出版から発売された文芸書を、一挙にご紹介します! 文学賞受賞作から、ベストセラーまで盛りだくさん。年末年始にぜひお手に取ってみてください。

『植物少女』朝比奈秋著(2023年1月7日発売)

『植物少女』朝比奈秋著

 植物状態になった母とその娘、成長するにつれ、母の存在も大きく変化し―「生きるとは何か」を問う、静かな衝撃作。 第36回 三島由紀夫賞受賞作。

『また会う日まで』池澤夏樹著(2023年3月7日発売)

『また会う日まで』池澤夏樹著

 海軍軍人、天文学者、クリスチャンとして、明治から戦後までを生きた秋吉利雄。この三つの資質はどのように混じり合い、競い合ったのか。著者の祖母の兄である大伯父を主人公にした伝記と日本の近代史を融合した超弩級の歴史小説。

『誰に似たのか』中島要著(2023年4月10日発売)

『誰に似たのか』中島要著

 隠居した母の恋に振り回される兄妹、跡取りの教育に悩む大店の主人、実家の隠し子騒動に苛立つ嫁。ニヤリと笑えて、じーんと沁みる。時代小説の名手による痛快家族小説。

『李の花は散っても』深沢潮著(2023年4月10日発売)

『李の花は散っても』深沢潮著

 皇族でありながら政策により李王朝に嫁いだ方子の数奇な運命を縦糸に、半島から来た革命家と恋に落ち転落していく女性・マサを横糸に、戦前から戦後の日本と朝鮮半島を描く著者渾身の力作。

『焼け野の雉』梶よう子著(2023年5月8日発売)

『焼け野の雉』梶よう子著

 わけありの夫と離縁し飼鳥屋を営む女主人のおけいだったが、ある日、江戸の街は大火に呑み込まれ…。ことり屋おけいのたくましく生きる姿を清々しく描いた時代小説。

『白鶴亮翅』多和田葉子著(2023年5月8日発売)

『白鶴亮翅』多和田葉子著

 ベルリンで一人暮らしをする美砂は、隣人Mさんに誘われて太極拳学校へ。さまざまな文化的背景の人びととの出会い、第二次大戦前後のドイツと日本の歴史に引き込まれ、名作を女性の視点で読み直す。
世界文学を切りひらく著者による、はじめての朝日新聞連載小説の書籍化。

『君の六月は凍る』王谷晶著(2023年6月7日発売)

『君の六月は凍る』王谷晶著

三十年前に別れたままのきみの六月は凍った。――文芸界最注目の新鋭が、前代未聞の手法で叙情的に紡ぐ、切ない恋情。

『獣の夜』森絵都著(2023年7月7日発売)

 長期休暇中の中年男性、治らぬ歯痛を抱える女性会社員…。眼の前の世界が不意にぐらりと揺らぐ瞬間を多彩に描く。『カラフル』『みかづき』の著者による愛すべき作品集!

『恋の幽霊』町屋良平著(2023年7月7日発売)

『恋の幽霊』町屋良平著

 京、青澄、土、しき。4人は高校で出会い、恋に落ちた。4人を変えた、かつての「恋」が、ままならない15年後の今を動かしていく。恋の身体を体感させる圧倒的なことばたち。

『世界文学をケアで読み解く』小川公代著(2023年8月7日発売)

『世界文学をケアで読み解く』小川公代著

 現代人が失いつつある“ケアの倫理”は世界の文学にあふれている。『ケアの倫理とエンパワメント』で注目される英文学者が、弱者と暴力と共生、SF的想像力、新しい男性性、死者の魂を手がかりに、ケアの思想的な源をさぐり、世界の文学を読み直す画期的な5つの問いかけ。

『ラウリ・クースクを探して』宮内悠介著
(2023年8月21日発売)

『ラウリ・クースクを探して』宮内悠介著

 第170回直木賞&第40回織田作之助賞Wノミネート。
 各紙誌の書評を席巻、「ダ・ヴィンチ」のプラチナ本にも選出された話題作。
 ソ連時代のエストニアに生まれたラウリ・クースク。消息不明となった彼は今。人生のかけがえのなさが綴られる物語。

『存在のすべてを』塩田武士著(2023年9月7日発売)

『存在のすべてを』塩田武士著

 前代未聞「二児同時誘拐」の真相に至る「虚実」の迷宮! 真実を追求する記者、現実を描写する画家。著者渾身の到達点、圧巻の結末に心打たれる最新作。

『悪逆』黒川博行著(2023年10月6日発売)

『悪逆』黒川博行著

 過払い金マフィア、マルチの親玉、カルトの宗務総長――社会に巣食う悪党が次々と殺害される。
 警察捜査の内情を知悉する男 vs.大阪府警捜査一課の刑事と所轄のベテラン部屋長。警察捜査の内情を活写しながら、裏社会を跋扈する男たちを圧倒的な存在感で描き切る、ラスト5ページまで結末が読めない、本年度最注目のクライム・サスペンス!

『たすけばり 天神参り』山本一力著
(2023年11月7日発売)

『たすけ鍼(ばり) 天神参り』山本一力著

 鍼灸師・染谷の一人娘のいまりは、辰巳芸者をやめて父の稼業を継ぐ決意を固める。染谷の下で日々きびしい修業に明け暮れるいまりだが……。一方、兄・勘四郎は己の生きる目的を探しあぐねていた。季節ごとの江戸情緒も巧みに織り込まれた、好評シリーズ第3弾。

『桃太郎のユーウツ』玄侑宗久著(2023年12月7日発売)

『桃太郎のユーウツ』玄侑宗久著

 福島在住の僧侶作家が震災、コロナ禍のもとで、大きなユーウツと見え隠れする希望を描く六つの作品集。復興住宅に住む老人がこだわる「火男おどり」、近未来〈独り暮らし基本法〉施行下で命の交流を問う「繭の家」、除染作業員・桃太郎の鬱憤の行方をコミカルに追う表題作。

『墓じまいラプソディ』垣谷美雨著(2023年12月20日発売)

『墓じまいラプソディ』垣谷美雨著

「夫の墓には死んでも入りたくない」義母の遺言から始まった墓問題。それは親類や子供たちを巻き込み、墓の必要性などを考えるきっかけになっていく。「遺骨は燃えるゴミで」と言いたくなるほど面倒な、明日は我が身の墓騒動小説。


みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!