石川啄木の「はたらけど」誕生の背景と「ぢつと手を見る」の妙味
5番目の勅撰集『金葉集』は、白河上皇の命により、1120年代に成立しました。「憂かりける」の歌人・源俊頼がその撰者。和歌に新風を吹き込んだとされていますが、上皇からのダメ出しが何度かあっての完成で、ニューウェーブとはそんなに簡単なものではないようです。
『後拾遺集』までは『古今集』の圧倒的な影響下にあり、いわば地続きでした。しかし、『金葉集』が編纂されたのは50年ほどのブランクののち。院政期がいよいよ最盛期に入る時期と重なる、12世紀のまさにポスト王朝時代なのです。歌集に