与謝野晶子の真骨頂 「金色のちひさき鳥」で表現する“秋の発見”
歌の世界では、季節を表す新しい風物は、誰かに見いだされて詠まれ、それに伴って言葉もまた磨かれていきます。
「夕されば」の歌の「門田の稲葉」「蘆のまろ屋」には、“田園の発見”と言ってもいいような新しい感覚が込められています。源経信が、京の西、梅津の里にあった源師賢の山荘を歌人たちと訪れたときに「田家秋風」という題で詠みました。
「夕されば」は、夕方になると、という意味です。秋の夕べがやってくるのを、歌人は感覚を鋭くして待っているようです。
家の門の近くに田んぼがあって