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【記録#6】Red, White, & Royal Blue

久しぶりに自分で見たい映画を選んで見て、とてもいい作品に出会ったので記録として。

ほんまにいい映画に出会ったとき、その映画を見終わった後にすぐ現実に戻れない感覚になる。映画にのめり込みすぎて、自分が映画のストーリーの一員になったような、そんな感覚。見終わって携帯を触って、SNSとか見ているうちに、ようやく映画の世界観からどんどん現実に戻っていくような、、

Red, White & Royal Blueは、そういう感覚にさせてくれる映画だった。ここ最近見た映画の中で間違いなく上位。

ストーリー構成自体はあるあるなBLストーリー。主人公がアメリカ大統領の息子とイギリス皇室の息子、っていう設定からもう大体のストーリーは見えてる。お互い初めは嫌い合ってて、でもなんか好きになっていく、でもお互いの公式的な立場から何か衝突が起こる、がしかし最後には2人で乗り越えてハッピーエンディング。

結論から言うと、大まかなストーリーは私が予想していた通り。タイBL、BL漫画を死ぬほど漁ってきた私を舐めるな。(誰も舐めてない)

そんな「ザ」なストーリーなのだけど、普通に泣いたし楽しんだよね。なんて単純なのかしら私。

この映画は、BLっていうジャンルやけど、LGBTQ以外にもいろんな時事問題(?)的なのも取り扱ってたと思う。

主人公のお母さんがアメリカ初の女性大統領やったり、お父さんは移民出身やったり。SNSと芸能人のプライベートの問題とか、皇室とかの伝統に関する問題も。

でも個人的には色々詰め込みすぎて、その各要素がそれぞれ薄まってしまっていたような気がして少し残念。1つの映画の中で、色々カバーしようとしすぎた感は否めないというか。もう少し1つにフォーカスを絞って欲しかったかな、個人的には。

残念なところは他にもあって、それが主人公のうちの1人(A)がもう1人の主人公(B)のセクシュアリティをアウティングしたみたいなシーンがあったこと。

Bは純血とか伝統を重んじるイギリス皇室の人間だから、ゲイであることは割と重大問題なのだけど、BはAに突然キスしてしまう。その後次のシーンで、Aが第三者である自分の親友に「Bにキスされた。どうしよう」って言ってて、(え、それってBのセクシュアリティをアウティングしてるんじゃないの、、?)と個人的には驚いた。(それに関して映画で何か触れられることはなかった)

後これも疑問だったのが、AとBが付き合ってから、彼ら自身が結構いろんな人に自分達が付き合ってることを言ったり、2人で堂々と出かけたりしてたこと。2人はそれぞれ一応アメリカ大統領の息子、イギリス皇室の息子やし、実際最後の方で「権威のある立場なのにゲイなんて」みたいなことで問題も起こってる。でも物語序盤あたりではそういうの関係なく結構オープンに(?)関係を持っていてそれに驚いた。

あと、AとBの関係の深掘りが浅かったような気がする。AとBが近づくのがあまりにも早すぎて、個人的には頭が追いついてなかった。映画の時間的にも巻くところは巻かなあかんのは理解しているけれど、それにしても早すぎて少しだけ萎えた。

あと、主人公カップルの家族設定もすごく「ザ」っていう感じで新鮮味はなかった。主人公カップルの片方の親は子供のセクシュアリティに理解がある。逆にもう片方の親は割と古い考え方、ゲイだなんて、、という考え方を持っている。でもそんな親の代わりに理解のある妹がいて、妹は唯一の理解者。それもいつものパターン。(ここで私は、女性はいつもサポートの立場に描かれるのはいつも変わらないのね、なんて思ったりしましたが)

色々疑問点とかあげたけど、普通にエンターテイメントとして楽しんだ。深く考えずに映画に没入でき、満足感は高かった。これからも良質な映画に出会いたいものです。


見ている中でこれ使えそうやな、って思ったフレーズ集

"I could've been nicer." ー悪かったな
"It's a bit on the nose." ー鼻につく
"(Subject) has occupied such a vast mental and emotional space in your head?" ー「まだ根に持ってるの?」と訳されていて面白いなと思いました。

これは全部イギリス人役の人のセリフだからイギリス風の遠回りな言い回しなのかもしれないけど、なんか言えるとかっこよさそうと思ってメモした。