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アンパンマンは君さ

こないだ電車で本を読んでいたら、目の前の男の子が全く同じ本を読んでいて、しかも同じ駅で下車して。
「あれ これは運命かな?運命なのかな??」と脳内1人ラブロマンスをしていたら、改札で彼女と合流して去って行きました。
いやぁ、恋って儚いわぁ~


あさひです。


突然ですが、アンパンマンについて真剣に考えたんです。 そして思いました。 誰もが一度は思う事でしょう。
バイキンマンも所詮バイキンの身。 アンパンチ(笑)よりも、除菌殺菌した方がよくないか? 抗生物質飲ませるとかさ。 カビるんるんにはカビキラー。 その方が確実に仕留められるじゃないか。いちいち元気100倍のアンパンチで派手に飛ばさなくとも、と。 目立ちたがり屋さんかよ。
そもそも、どうしてわざわざ逃がすのだろう。バイキンマンは毎日毎日悪さをして。子供1人包み込める大きさの手を何個もつけた飛行物体を操作して、子供を追いかけ回す。

カバお君が何回泣いた?

もう確実に仕留めて罪を償わせるべきじゃないのか。
その高揚した思いが収まらず、友人に相談。
友人は言った。 眉間にシワを寄せ、目を細め、言った。
「それだとアンパンマンの存在意義がなくなるのだよ」と。


すると、どうだろう。 きっと、こうだろう。
アンパンマンはいつもパトロールという名目でヒマをしている。バイキンマンが町で悪さをしなければ、誰もアンパンマンを大して求めない。 

せいぜい”気が利く空飛ぶパン”くらいに思われて、他所から来た人の名物になるくらいだろう。
「過去の英雄」になるのだ。


現在アンパンマンの存在(アンパンの賞味期限大体3日。常に外気に触れてるからもっと短い可能性もある。カバお君はいつも腹減ってるから1日1回でも会うと焼き直し確定。少しでも濡れたら即廃棄)があるのに、アンパンマン工場が経営を続けられるのは、 バイキンマンと戦うヒーローへの支援金で成り立っていると想定する。
もしも通貨がない世界ならば、それこそ信頼関係が大切であり、アンパンマン工場はヒーローがいることによって生まれた信頼が大きいだろう。

ならばバイキンマンが居なかったら?
アンパンマン工場は経営悪化=必然的に、アンコを入れなくなる。
そう。みなさんお気付きの通り・・・


「アンパンマン」は、 「パンマン」と化すのだ。

それでも幾度も幾度も、金にならない「パンマン」を作らなければならない。 勿論、経営が厳しい事だろう。 すると、どうなるか。 


首が無い物体を、空に飛ばすわけにはいくまい。町に出すわけにはいくまい。
過去の輝きをなくした古びた工場。電気さえも消えている中、月明かりが2人の影を照らす。 犬がか細い声で鳴いているのを遠くに聴きながら、ジャムおじさんは「アンパンマン」を殺すだろう。

「きみが最後だ」

 涙を流し、ギュッと潰れそうな心を抑え、殺すだろう。


……アンパンマンはそれに気付いてしまったのだ。 自分の最後を。行く末を。 だから彼はわざとバイキンマンを逃がし、バッレバレの変装にもわざと騙されるのだ。
1回は必ず濡れるのは””バイキンマンはあのアンパンマンでも一筋縄ではいかない強敵””を演出しているのだろう。 殺菌スプレーさえあればカバお君でも倒せるバイキンマンを、「アンパンマンがいなければ倒せない」と思わせる心理トリック。


「平和よ、訪れるな」

何回唱えた事だろう。

カバおは僕の中では最高の"出演者"だ。 友達なんていない、愛と勇気なんて知らない。バイキンマンもメロンパンナもカレーも食パンもミミ先生もウサ子も、 ジャムおじさんさえもただの"出演者"。 俺物語の出演者なのだ。
俺をたててくれ。 俺を主役に。俺のために……。


そう、彼は心に悪魔を飼ってしまったのだ。
でもそれは悪だろうか? いいえ、そんな事はない。誰でも自分の世界を守りたいだけ。 ただ、生きていたいだけなのだ。 それが彼の正義なのだ。


だから言うのだろう。 


「アンパンマンはキミさ」


そう。みんなの心の中にも悪魔が……。 

さぁ、みんな今日もほのぼのとアンパンマンを観よう!

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