見出し画像

EXILEが現代社会でヒーロー活動をする『ナイトヒーローNAOTO』を観てくれ

 オタクの感情を言語化しようのコーナー。皆さん、今日は自分が大好きなドラマの話をさせてください。この記事を最後まで読みドラマを見てもらうために今日は言葉を尽くします。

 今回紹介したいのはナイトヒーローNAOTOというドラマ。EXILE NAOTOがEXILE NAOTO役で主演しており、あのEXILEメンバーがヒーローという裏の顔を持っていたら……? というコンセプトのドラマです。キャッチコピーは「本業、ヒーロー。バイト、EXILE。」所謂”トンチキ”な設定であり、ネタとしか思えず一笑される方も居ることでしょう。だけど、だからこそ、このドラマを見て素晴らしいと感じた魅力や自分の感情を知ってほしい。決して設定だけの出オチでもギャグでもない真面目に良い作品だと知ってほしい。そういう思いをこの記事に綴ります。

 最初に言っておきますが、設定を聞くだけで分かる通りかなりの要素が渋滞しています。なので、魅力も一元的なものではなく"ネタ、ギャグ方面としての魅力"や”ヒーロー物としての魅力”、”NAOTOさん、ひいてはLDHとしての魅力”が多分に詰まった作品なのです。一つ一つ、少しずつでも確実に自分が抱いた感情を伝えられるように頑張りますね……。

EXILE NAOTOさんの魅力

 まずはNAOTOさんについて軽く紹介したいと思います。当然ですが、彼のことを知っている方がこのドラマを楽しめるので。そして何より自分の推しであり、敬愛の対象でもあり、憧れの存在でもあります。NAOTOさんのようになりたい……と日々願いながら過ごしている。NAOTOさんにハマり始めの頃にこのドラマに出会い、そのおかげでここまで勢いよく沼に転がり落ちたと言っても過言ではない。

 彼の魅力を一言で言うとするならば、とにかく多才であるということ。ダンスは勿論、それ以外の分野でも努力に裏打ちされた才能を遺憾なく発揮されています。それは、アパレルブランドの立ち上げだったりヒップホップユニットとしての活動だったりYouTubeでの動画投稿だったり。どの活動にも全力で打ち込んでいる方です。いや、EXILE TRIBEのメンバーは大抵幅広く全力で活動しているんですけども……。

 そして皆さんに知ってほしいNAOTOさんの魅力、それは親しみやすさです。自分が他のメンバーではなく、誰よりもNAOTOさんに惹かれる大きな理由。良い意味で、他のメンバーよりも自分たちに近く感じるんです。近所の気の良い兄ちゃんのような雰囲気が彼にはある。実際に会ったら、にこやかな笑顔で手を振ってくれそうな、そんな雰囲気。他のメンバーでは絶対想像できないけれど、NAOTOさんなら友達にもなれるんじゃないかなとも思わせるような朗らかで柔らかい雰囲気を持っているんです。”オーラが無い”とか”芸能人っぽくない”とかとは違います、そういう話じゃないんです。遠い世界の住人のはずなのに、割と近いところに居てくれる、みたいな安心感があるんですよ……。

 そんなNAOTOさんが持ち前の身体能力で魅せるアクションや、劇中でも実際の私服センスを見せてくれたりと、彼自身の魅力が更に引き出されているドラマです。

EXILEである必要がない物語、EXILEだからこその演出

 肝心のドラマの話に移ります。物語の骨子自体はズバリ国民的知名度を誇る男が正体を隠してヒーロー活動を行う、というシンプルにキャッチーな設定。基本的には物語上でEXILEである必要は無く、他のアイドルや架空の人気アーティストでも問題は無いストーリーではあります。しかし、EXILEだからこその演出を散りばめていて、それがこのドラマの大きな魅力になっているのです。

 例えば、架空の人気アーティストを主人公に据えるとなるとまずは主人公の人気を描写する必要が出てくる。そこを視聴者全員が知っている人物を本人役として主人公に据えることで描写を省くことが出来る。はっきり言ってかなりの力業だけれど、そこがLDHらしいところでもある。

 事実、毎回ドラマの冒頭にEXILEのライブ映像を流しながら「スターの彼には、裏の顔がある。」のテロップを流す。それだけで基本設定の説明を省けるし、説得力が増す。あと単純に面白い。「NAOTO 32歳」と年齢が毎回表示されるのもじわじわ来る。

 実在するアーティストということを徹底的に活用した、印象に残る演出も多い。ドキュメンタリー、あるいは隠し撮りのような映像での他メンバーとの会話シーン。EXILEのNAOTOとしての活動とヒーロー活動を天秤にかけ思い悩む時に映し出されるEXILEの看板。LDH本社での撮影。フィクションとノンフィクションの境界線がひたすらに曖昧になっていく感覚は中々味わえるものではないですよ……。他メンバーが完全に素の状態で、これNAOTOじゃないの? と正体に感付きそうなセリフを言う場面なんてもうクラクラきます。

 物語としてはEXILEである必要性は無いけれど、EXILEだからこそ、このドラマが面白くなったんだなと思います。あと後述するけれど、EXILE関係の小ネタがめちゃくちゃ面白くて笑えます。意図したネタでは無いだろうけど「このドラマはフィクションですが団体、人物の一部は実在します」のテロップが好き。

現代社会におけるヒーロー活動を真摯に描いたドラマ部分の魅力

 じゃあこのドラマがEXILE人気に頼っただけの薄っぺらいドラマかと言うとそうではなく、ヒーロー活動部分も極めて現代的に挑戦した物語で非常に面白い。

 もしも我々の生きるこの世界でヒーロー活動をしたならば、ということを真面目に描いています。既存のヒーロー物を皮肉るような描写が一切無いのもかなり良い。むしろ偽者が現れたり特訓シーンなどの王道展開もやったりする。

 悪人をぶん殴っても物事は解決しない。人は死ぬ。ギリギリのところで間に合ったりしない。どこに居ても駆けつけられない。暴力はただの暴力。正体を隠して急に現れる男はただの不審者。

 ハッピーエンド、というよりはビターな味わいの終わり方をすることが非常に多いです。

 それは主題歌でも如実に表現されています。NAOTOさん自身も歌うヒップホップユニット、HONEST BOYZの『PART TIME HERO』の歌詞。

出来ることなら行きたい Every time 出来ない ほらまた Somebody help こっそり抜け出して参上 PART TIME HERO

「いつでも駆けつけることなんて出来ない」と高らかに歌い上げるヒーローソングはとても自分に刺さりました。現実では困った時に必ず駆け付けるなんて不可能だし、後悔することもままある。それを真正面から表現しつつもそれでも「参上」と歌ってくれるこの曲が大好きです。オシャレだし。

 それとヒーローとしての活動、結局のところただ暴力を振りかざしているだけなんですよね。正義の名の下に振るう暴力の快感に振り回されてしまうNAOTOさんもかなりの見所です。そういうところにもしっかりメスを入れている。

 あと現代社会と言いつつもめちゃくちゃ治安が悪いです。人がぽんぽん死ぬし、戸籍が無い子供とか出てくる。

小ネタから垣間見えるLDHの懐の広さ

 EXILEということを活用した小ネタが非常に多く、笑える場面もかなり多いです。そしてそのネタを、EXILEのイメージそのものに直結するこのドラマでしてもいいんだ……とLDHの懐の広さが伺えます。

 EXILEを名前ぐらいから知らない登場人物による「EXILEってダンスとかするんですか!?」とか。「直人さんも歌の練習とかあって忙しいでしょうし……」「俺パフォーマーなんで歌いませんから」とか。やけにEXILEを知らない人の解像度が高い。

 女子高生の「三代目JSBで好きな人は?」という会話を盗み聞きして全く自分の名前が挙がらずにがっかりするNAOTOさんが見れるのはこのドラマだけですよ。

 あと現実の延長線上な舞台なので、EXILEメンバー以外にも実在の芸能人が本人役で出てきます。武井壮とか森脇健児とか……。どれもクセの強い出番なので必見です。

 とはいえこのドラマも完璧ではなく、粗が気になる人はとことん気になると思います。特に正体がバレるバレないの下りはそうですね、自分でも思いましたから……。ヒーローマスクの入手経由的に関係者にはすぐ感付かれるでしょ……とか、めちゃくちゃ派手な車乗り回してるのに特定されないのは無理でしょ……とか、インターネットの描写古すぎでしょ……とか。そこだけはこう、なんとか目を瞑っていただいて……。

 後このドラマの魅力を挙げるとしたらかなり魅力的な劇伴ですかね。サウンドトラックが各種サブスクサービスでも配信されているので一度聴いてみてほしい。劇伴では収まらないぐらい豪華でオシャレな曲ばかりです。俗に言う処刑用BGMのような、見せ場で掛かる曲もかなり印象的なので記憶に残りやすい。これは個人的な勝手な感想なんですけど、ゲームミュージックぽさもある。ペルソナのBGMとか好きな人は結構好きそう。いや勝手なイメージですけど。個人的一推しの曲は『Be The Hero』です。劇中での使われ方も印象的で、曲自体もかなり好きなので。

 それと毎回変わるEDでのダンスも必見です。なんと一発撮りで通して撮っている。凄すぎ…………。


 このドラマの魅力、そしてNAOTOさんの魅力が少しでも伝われば幸いです。1話だけ見てもらえば前述の魅力は一通り堪能できるので……1話だけ見て! 1話だけ!

 よろしくね~~~~~~!!!!!!!!!!!!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?