余暇のさらに余った暇に

取りこぼしたものたちを
ひとつ、ひとつ、拾って
あちらのはカラスに、
こちらのは野良猫に
突かれて、転がされて
欠けてしまって

無視しろよって言われて
それが大人なんだと思ってたから
ずいぶんと
待たせてしまった
こんなに黄色くなってしまって
部分的には茶色くなってしまって

それでも君たちは
僕だけのもの

あちらのはあの子に
こちらのは彼らに
あげてしまったと思っていた
あげることなど出来ないのに

ずいぶんと長く
待たせてしまった
あの時のあの気持ちは
甘苦い木の実のような
ざらざらした皮膚のような
溺れかけた太陽のような
どれとも違う正確には違う
くすんだ鮮やかさ

まるごと袋に入れて
残らず名前をつけてやろう

許すよ
許してね
愛すよ
愛してたよ
忘れてもいいよ
忘れないでいたよ

僕は僕を拾うよ
僕が僕を拾ってくれる日まで

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