星の放流

こんばんは(こんばんは)
静かな夜ですね(月がいないんでね)
波も全然たっていないですしね(灯台守も今夜は熟睡しているでしょうね)
それはなんですか(これは星の子です)
獲りにきたの?(いえいえ、放しにきたのです)
お仕事ですか?(いえほんの道楽です)
ずいぶん数が減ってるみたいですものね(自然に消えたものも多いし、いまでは死ぬ人がほぼいないのでね)
死んだ人が星になるのですか?(人魚は違うのですか?)
人魚は泡になります(美しいですね)
ふふ(ふふ)
星の子は人の魂ですか?(いやいや、人工です。一袋370円の金平糖)
ずいぶん大きく育ってますね(ええ、これくらいになればね、一人でも飛んで行けます)
金平糖って数え方は一人二人なんですか?(さぁ、魂だった頃のなごりでしょうね)

ああ、見て下さい、明るくなってきた東の空。星が一つ流れていきます(ああ、珍しい。赤ん坊が生まれるのです)
美しいですね(美しいですね)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?