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DM「早まらないで」
あの時は・・・冬、年末。
母と二人で雪積もる北陸。自殺の名所「東尋坊」へ。正に断崖絶壁、そんな写真をSNSへ投稿した。
何の前触れも無く、
そして何の情報も無く、
もちろん、ちょっとした冗談でね、
「早まらないで(笑)」
1件のダイレクトメッセージ。
「べ、別に死のうとしてないすよ(笑)」
「なんで自殺の名所ってわかったんすか(笑)」
「(笑)」
数分後・・・涙が頬を伝う感覚。泣き虫なわたしは慣れっこだ。気がついたら頬が濡れている、手の甲に雫を感じる。
初めての恋が終わる予感…いや…もう終わらせなければならないことは決まっていたんだ…それだけが決まっていたんだ。
とても17歳のわたしには厳しい出来事。そんな出来事が次から次へと起こる日常。相談なんて誰にもできないし、していない。相談の仕方がわからなかった。そうだ、今だって涙が、今だって。1人で考えて、閉じ込めて、感情が消えてしまいそうだ。
ただでさえ慣れない冷たい空気、皮膚の感覚を覚えておくことで精一杯。なんとか温かさを留めておこうと。忘れないでおこうと。そんなわたしの気持ちを裏切るかのように、彩度は毎分ごとに感じられなくなっていく。
味わったことのない苦しさ。そんだけ幸せだったのさ。そんな幸せとお別れする準備。心は混乱している。心の終着地点が見つからない。あれは、確かに、淀んでいた。
わたしの世界は上手くできている。時に、裏切り、裏切り、裏切り、裏切り、裏切られては、訪れる「なにか」。裏切りではないもの。この「なにか」にどれほど救われてきたか。
今思えば、「早まらないで(笑)」という言葉。気付けてあげられなかったわたし、無視していたわたし、面倒を見てあげれなかったわたしがどれほど必要としていたか。その「なにか」にどれほどの温度が存在していたか。
「なにか」を気付けてあげられるかどうか、大切にできるかどうか、だよ。
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