もしも俺らが弾丸なら

もしも俺らが弾丸なら
もしも君が弾丸なら銃口から出てゆくみたいなつまらない想像は前提として、誰の胸元に食い込むか。もしくは頭か。そんなことを考えちゃいないか。俺は火薬の匂いだけが気掛かりであとは被害者面しているだろうし、彼女は別の銃口に入る妄想なんかに時間を使っているし、彼には月を打ち殺す夢がある。でも、そんなことはどうだっていいのさ。想像が想像を呼び込むなんてのは当たり前さ。ただ俺は、もしも、もしもの話だ。もしも俺らが弾丸なら。もしも俺らが弾丸ならさ。泣くだけで一日が消えてしまうそんな誰かの憂鬱を、軽く吹き飛ばしてやれるようなそんな救済になりたいもんさ。

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