撮影の備忘録 ステージ撮影編

ステージ撮影での反省点

某スタジオでステージ撮影をしてきたので、その反省点を今のうちに列挙しておく

  • 機材持ち込みすぎて設営撤収に時間がかかりすぎる

  • ステージの備え付けLEDライトの光が被り気味で肌色が良くない

  • メインライトと背景のライトのバランス調整に手間取る

  • EF85mmf1.2を使ったハレーション撮影の調整に手間取る

良かった点としては

  • スタジオ備え付けLEDライトを黒幕で隠したのは良かった

  • スモークマシンとサーキュレーターの組み合わせが良かった


詳細を書いていくと。

機材持ち込みすぎで設営撤収に時間がかかりすぎる

ついついやってしまうのだが、機材構成がどうしても雑多になってしまって
持ち込みするだけでも時間がかかりすぎる。
もちろん設営にも時間がかかりすぎて、労力とリターンが見合ってない気がする。
掛けた労力に見合った絵が撮れてるか…若干疑問が残る。
もうちょいシンプルな構成で取り回しよく出来ないものか?
これはずっと課題だ。

ステージ備え付けのLEDライトの光が被り気味で肌色が良くない

前項の原因とも言えるのだが、ステージのあるスタジオで背景にあるライトは大体がLEDライトであり、
これがお世辞にもキレイな光を出してるライトとはいい難い…
カラーメーターで測るまでもなく、ライトを肉眼でジッと見てみれば誰でも分かると思うが、大体色が赤っぽかったり緑被りだったりストレートな白い色は出ていない。
今日のスタジオのLEDは赤が強く被り気味。
大体ステージ撮影の課題はコレで、LEDの色かぶりを回避しつつ
背景にスポットライトが当たってるようなハイライトを入れる。
コレに毎回苦戦してしまう。

色かぶりする備え付けのLEDを消灯してしまえばいいのだが、ステージ上の備え付けLEDは移動や撤去が難しい場合がほとんどである。
なので今回は備え付けのLEDライトを持ち込んだ暗幕で隠すことにした。
備え付けのLEDライトを点灯しても、ライブステージのようなキラキラ感はなかなか出にくい。
消灯したままでも、背景にLEDライトそのものが写り込んでしまうので、見栄えがよろしくない。
それを撤去が出来ないのなら隠しちゃおうとしたのだが、暗幕を綺麗に張るのも時間がかかってしまった。
結果的には見栄えが良く出来た気がする。

とはいえ、全部隠せるわけでもないので写り込んでしまうLEDに関しては仕方なく点灯したものだが、そういったライトの影響は少なからず出てしまう。
ステージ系のスタジオさんはコスト面から安価なLEDライトを導入しているのだろうけど、写真を撮る側からするとなかなか取り扱いが難しい。

メインライトと背景のライトのバランス調整に手間取る

これもステージ系の撮影で毎回苦心するポイント。
悩むところとして、背景用のスポットライト的な照明をどの程度のパワーのものにするか。
ストロボにするかLEDライト?
パワーはストロボのが出やすいが、LEDの方がライティングの調子を目視しやすい。
今回はそれほどパワーも必要ないのでクリップオン型のストロボを4灯仕込んでみた

人物に当てるメインライトとして、大型のボックスに200wLEDともうAD200を設置してみた。

後ろからのライトと正面からのライトのバランス・・
これは永遠の課題ではあるが、ジャストのバランスには苦心する。
背景はLEDライトでライティングしたほうが調整がしやすかったかもしれない。

ストロボはパワーと演色性に優れるがライティングの難易度は高い。
LEDはパワーと演色性には劣るがライティングはわかりやすい。
相反する特徴を持つから、どの場面にどのライトをチョイスするかはライティングの難易度に直結する。

EF85mmf1.2を使ったハレーション撮影の調整に手間取る

EF85mmf1.2は開放で撮ったとき画面内に弱めの光源があると綺麗に虹色のハレーションが入るのだが、角度や光源のパワーに調整が必要。
今回は背景に仕込んだクリップオンストロボでハレーションを作ろうとしたが、パワーを最低まで落としたとしてもやや強すぎた。
更にストロボは撮影してみないとハレーションの出方が確認できない。
この辺は反省ですね、光量的にも背景ライトはLEDライトでよかった。

良かった点もいくつか

スタジオ備え付けLEDライトを黒幕で隠したのは良かった

ちょっと繰り返しになるけど、消灯するスタジオ備え付けのLEDを黒幕で上手く目隠しできたのは仕上がりの見栄えがかなり良くなった。
黒幕をシワなく張る必要があるので重しやエレンクリップは必須だ。

スモークマシンとサーキュレーターの組み合わせが良かった

すごく久しぶりにスモークマシンを使ったが、スタジオ内でのスモークマシンの使用にはかなり注意が必要だ。
適切な換気システムが無いと煙がスタジオ内に滞留して人物のコントラストにも影響を与える。要するに顔まで煙でモヤモヤしちゃうのだ。

そこで家からサーキュレーターを2台持ち込んでスモークを適度に混ぜたり散らすことを試してみた。
すると効果は抜群で、ANTRIのリキッドタイプのスモークマシンにありがちな、煙がフワフワと浮いて形が出るような感じが無くなって、適度に散らされた煙はストロボの光をうまく拡散してくれて、実際のライブステージのような効果を演出してくれた。
人物の前にもサーキュレーターを回すことで顔の前に煙が被ることも回避できた。
サーキュレーターも一台よりも複数台あるとかなり効果的だ。

結論

ステージスタジオのライティングはメリハリと光量のバランス、ライトの向きなどの細かいセッティング、などなど・・
ストロボの有利性もあるにはあるが、細かい調整が必要な部分のライトにはLEDを使ったほうがライティングが迅速にできるかもしれない。
背景用に100wクラスのLEDが4つくらいあるといいのだが。
背景に人物用のライトもAD200クラスだとパワーが強すぎるかもしれない。
この辺のバランスがそれぞれ最弱のパワーに設定しても調和が取れないとなるとライト自体を交換するという方法になる。
ストロボが強かったらクリップオンに切り替えるか、LEDライトが強かったらもう少し弱いパワーに設定できるLEDライトに切り替えるしか方法が無い。
これまたセッティングの時間がドンドンかかってしまう。

ライティングはなんといってもバランスが第一だけど、メリハリを出しつつも人物も綺麗にライティングする難易度がステージ・スタジオでは際立ってるように感じる。

ただ暗幕利用とスモークの使い方で今までとは違った感じを出せるかも?という光明も見えた撮影ではあった。



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