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[創作]アメリアの3

 高級車に乗ったまま屋敷に繋がる門をくぐると整えられた庭、奥に広がる自然が広がっている。
 車を下りてパーティか以上になっている敷地の庭の一角に案内される。小川に小舟が浮いていたり、とにかく自然を感じる。その小川のほとりでは気さくなパーティが行われていた。

 シャーリーを見るや否や口々に噂話に花を咲かせる。シャーリーはあまりいい気をしないながらも舞台で培った知らんぷりしてるけど笑顔です、を発揮して何とか気にせずにいた。そこに現れるのは以前楽屋にもいらしてくださった、自分にもそこはかとなく似ている女性。シャーリーはその女性に自らも近づき、挨拶をする。

「ヘレン・スチュワート様、お久しぶりですね。以前見に来てくださった舞台以来でしょうか。」
「シャーリー、あなたは私の孫娘です。気さくに『おばあさま』と呼んでくれて構わないのよ。」

 それはさすがにと思いながらも押し問答しているだけの時間もないのでお願いされた通り、おばあさま、とシャーリーは呼ぶことにした。
 おばあさまは、嬉しそうに微笑んで挨拶を受け入れてくれた。シャーリーはまだ夢見心地な為か現状起きていることが信じられないでいた。

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