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退職後の夏休みの過ごし方


退職しても夏休みってあるのですほろほろ。


1.退職後もある夏休み


去年までいた会社では、毎年、7月の最終週が夏休みだった。

お盆は出社に。そうすると、8月中旬はやる気がかなり失せた。

先に食べたのに、誰かが食べ出すとじぶんも食べたくなる、みたいな感じに似てます。


あれから1年。

退職した者は仕事しないんだから、夏休みも無いと思うでしょ?

いいえ、意外なことに無職になってもある。

ああ、明日からまた仕事かぁ、、とかみんなが嫌そうにいう。

と、わたしも、なんだかうんざりした気分になる。

明日からお盆休みだぁー!ってみんながいうと、わたしもプチ嬉しい。

いや、毎日休みだもの。ちょっとこころ、温まる程度。

世間にこの身が連動している。

毎朝夫を送り出す専業主婦の気持ち、みたいなもん?

ここらへんの連結具合はおじさん毎に、みな違うんでしょうが。


ガザとウクライナのニュースをXで毎日見ています。

ガザに女の子の双子が生まれました。

4日後に父は出生届を出しに行く。

外出していた間に、住まいは空爆されました。

帰宅した父親は、妻と娘たちが殺されたことを知ります。

たった4日間のためにここに来たのか!と、父親は狂ったように叫んだ。

娘たちと妻の遺体を瓦礫の中から運び出す映像にわたしの胸も張り裂けました。


彼の行き場の無い怒りがわたしの胸を覆った。

わたしだけ、平和な国にいるから幸せだよとはなれないです。

社会の不合理や辛さにわたしが連鎖する。

この谷のどこかで人が泣く限り、わたしも泣く。

大袈裟にいえば、人は死の直前まで社会と連動し続けこころは退職できないでしょう。

晴れた日は田畑を耕し、雨の日は読書にいそしむ。世俗から離れた悠然とした老後の静かな暮らし。。

そんな晴耕雨読(せいこううどく)なんて無いんじゃないのかな。

それは、冗談でしょ。


2.人は温度を「聞く」か?


最近の研究で、人間には水の音を聞くだけでそれが冷たいか熱いかをかなり正確に判別できることが分かったというのです。詳しくは、下記です。

https://home.kingsoft.jp/news/amusing/nazology/158595.html?from=rss_list_nazology


まず最初に、「あなたは温度が聞こえるか?」という質問を行いました。ほとんどの被験者(84人)はNOと答えた。

次に、被験者に、あらかじめ録音しておいた冷たい水の音(5℃・10℃)と熱い水の音(85℃・90℃)を聞かせた。

予測される水の温度レベルを0%から100%の間で答えてもらった。0%なら非常に冷たく、100%なら非常に熱いことを意味します。

どうなったか。

5℃と10℃の水に対して被験者たちは温度レベルが低いと回答したんですね。

で、85℃と90℃の水に対しては温度レベルが高いと回答した。

ほとんどの被験者たちは温度が聞こえると思っていなかったけど、実験結果は音と温度の間に明白な相関関係があったのです。

つまり、人間は音を聞くだけで水の温度を偶然を遥かに超えた正確性で言い当てられることを実験が示した。


研究者は、この温度を聞く能力が先天性のものなのか、学習によって身に付いたものなのかも調べた。

熱い水と冷たい水の音は3~6歳児では区別できなかったけど、7~11歳児になると可能だった。

11歳以降になるともう大人と同じ聞き分け能力に達していました。


音響的な指標はいろいろあるんだけれども、唯一、「クロマベクトル」と呼ばれる音の特徴を調べたところ、熱い水と冷たい水の間に有意な差がみられました。

このクロマベクトルを調べることで、特定の音の周波数成分がどの音階(C、C♯、Dなど)の音を強く含んでいるかを知ることができる。音の調性(音楽的な高さや和音)を分析するのです。

研究者たちは視覚や聴覚と違い、温度を処理する脳領域が脳全体に広がっていることが何らかの役割を果たしているんじゃないかという。

人間は多種類の感覚を統合する能力が、想定していたよりも優れているかもしれない、と。

もしかしたら、あなたが気付いていないだけで、視覚を聞いたり温度をみたりする能力が人間にも存在するのかもしれませんと記事は結んだ。

わたしは、聴いているんだろうか?



3.いつものストーリ


薄っすらとした実感。。それが認識とズレてるってあるわけです。

実感を無視して、認識に合わせてしまう。

みんなの常識に逆らうということはすごく難しいですからね。

それに、じぶん自身も素直には聴けなかった。

先の実験を敢行した研究者は、自分の実感を重視し、実際、やってみた。

わたしなら、そんなはずないって、絶対しない。思いつきもしなかったでしょう。


一番問題なのは、この能力が先天的なのか、後天的なのかでした。

で、研究者たちは、水の温度と水の音を関連付ける学習がAIに可能かどうかを最初に確かめてみたんです。

もしAIが温度と音を関連付けることが可能ならば、水の音には温度にかんする情報が含まれていることにもなるからです。

すると学習が済んだAIは、人間よりも正確に水の温度を音だけで検知できました。

だから、「温度を聞く能力は学習によって後天的に付与される」と予想した。

後天性は、小さな子たちが段々識別していったことで確定できた。

そして、「クロマベクトル」と呼ばれる音の特徴に証拠を見つける。


時間の中でわたしたちは学んで行く。

なのに、否定する。水の温度が聞こえる?

実感と認識とのズレ、あるいは思い込みとの闘いという、いつものストーリです。

わたし、けっこう感動しました。



4.退職後の夏休みの過ごし方


40年ほど”労働”に組み込まれていた。

じぶんだけ晴耕雨読なんていう「お一人ワールド」には行けそうもないです。

でも、たしかに、働いてるみなさんよりはうんと休みがある。

なので、その過ごし方は実はすごく重要になるでしょう。

でも、ああ、そうやって過ごしていいのかっていうような話をあなたに書けるわけではありません。


わたしが、嫌だなって思ってたことは、「時間がいっぱいある」とか「暇だ」という話でした。

受け身になってただ時間つぶししてるゾンビみたいでゾッとした。

でも、フタを開けて見たら、意外に、暇でもないのです。

そして、エンドに向かってますからね、時間がいっぱいあるとも思えない。

健康寿命でいれるのは、あと10年ほどでしょう。

要介護になるかどうかは分からないけれど、そこから先はもうこうしたものも書けなくなる。


40歳や50歳の人の今後10年とはぜんぜん違うのです。

オツムがやられるか、寝込むかして書けない「将来」がそこに待ってるわけです。

すくなくなったロウソク燃やして書いている。

で、この10年ほどのすこし長めの夏休みをどう過ごしましょう?


有名になってチヤホヤしてもらえても、10年なんです。

本なりが仮に売れても、10年しかない。

そうすると、わたしとしては、やっぱり、どこかの誰かの為に成ることしかないわけです。

この身は滅んでも、続くあなたが元気になる。

そのあなたがまた、続く者を励ます。。

そう考えると胸は嬉しいし、わたしがここに来た甲斐もあったというわけです。


労働は、ますます過酷になって行くと思います。

そして、人たちはいっそう孤立化するんじゃないでしょうか。

だから、かつてない程に、みんなを励ます者たちは必要になるでしょう。

そういう意味でも、励ましという光は大切です。


きっと、あなたも、やがて目や耳が悪くなり、ショボショボするのです。

もう自分で自分の面倒も見れなくなります。

誰かの世話にばっかり成るしかなくなります。

ころがる坂に入った時、とても暇だとかいう気にはなれないでしょう。

やることが無いというよりも、生きるだけで精いっぱいになるのです。

今、あなたが40歳でも50歳でも、確実にそういうシーズンが来る。

ずっと、なかまのことを無視してもいいのだけれど、

誰も励まさずに消えて行く場合、きっと、孤独があなたを食う。

仲間助けてなんぼの生き物ですからね。


ずっとじぶんの出世なり、有名になって認められることばかり気にして来ました。

そうしないと生き残れないと認識していたでしょう。

それが破綻する地点が今回の夏休みなのです。

段々と積み上げて行った力がぽろぽろと去ります。

そして、労働を失うということは、多く虚栄心も捨てるでしょう。

そうなって、わたしは水の音を実はずっと聴いてたことに気が付いたように思います。

喜び、悲しみ、苦しみ・・

ひとたちの胸の温度がまわりで鳴っていたのでした。


要領を得ない話になってますけど、

すこし周囲にしてあげれることはないのかな?と日々を生きればいいとつくづく思うんです。

慈悲、愛とかいう言葉以前に、目立たずにちょっと他者を助けてあげれればいいんだって。

そういう”休み”なのです。きっと。



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