ソヨン、HYBEにだけは行かないで|ソヨンとミン・ヒジン
この記事は、以下の記事の続編になります。
上の記事では、ソヨンと(G)I-DLEの今後について、
CUBEという会社に焦点を当てて書いた。
今までに書いた(G)I-DLE関連の記事では、
所々でCUBEの悪口を挟みつつも、できるだけ中立的な立場で話すことを心がけたのだが、
今回は思いっきり主観と個人的感情で書く。
ソヨンの「11月契約終了」騒動の後、真偽は不明だがこのような記事が出た。
タイトルは
『【単独】チョンソヨン、ハイブに行くか…(G)I-DLE完全体の行方は?』
というセンセーショナルなもの。
記事の内容としては、
ソヨンはHYBE傘下のレーベルKOZエンターテインメント(以下、KOZ)に関心を示している。KOZ側はこれを否定しているが、ソヨンのCUBEとの契約が終了する前に接触を認めるとテンパリングとなり違法行為となってしまうので、認めないからといって事実がないとは断定できない。他にも複数の会社がソヨンに興味を示している。(G)I-DLE本体はCUBEに残り、4人組で活動を継続する可能性もある。(←それはさすがにないやろ。え、ないよね?)
まず騒ぎになっているKOZは、Block BのZICOが設立し、2020年にHYBEに買収された会社。
KOZからは、2023年にBOYNEXTDOOR(ボイネク)がデビューしている。
ソヨンとZICOの個人的な親交はすでに知られるところ。
才能のあるラッパー同士、気が合うのだろう。
二人が仲良しだからこそ、今回の噂は現実味がある。
というのも、普段CUBEでソヨンと一緒に作業している作曲家チームが、すでにKOZで作業しているというのだ。たまたま仕事の予定が入っただけかもしれないが、移籍の準備だという見方もできる。
ああ、ソヨン。まさか本当にHYBEに行っちゃうの?
もちろんHYBEは巨大財閥なので、一口にHYBEと言っても色々ある。
KOZのボスはZICOであってパン・シヒョクではない。
KOZはBIGHITではないし、ソスでもBELIFTでもない。
でもHYBEはHYBEだ。
もちろんHYBEはソヨンに、
「自由に創作活動をしなさい。お金はいくらでも出してあげる」
と言うだろう。
資金力があって自由。クリエイターにとっては夢みたいな環境。理想郷。
でも、そう言われてSMからHYBEに行ったミン・ヒジンはどうなった?
私が見る限りだと、
ミン・ヒジンはお金よりも自身のクリエイティビティを重視する人で、
それは彼女がいた頃のSMにも通ずるところがあったと思う。
もちろんSMが所属アーティストに給料を払わない会社であることも、
ミン・ヒジンの給料が高いことも知っている。
だがそれはイ・スマンの個人的な問題と、
何をするにもお金は必要であるという現実的な問題に由来するもので、
お金はそれ自体は目的ではなく、目的はあくまで
「自分が満足できる商品を世に送り出すこと」
だった。ミン・ヒジンもSMも。
ミン・ヒジンもSMも、
作り出す商品(=アイドル)のクオリティには妥協しなかった。
SMはK-POPを牽引する会社としてプライドを譲らなかったし、
ミン・ヒジンはK-POPは嫌いらしいが、クリエイターとして作品の素晴らしさに妥協しなかった。
それは当時のSMとミン・ヒジンの作品群を見れば分かるはず。
SMとミン・ヒジンにはクリエイター魂があった。
ミン・ヒジンは記者会見で
「イ・スマン先生に当初の情熱がなくなったのでSMを出た」
と言っていたが、これは嘘ではないのだろう。
少なくともミン・ヒジンから見るとSMのクリエイター魂は失われたように見えたので、ミン・ヒジンはSMを出たのだ。
それでHYBEに転職した。
当時のミン・ヒジンは、HYBEでなら潤沢な資金を使いつつ自由な創作ができると思ったのだろう。
パン・シヒョクの言葉を信じて。
しかし結果はあの通りである。
ミン・ヒジンは後になって、
「思っていたのと違った!」
「聞いた話と違った!」
となったのだろうが、時すでに遅し。
ミン・ヒジンのクリエイターとしての成果物は、
HYBEという巨大な親会社に横取りされ、
それに文句を言えば組織力で潰されかける状況。
そもそもの話、
ミン・ヒジンとHYBEが合うはずがない。
だって向いている方向が違うから。
ミン・ヒジンは騒動より前にこんなことを言っていた。
「アルバム売上1位に何の意味があるのか。儲けた金額の順位に何の意味があるのか。芸術は平等だ」
つまりミン・ヒジンにとって大切なものは芸術であり、クリエイターとしてのプライドと名誉である。
HYBEはクリエイターとしてのプライドがないのかって?
正直言って普通にないと思う。
少なくとも最近のHYBEの行動を見る限りは。
中小企業を買収して成果をHYBEのものにするか、
自分でグループを作るとなると既に知名度のあるメンバーを集めるか、
そうでなければNewJeansと似たようなコンセプトのグループを作るか、
とにかく他人の成果に乗っかることしかしないのがHYBEである。
会社なのでそれが悪いとは言わないが、
とにかく今のHYBEが大切にしているものは商業的な成果である。
だからミン・ヒジンとHYBEは合わなかった。
私は、ミン・ヒジンやイ・スマン、パン・シヒョクらの誰が善人か悪人かという話をしているのではない。人としての性格や資質の話ではなく、仕事をする上でどこに重きを置いているかということが論点だ。
ミン・ヒジンとHYBEは、
どちらが良いとか悪いとかではなく、
向いている方向が違ったのだから、合わなかったのは当然だ。
ではチョン・ソヨンはどうか?
ここまで言っておいてだが、
ソヨンはミン・ヒジンよりはHYBEと合う可能性がある。
ソヨンは作りたいものがはっきりしているクリエイターで、その点でミン・ヒジンとよく似ている。(作品の方向性は全く違うけど。)
しかしミン・ヒジンが楽曲の成績や売上順位といった数字的指標に対し、露骨に嫌悪感を示していたのとは対照的に、
ソヨンは日頃から「大衆歌手として、成績を重視している」と公言している。
これは二人の考え方の違いもあるが、
仕事内容の違いも大きいと思う。
ミン・ヒジンは作詞作曲をしないプロデューサーで、
ソヨンは作詞作曲をするプロデューサーである。
自分が作った曲がヒットするのは嬉しいに決まっている。
とにかく、ソヨンは数字を重視するクリエイターである。
この一点においてソヨンはHYBEと上手くやれる可能性はある。
しかし、その一点だけである。
もしこの先、ソヨンがKOZで成果を出したとき、
HYBEはソヨンとKOZの自主性を尊重してくれるだろうか。
直後に似たようなグループを傘下から出したりしないだろうか?
ソヨンがパンシヒョクと喧嘩になり、背任罪などといわれて社会的に抹殺されたら私は耐えられない。
(もしソヨンがHYBEに行くならカトクは使わないでとお願いしたい。)
追い詰められたソヨンが泣きながら会見するなんていう事態になったら、私は発狂してしまう。
もちろんKOZとZICOはソヨンを尊重してくれるだろう。
KOZから出たBOYNEXTDOORは非常にこだわりの詰まったグループで、KOZが今の時点ではクリエイティビティに溢れる会社なのは明らかだ。
でもKOZがHYBEの子会社であることに変わりない。
ミン・ヒジンはADORという自分の城を持っても自分の身を守れなかった。
KOZとZICOが親会社であるHYBEから最後までソヨンを守ってくれるのか、私には非常に疑わしく思える。
もちろん一般人ですら推論できるようなことはソヨンは百も承知だろうし、
ソヨンは業界の裏側もよく知っているわけで、
ソヨンが決めることなら、ファンでしかない私があれこれ言ってもしょうがない。
でもやっぱり私はただのファンとして
どうしてもソヨンにHYBEに行ってほしくない。
ソヨンの将来が心配というのもあるが、
何よりもソヨンがHYBEに染まるのを見たくないという気持ちが大きい。
例えば、
ソヨンはオーディション番組に審査員として参加したときも終始一貫して、
「きちんと歌える人が歌手になるべきだ」
という信念を貫いてきたが、それをHYBEでも貫けるのだろうか。
私はソヨンが変わっていくところを見たくない。
結局何が言いたいかって、
ソヨン、頼む。
どうせならYGに行ってくれ。