おやすみ、皆に愛された才人よ

2020年1月21日、ついにこの日がやってきてしまった。

BO4シーズンからRush Gamingをリーダーとして支え、GreedZz選手復帰後も精神的支柱として活躍したHUNT選手が、引退を発表した。

Rush Gamingとしての選手活動は1年と少しであったが、HUNT選手の選手歴はとても長かった。17歳からSamurai ZyAGに所属しe-sportsを初め、SCARZにて3年間リーダーを務め、当時のRush Gamingと数々の激闘を繰り広げてきたのはご存知の方も多いのではないか。筆者はWWIIシーズンよりCoDを見始めたため、GP選手やNicochan選手同様、HUNT選手=SCARZの選手、という印象が強かった。

それ故にHUNT選手のRush Gaming加入は衝撃的な出来事であった。そして、Rush Gamingにとってはこれ以上ないほどに強力な補強であった。(WWIIシーズンとBO4シーズンの違いに関しては割愛)

HUNT選手といえば、実力もさることながら、その人間性の素晴らしさを語らないわけにはいかない。数々の公式大会においてMCのK4SENさんや解説の鈴木ノリアキさんが彼についてのエピソードを語っている。とにかく礼儀正しく、ゴミの片付けなどのマナーも完璧、人当たりもよく誰からも愛される男だ、と絶賛されているのだ。

また、ファンサービスの精神も高い。BO4シーズン途中、コーチのくるたみ氏が、Rushファンコミュニティのdiscordを立ち上げた。この中には各選手を応援するチャンネルもあるのだが、誰よりも早く(記憶が定かではないが、出来てすぐだったはずである)交流戦終了後VCに参加をし、ファンとのコミュニケーションを取っていたのである。その後も度々現れたことから、はんてぃVCは大きな盛り上がりを見せることとなる(盛り上がりすぎてadminの方々を困らせてしまったことは反省している…)

そして何より、各大会などで見られる各選手への声掛けやチームの鼓舞など、Rush Gaming全体の精神的支柱であったことは疑う余地もない。

ファンからも愛され、チームメンバーからも愛され、他チームの選手や先輩方にも愛された、偉大な選手。そんな彼にも、「引退」する時がついにやってきた。

これは筆者の素人目線の話であり、事実は異なるものなのかもしれないが、MWシーズンが始まり、明らかにHUNT選手は苦戦を強いられていたように思う。というよりも、Rush Gaming全体が苦戦を強いられていた。苦しいチーム状況、苦しい個人状況の中でもHUNT選手は必死にもがいていたが、大学生活との両立もあり、思うような結果を残せていなかった。

そして決定されたロスター変更、そしてHUNT選手の引退へと繋がっていく。

悔いはあっただろう。まだまだやれるという気持ちもあっただろう。だが、彼は最後まで「チーム」を最優先に考えてくれた。その結果が「引退」なのだろう。そこには、他人には推し量ることのできないほどの大きな大きな葛藤があったに違いない。

こうして、5年に渡るプロ選手生活にピリオドを打ち、戦いの場を去ることにしたHUNT選手。その姿は最後まで偉大で、皆に愛された最高の男であった。

おやすみ、皆に愛された才人よ。そして、これからも応援しています、ストリーマーHUNTさん。これからも皆はあなたを愛しています。

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