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静脈内鎮静法で親知らずを4本一度に抜いた話(退院後・抜糸編)


【前回→入院・手術編】


退院後2日目

朝食 かぼちゃポタージュ、チーズ蒸しケーキサンド(セブンイレブン)
昼食 みかんゼリー
夕食 チキンコンソメスープ、プリン

飲み込むときの痛みが若干薄れて、少しずつ顎も開くようになってきた。まだ痛いけどもう痛み止めを飲むほどじゃない。

抜糸まで終わって健康な口内になったら絶対マクドナルドのポテト食べようと心に誓う。お腹は空くけど食べることに痛みや血餅がはがれる不安を伴うので食べられなくて、結構つらい。

やわらかいものやすぐに溶けて食べられるものって甘いものが多い気がする。
結構早いうちから塩気のあるものが恋しくなった。

しばらくは柔らかいものだけ食べてあまり動かずゆっくり過ごした。


抜糸・ガーゼ除去(術後6日目)

結論から言って、これが一番痛かった。
入院中全ての痛みをまとめてもここまで痛くなかったと思う。

この日は口腔外科→血液内科の順で予約が入っていて、まずは口腔外科へ行った。
先生が相変わらず朗らかな笑顔で迎えてくれて少し安堵。

神経直結で麻酔は効かないからしないって言われてたけど、本番の抜歯は済んだんだしガーゼとるくらい余裕っしょとか思ってた。舐めてた。

舐めてはいけない(戒め)


下の親知らずが埋まっていた場所、ここ一週間大事に大事に守っていた糸がプチプチと切られていく。
少しチクチクするけど、検査から針を何度も刺されてきたこの身体にはもはや些事(過言)

そして歯肉の間からガーゼが取り出される。気持ち悪いだけでそこまで痛くはなかった。ここまでは。

血がたっぷりと染み込んだガーゼが目の端に映って気持ち悪いと思った直後、突然の痛み。

ガーゼがちぎれたか何かで肉の中を突き回されてた。神経に触りながら麻酔もなしに肉をぐりぐりされて、もう痛いなんてレベル超えてた。今までの人生で経験した痛みの中で一位だったと思う。

唸り声しか出ないし、汗がすごい。

歯科にかかるときは毎回お気に入りのフェイスタオルを持ったまま診察台に上がるんだけど、今回はそのタオル持つ手に力が入らなくなるくらいきつかった。

官能小説とかで「スパークする視界」とか「目の前に火花が散る」とかの表現ってあるけど、痛みでも同じことが起こるんだなって思った。

まあ処置されてるときは「痛い」「吐きそう」以外の言葉が一切出てこなかったんだけど。

白っぽくなる視界と、額に汗が流れる感覚と、じわじわこみ上げる吐き気で「あ、これちょっとやばいな」って感じた。

先生も様子がおかしいと思ったのか「効かないかもしれないけど麻酔打つ?」って聞いてくれて、とりあえずうめき声でお願いした。

麻酔注射特有の痛みが神経を嬲られる痛みに乗っかってくる。
感じられる許容範囲は超えてすでに痛覚キャパオーバーしてたんだけど、痛みが上乗せされたことは分かるのが腹立たしかった。


結果的に、麻酔は効いた。
いや、効くんかい!!!???!?


びっくりした。効いた。
まだ若干痛みはあったけど、それまでの痛みが壮絶すぎてもう残り香みたいなものだった。

ここでやっと呼吸がまともにできるようになった気がする。
終盤に差し掛かっていたのか記憶が飛んだのか分からないけど、痛みが緩和されて安堵してたらすぐに終わったように思う。


もし、
「抜歯痕にガーゼを埋め込まれて」
「ガーゼ除去を予定してる人」で
「麻酔はしないよと言われている人」がいたら(そんな稀有な人がいるのか分からないけど)言いたい。

効かないと言われていても、痛みが起こったらすぐ麻酔を打ってもらった方がいい。

私は本当にきつかった。
麻酔なしで歯抜かれたらあれくらい痛いんじゃないかと思う。

世の中には吸収される糸で縫ってもらって超楽だったなんて声もあるのに、同じ親知らず抜歯でもここまで違うものかと気が遠くなった。

でも、ガーゼを埋めたのも吸収される糸を使わなかったのも、血液凝固に不安がある体質を考慮してもらった結果だから痛みが伴うことに仕方ないとも思った。
傷口パックリいって血まみれになったりドライソケットになるよりはずっとマシだし。


埋まりかけてた術創を開いて神経ごと何度もこそがれると思うとめちゃくちゃグロテスク。

それこそドライソケットの治療なんかでは血餅作るために術創軽くひっかいて血を出すらしいけど、この令和の時代になんかもっと方法なかったんかって思わざるを得ない。
普段はなんとも思わないのに苦しいときにだけ医学の進歩に文句つけたくなってしまうのほんと害悪で申し訳ない。

吐き気をこらえながら先生に会釈して、今度は血液内科へ。
痺れと震えで口が動かなくて先生にうまくお礼が言えなかったのが申し訳なかった。

あと、口腔外科の先生がかかりつけのデンタルクリニックに第Ⅷ因子欠乏のことを書いておいてくれたらしい。出産とか手術とか、流血を伴うことがあるときは必ず病院に言って事前検査を受けるようにと口酸っぱく言われた。

血液内科は患者さんが少ないのか、内科に診察室を譲って診察室の奥みたいなところで診てもらった。相変わらず「唾液が多いですね」って苦笑された。


抜糸後の経過観察(術後14日目)

前回の抜糸・ガーゼ除去から1週間後、午前休をとって抜糸後の経過観察へ。
もう血も出ておらず、特に不調もなし。

口腔外科も血液内科も血が止まらないとか身体の不調がなければもう来なくて大丈夫とのことだった。

病院にかかったのはここまで。
ここからも一週間くらい柔らかいものを食べてた。歯磨きは前歯近辺だけを歯ブラシで磨いて、顔を揺らすうがいだけ。


保険手続き

ガーゼ除去の処置から一週間くらいで保険手続きに手を付けた。
親知らずの抜歯手術は対象外だったので入院と通院だけ。

手続きから振込までが早かった。
入院給付金が4日分で20,000円、通院給付金が6,000円、通院一時給付金が5,000円で給付金は計31,000円。


親知らず抜歯まとめ

メリット
・個人的に痛みはそこまで感じなかった(病院ですぐ痛み止めを入れてもらえる状態だったのもある)
・将来的な不安がひとつ解消される
・つらい時期を過ぎればやってよかったと思える

デメリット
・しばらく食べるものに困る(穴にものがつまりそうで怖い)
・しばらくうがいや歯磨きのたびに不安になる
・ガーゼ除去は本当に痛い!!(通常の縫合とかなら心配いらなそう)


術創が塞がるまでは辛かったけど、今はやっておいてよかったなーって思う。
好きなものを食べられないのめちゃめちゃ辛いし、これからもちゃんと口腔内の健康には気を遣っていきたい。

2か月くらいしたらぽっかり空いてた穴もすっかり塞がったので、親知らず抜きたてで本当に塞がるか不安な人もご安心を。

では!

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