見出し画像

ドッペルゲンガーとは何だったのか

ドッペルゲンガーとは現象だが、大きく二つの現象に分類される。(ここでは解説を理解しやすくするために、前者後者と分けて書いていきたいと思う。)                               一つは自分自身の姿を自分で見る現象の一種で「自己像幻視」とよばれる現象で、言わば自分で自分の分身を見る事だ。こちらを前者とする。    もう一つは同じ人物が同時に別々の場所(同時に複数の場所の場合もある)に姿を現す現象で、その場合、第三者により目撃されている。世界中で確認されている現象なのだが、日本の有名な著名人としては、古くは芥川龍之介が、自身のドッペルゲンガーを見たという記録が残されているという。  前者は医学で説明できる。医学においては、自分の姿をみる症状(医学なのでここでは症状とする)は自己像幻視とよばれる。自己像幻視は純粋に視覚のみに現れる症状であり、たいていは短時間で消える。現れる自己像は自分の姿勢や動きを真似する鏡像であり、独自のアイデンティティや意図は持たない。しかし、まれな例としてホーストコピーと呼ばれる自身を真似ない自己像が見えたり、アイデンティティを持った自己像と相互交流する症例も報告されている。これらの症状は脳性の問題に起因すると考えられる。一部の脳の機能が損傷すると、自己の肉体的な認識上の感覚を失う。そして、肉体とは別の「もう一人の自分」が存在するかのように錯覚することがあると言われている。また、自己像幻視の症例のうちのかなりの数が「統合失調症」と関係している可能性があり、患者は暗示に反応して自己像幻視を経験する事がある。また統合失調症は過度な記憶障害を時に引き起こす。物忘れ、記憶違い、等々の記憶障害だ。記憶そのものが塗り替えられてしまう。よって自己像幻視の現象は脳の障害による症状と医学的には考えられている。  芥川龍之介にも脳障害があったのだろうか。

画像1

一方の後者だが、こちらはどうだろうか。同時刻に全く別々の場所で同一人物が複数人に目撃されたという現象。こちらは、物理学的に考えても、どんな仮説を立てても、今だに解明、証明出来ていない。やはり小説の世界の サイエンス・フィクションやファンタジーに過ぎないのだろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?