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[ Symbol ] 哲学者の石

哲学者の石は

 The Philosopher's Stone is an ancient symbol of the perfected and regenerated man whose divine nature shines forth through a chain of purified and unfolded vehicles.

 哲学者の石は、完成され再生された人間の古代の象徴であり、その神聖な性質は一連の浄化作業を得て輝きを放ちます。

--Manly P. Hall--

 魔術師の言葉は現代の我々にとって難解です。これは密儀と同じで”前提”を知らなければ理解ができないためです。つまり「密儀は科学」との前提を知らなければ、「最も古き者」が「円」であると理解できぬように、現代の我々の概念では「完成され再生された人間」「神聖な性質」「浄化作業」「輝き」など、これらの言葉を正しく解せぬため難解となります。

 そこで現代の魔女の登場ですよ。わたくしのプロフィール欄の文言を読んだことあります?

 魔術師と呼ばれた者たちの「言葉」や「数」をお伝えする"現代の魔女”ですよ〜


Decode

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完成され再生された人間

 まず皆さん大いに誤解されているのは「人間はダメである」という思い込み。某教団の原罪のように「人は生まれながらに罪を背負っている」と刷り込みコントロールする洗脳方法と同じです。そうではなくて、人間は誰しもが生まれながらにして完璧なんです。と言いますか”完璧な資質を有している”と言った方が正確です。例えるなら宝石の原石。がしかし、歳を重ねるにつれ、様々な理由からただの石へと成り下がります。賢者になるためには己の怠惰を削り殺し、長い時間をかけ磨きあげ「元の完璧な自分」へ「再生」しなければなりません。これは内側(精神)も外側(肉体)もです。

 この過程、「己の破壊と再生」を『哲学者の石』の中心に描かれたフェニックスが象徴します。


神聖な性質

 「神=物理法則」ですから、神聖なものとはこの世の根本原理に関わる「数学的秩序」です。後述する「浄化作業」を経て「この世の仕組み」に気がつくと、宇宙の始まりから形ある者全てが「最も古き者」と「最も古き父母」の三位一体の秩序のもと成り立っていると解せます。同様に神聖な性質についての学びを深めるにつれ、様々な数学的秩序にも出会うこととなります。それら「この世にこれしかないもの」は総じて神聖な性質(数学的秩序)が顕現しています。

 神性な性質は「数と幾何学」に現れるため、「幾何学的に美しくカットされた宝石」で象徴されます。また、宝石はカットされてこそ光を放ちます。


浄化作業

 最初、ダイヤモンドはただの黒炭で、宝石職人が磨き上げた結果、光を放つ宝石へと変化します。この黒炭が宝石になる過程が浄化作業で、この作業は人にも置き換えられます。マンリー先生の引用は以下です。

 ダイヤモンドの原石は最初黒炭から分離された時には光沢がなく、生彩がないのと同様に「堕落した」状態の人の霊性の内なる輝度は、例えあるにしても少ししか現れていない。名宝石細工人の手にかかると、形もなさぬ石がキラキラ光る宝石へと変形され、その切り子面から多彩な火がほとばしるのと全く同じように、宝石細工師の神の旋盤で人の魂は削られ、磨かれて、やがて全原子により「創造主」の栄光を反射することになる。

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 「創造主の栄光」=「最も古き者+最も古き父母」=「π・Φ」

 智慧を得た者は自身に眠る神性を理解することができます。これを「創造主の栄光の反射」と言い表します。たとえ自分の体であろうと、神性を理解しなければ何が反射なのかさっぱり分からないのです。


輝き

 「輝き」に限らず「光」に関する象徴は「智慧」に結びつきます。ですから智慧の象徴は大抵光ってます。例えばこれ。

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 切頭ピラミッドの上には「三位一体」の象徴が「光って」ますでしょ?

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 フランス革命の人権宣言の絵画でも光っておりますでしょ?余談ですが、そのすぐ下にはウロボロスも。これは鎖&ロープと重なっておりますので「制約」を意味します。

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 この象徴も同様です。「目」の象徴は「円について」でも述べたとおり「私は決して眠らず」の象徴であり、第一原理の象徴です。故にこれにも「光」が描かれておりますでしょ?そしてこの象徴画からは、これら古き象徴が現代でもしっかり機能していることが伺えます。

 陰謀論の的となっている「イルミナティ」の意味も「啓明=光」です。「智慧を与えられる=啓明・啓蒙・啓発=光を与えられる」となります。つまり、「密儀の啓示を受けた者」=「光を授けられた者」=「イルミナティ」です。

 余談ですが、みなさんご存知の「ヴァイスハウプトのイルミナティ」は、かなり後発の結社で、イルミナティという言葉はこの団体が世に登場するまで密儀を有する多くの結社で普通に使われていた言葉です。なぜそんな言葉を未だに撒き散らしているのだと思います?それはね、たった12年程度しか存在しなかった結社に陰謀を全ておっかぶせておけば、どれだけ調べてもヴァイスハウプト以上に辿り着くことはありませんから、あちらにしたら重宝なのです。死人に口なしとはよく言ったものです。

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つまりはね

 人は皆ダイヤの原石のようで、職人が研磨し宝石を輝かせるように、人もまた己を研磨し輝かせよと言う事。いくら資質を有していたとしても、手を加えぬ原石のままでは、その他の「ただの石」と変わりません。時に大胆に角を切り落とし、時に繊細に磨き上げる。楽な工程は一つもありません。人が苦からしか学べぬ事もよく表しておりますね

 では本件の最後としましてプラトンの引用をもって締めとさせていただきます。(こちらの引用はフォロワーさんの「mio@musique_sympa」さんに教えて頂いた言葉です。この言葉から本件「哲学者の石」の執筆を思いつきました。この場を借りてお礼申し上げます)

 正しい方法に従って学習していく人の目には、すべての幾何学的図形、すべての数列、すべての音階構造、全天体の回転運動が作る調和関係、これらが一体をなしたものであるのだということが、突如として明確になるはず
--Plato--

 では本件はこれにて締めとさせて頂きます。あなた様の心にわたくしの光の大切さが届きましたなら引き続きお付き合いをお願いいたします。

ニグレド


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