空っぽ



世間でいうお盆休みも終わって、いつもの電車に人が戻ってきた。

どっちみちぼくが乗る駅からはほぼ座れるからあまり関係はなくて、「あ、いつものおじさんいないなー」くらいで世間のお盆を実感している。

というのも今年のお盆休みはまとめてではなく分散させて取得したので、あまり長期休暇といった感じがしない。月曜日まで3連休、水曜日休んで次の水、木を休む。そんな具合に。

予定も実家に帰って、家族に付き添って日帰り温泉に行って終わった。バカンスなどとは程遠い。

世間の人々、あなたは休日、何をしていますか?

ぼくは休日が怖い。

仕事の日はとりあえず起きて会社に行っておけば1日行動したことになるから楽だ。

休みの過ごし方がわからない。

今まで不定休だったのもあって、いきなり土日祝休みの職場になったものだから慣れていないだけかもしれない。

普通は何をして過ごすのだろうか。

友人とショッピング、恋人とデート、家族と…

もし世間でいう休みがそんな過ごし方なら、きっとその人は恵まれているのだと思う。周囲にも金銭的にも。

実際の所ぼくにも趣味はあって、それはバイクだったりお絵描きだったりするのだけれど、毎日休みの度に一日中それを出来るかと言われると、否だ。

なにも成せないまま、20代の休日という希少な時間がサラサラとこぼれ落ちて、ゴミ箱に捨てられていく。

昨日もそうだった。お昼ご飯を食べて、海外ドラマを見て、YouTubeを見て、夜ご飯を食べて、YouTubeを見て寝る。

時間の使い方が下手になったな、と思う。

集中力がない。ゲームもイラストも、長時間それに没頭する事が出来ない。

首都圏にいるのに、出かけて遊ぶ気力も無い。

きっと10年とか経ったあと、今より体力も無くなって、「勿体ないことをした」と思うんだろう。

休日が怖い。なにかしなきゃと思うのに何も出来ない。その気持ちになるのがわかっているから、明日が怖い。虚しさだけが募っていく。良くないことばかり考えてしまう。そのうちに眠りにつく。

明日もそんな日を過ごすのだろうかと思うと、どうしようもなく空っぽの人生だと思える。

流れ落ちる時間を止められない。

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