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かつて「清井美那」だったあなたへ

 僕が推していた清井美那さんが、2023年11月30日をもって22/7の活動を終了(断じて卒業ではない。勝手に卒業と読み替えたうえに、おめでとうなどと言ってるやつには激しい憤りさえ感じます)されました。さらに、12月7日23時59分をもって、彼女のブログやXなど活動の軌跡も削除されてしまいました。

 10月の頭に活動休止し、ついに我々の前に姿を見せることなく消えてしまった彼女。
 「ぷライム会員」「登山ぷ」の皆さんと一緒にフロントラインで彼女を応援してきたと自負しています(他のアイドルと遊びまくってるだろと言われたらぐうの音もでませんが)ので、活動終了のお知らせを知った時には、えも言われぬ感情に襲われました。アルバムの払い戻しやカレンダーに誕生日の記載がなかったことなど、どことなく覚悟させらるような状況だったとはいえ、実際このお知らせを目にした時の無念さといったら筆舌に尽くしがたいものがありました。
 そんな感情を整理して現実に向き合う最も良い方法はなにかと言われれば、手紙を書くことでしょう。ということで、活動終了のお知らせを受けたあの時の感情のままに手紙を書いて送り、なんとなく気持ちが整理されてきたわけですが、そのタイミングで下書きを改めて読んでみると、果たしてこの内容で清井美那さんのもとに届くのかどうか、それこそ検閲ではじかれてしまうのではないかと、大きな不安に襲われました。内容には事実誤認や不適切な言葉が並んでいるようにも見えます。
 とはいえ、記載されている気持ちはまぎれもなくあの時の自分のものでもあるため、なんとしてでも本人に届けたい。そう思ったため、noteに下書きの原文を載せることにしました。恥部を晒すことに変わりありませんが、インターネットの海に流しておけば、もしかしたら本人に届くかもしれないですもんね。以下、原文ママです。

清井美那さんへ

清井美那さま

 お元気でしょうか。行進ラッパです。

 あなた(とここでは言わせてください)が22/7としての活動を終了するとの報せを受けて以来、私の心は搔き乱された状態が続いておりまして、この気持ちを少しでも抑えるために、こうして手紙をしたためています。
 今の素直な気持ちを吐露しますが、容赦いただければ幸いです。

 この報せを受けた時に感じたのは、困惑と遣る方ない無念さでした。
 正直に申します。なぜ活動をやめてしまうのでしょうか。
 もちろん、体調不良で活動を続けられないというのは理解しています。
 健康でなければアイドルが出来ないことも知っています。
 ですが、なんとか続けるような道はなかったのかと、どうしても思ってしまうのです(もちろん、こうした気持ちをあなた自身が最も持っていることは疑いの余地がありません)。

 いま、22/7は東京ドームというとてつもなく大きな―時にそれは無謀と言われるかもしれません-目標に向かって、大小さまざまな変化の兆しを見せています。
 翻って考えてみますと、あなたは東京ドームに立ちたいと早い時期から口にしていたり、今年の年初に「挑戦」を掲げ、紅白出場という目標を立てたりしていました。
 既にあなたが言っていたこと、していたことがグループ全体の意識にまでなってきている、というのが現状と言えましょう。
 このグループの大きな変化のうねりの中に、あなたの姿がないことがこの上なく悔しい。
 東京ドームを目指して大きくなっていくグループの中、一緒に大きな存在になっていくあなたの姿を見たかった、というのが素直な気持ちです。

 どれだけ私の無念さを語ったところであなたが活動終了することがひっくり返ることはないのですが、このようにあまりにも無念に感じてしまうのは、あなたの存在がそれほどまでに大きかったからに他なりません。

 以前の手紙にも書きましたが、あなたは、アイドルという素晴らしい世界をもう一度私に見せてくれた恩人なのです。
 あなたが22/7に加入してから私に見せてくれた景色がどれだけ素晴らしいものだったのか、ステージでパワフルにパフォーマンスするあなたを見て、明日の生きる力を得ていたというのはまったくもって過言ではないのです。

 また、あなたの素晴らしいファンの皆さんとのかけがえのない交流も得ることができました。ある種の身内に対してこうしたことを言うのもむず痒いところですが、あなたのファンは本当に素晴らしく、人間として信頼でき、尊敬できるような方ばかりです。
 私がどうかはわかりませんが、ファンは推しに似るとはよく言ったものです。
 あなたのように、誰に対しても非常に温和で、人を立てるようなことも全くいとわず、またやるべきことはしっかりやり、人の見えないところでも努力ができるような人ばかりです。
 どれもこれも、「清井美那」という唯一無二の素晴らしいアイドルの存在があったからこそ、これだけ素晴らしいファンも集まってきたのでしょう。

 清井美那さん、あなたは私に、そして私たちに数えきれないほどのものをあたえてくれました。
 それは、どれだけ感謝の言葉を並べても全く表現できないほどのものです。

 繰り返しになりますが、そんなあなたにもうお会いできないことがこの上なく悲しく思っています。
 しかし、ここまで手紙をしたためていて、これからはあなたを推して過ごしたかけがえのない日々と共に再び歩き出そうと決意することができました。
 そこに22/7がいるのかは、いまの私にはわかりません。
 しかし、あなたを推したこの時間だけは確実に失わるものではありません。
 時にあなたのファンと山に登りながら、または一緒に餃子をつまみながら、こうした日々を振り返りつつ、元気に過ごしていこうと思っています。

 体調不良ということですので軽率なことは言えませんが、元気になった暁には、大好きな登山を再びできることを心から願っています(山は逃げませんからね)。

 どうかお元気で。さようなら。

                          行進ラッパ より

 清井美那さんを思いやるような言葉も少なく、あげく手紙書いてすっきりしたから元気でねと、なんとも終わってますね。ただ、あの時の自分の感情は本当にこのようなものでしたし、そこに嘘をついて奇麗な言葉にするつもりも毛頭ありませんでしたので、結果としてこうなっています。清井美那さん、ごめんね。

かつて「清井美那」だったあなたへ

 この手紙を投函して数日後の2023年11月30日、清井美那さんの活動最終日にブログが更新されました(12月7日にブログが削除されてしまったので魚拓です。魚拓もそのうち削除されちゃうかもしれませんが)。
 手紙を書いてだいぶ現状を受け入れられるようになったタイミングでもあったので、このブログを読んでかなり気持ちの整理が進みました。本当は手紙の下書き公開して終わりのつもりだったんですが、ブログ内容を踏まえつつ、改めて清井美那さんへの思いを綴ってみたいと思います。

 ブログでは、活動終了を報告したうえで、その理由やファン、メンバー、関係者への感謝、今後の自分について彼女自身の言葉で語ってくれました(いくつかの病気が見つかったそうですが、病気ってかなりの個人情報なんですよね。どこのコミュニティとは言いませんが、病名を詮索するような輩がいたことには思わず閉口してしまいました)。
 下手すれば最後の挨拶さえなく消えてしまうのではないかと思っていたこともあり、このブログ更新は、最後の最後に彼女を感じられる場が与えらえれたという意味で、素直にうれしかったです。

 このブログ、内容も言葉のチョイスや文章の組み方などの体裁も、非常に彼女らしいといいますか、彼女を感じるには十分なほどのものでした。
 その中でも、ファンへの感謝の項で、「特に」としてぷライム会員への感謝が述べられていたのにはびっくりしました。

特に、ぷライム会員のみんなは世界一の存在です。
みんなで山に登ってくれたり、私のためにたくさん企画してくれたり、常に優しく愛が溢れていて、たくさん元気をもらいました。
こんなに素敵なファンは他のどこ探してもいないよ。

 この文章、うれしいなんてものではありません。
 特典会の時に「フェスでみんなの顔見ると安心できる」とか、「いつもいてくれてありがとう」とか言ってもらうことがあり、そう言われるたびにライム色着ておまいつしててよかったと思ってましたが、こうも最後の最後の挨拶で言及してもらえるとは。彼女への応援がちゃんと伝わっていたんだなと改めて思うばかりです。「世界一の存在」だなんて推しから言ってもらえるとは、オタク冥利に尽きるとはまさにこのことです。

 そんな清井美那さんは、今後「素敵な人」「不器用でも、向上心を持って努力できる人」「日本の、世界の、役に立つような人」になりたいとおっしゃっています。

私は、素敵な人になりたいです。
たとえ不器用でも、向上心を持って努力できる人でありたいです。
日本の、世界の、役に立つような人になりたいです。

 目標は口に出さないと叶わない、と今年の初めに言ったのはあなたでしたね。ここでもまた活動終了後の目標を口にしたわけです。あなたの生き方、やっぱり一本筋が通っててかっこいいと思いますよ。
 そんなあなたですから、きっとなれるはず、というか、少なくともアイドルだった時のあなたはそんな人でした。それは、メンバーが口をそろえてあなたの努力を語っていたことを挙げるまでもなく、わかることでしょう。

 私が最も偉大だと思うアイドルの1人は、どんなアイドルを目指すのかという問いに対して、「見てくれるみんなが次に会う時を楽しみにして、それぞれのことを頑張れたら、元気になってくれたら」という思いから「また会うのが楽しみになるようなアイドルになりたい」と答えていました。
 清井美那さん、あなたは紛れもなくそんなアイドルでした。デビューから応援し続けてきましたが、会うたびに成長した姿を見せてくれ、特に今年の夏なんかは、ステージでの余裕さえ見せてくれるほど大きくなっていました。そんなあなたでしたから、次会うのが楽しみでしょうがなく、あなたに会うためならば日々の辛いことだって頑張れろうと思うことができました。デビューしてすぐのころ、クローバーの絵文字に込めた意味として「幸せを与える人になりたいから」と言ってましたね。有言実行ですよ。紛れもなく、あなたは私に幸せを与えてくれました。

 アイドルをしていた時のあなたは、私にとってそんな存在だったのです。だからこそ、ここで掲げた目標、必ず達成できると思います。
 あなたは今後、そんな素敵な人としてどこかで幸せに過ごすことがきっとできると思ってます。そして、体調のことがあろうかとは思いますが、いつの日にか知らないうちに登山道ですれ違ってあいさつなんかできるといいですね。

最後に、大好きです。ありがとう。

 こちらこそ。大好きです。もっとそう言えてたらよかったのかな。


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