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解決策は"添えるだけ"

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令和6年4月17日 今日もクルクル通信2067号
本ブログは、(株)SURGING中田雅之のブログです。
今日もクルクルうねって、胸にぐっとクル気づきを書いていきます。
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「決めつけ」は、数あるコミュニケーションスタイルの中でも、最低な部類のものです。

先日、クライアントから「上司との関係で困っている」という相談がありました。
具体的に話を聞いてみると、ボスは、最初から「結論ありきのコミュニケーション」を取ってくるというのです。
これまでも数多く案件を報告してきたが、
「それってこういうことでしょ!?だったら、これしかなくない?」
ほぼ確実にこれで終了。
もちろん、彼の言う通りの場合もあるが、「そうじゃなくない!?」って思うこともあるんだとか。
言い方を変えれば、話を聞いていないってことでもあります。
でも、たとえ、話を聞いていなかったとして、彼の判断がほぼ100%膝を打つものであったとしたら、そんなこと思わないはずですよね。むしろ、「やっぱり、この人、すげー」となります。
でも、そうでないのでしょう。そうだったら、そんな悩みが生まれることはないのですから。

で、相談した側はどう思うのか?と言えば、
「この人に相談しても意味がなくない?だったら、話さなくてよいか。てか、できるかぎり絡まないようにしよう」
とか、
「何言っても、自分が一番正しいんだから、言っても仕方ない。言われた通りにすればいいや」
ですよね。
繰り返しになりますが、常にボスの判断に間違いがないとしたら、部下がどう思ったって、船は正しい方向に正しい巡航速度で進んでいくから問題はないでしょう。
でも、そうじゃないからこういう話が出てくるわけです。

しかも、コミュニケーションは、"パターンの切り出し"。一事が万事。すなわち、
誰に対しても同じ対応をしてしまっている
ってことです。
自分が気づいていないだけで、同じことを感じている部下がその数だけいる 。この可能性が極めて高いんですよね。

この組織で怖いのは、上司と部下の信頼関係が生まれない。これは、いわずもがなですが、同じくらい恐ろしいのは、
上がるべき情報が上がってこない組織になってしまうこと
つまり、事故がいつかは起こってしまう。事故が起こるべくして起こるってことなんです。

と、考えてみると、やはり「決めつけ」はコミュケーションにおける禁忌と言えるでしょう。

とは言いながら、「決めつけ」とまではいかないまでも「思い込み」は誰もがしてしまうもの。反面教師事例として、自らを省みたいところです。
本件をもう少しだけ掘ってみます。

そもそも、相談者のニーズって何なんでしょうか?
相談したい案件の解決策を知りたい。
当然、これはあるでしょう。でも、「快刀乱麻を断つ」ような解決策がない事柄も沢山ありますし、当人がそれを分かっていることもあります。あるいは、その逆で、解決策が分かり切っている場合もあるでしょう。
だとすると、最大のニーズは、
ただ話を聞いてもらいたい
と考えることもできます。

そうであるならば、「結論ありき」のコミュケーションスタイルはなお、禁忌。
ニーズにまるで答えていないどころか、「断罪」するだけとなる可能性が高いから。

となるとすると、相談される側に求められることは、
まずは、話を聞くこと。
そして、必要があれば、解決策"案"を提示すること
と言えます。
主従は、圧倒的に聞くこと。
「左手は添えるだけ」というスラムダンクの名言に倣えば、「解決策は添えるだけ」
と言ったところでしょうか。

ということで、「思い込み」も「決めつけ」もなく、まずはフラットに話を聞く。
改めて、ここを徹底していくことが大切。と思った次第です。
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【今日のうねり】
相談する人のニーズのほぼ全ては、
「話を聞いてほしい」
これだ。解決策を提示するのは、実はメインではない。
だから、まずすべきことは、徹底的に話を聞くこと。これに尽きる。
「解決策は添えるだけ」。
間違っても、結論ありきなコミュケーションはしてはならない。

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