VoiLi部旗揚げ公演台本「エモい愛」#フリー台本

まず初めに、主催してくださった油燈尚緒様、演じてくださった壱夜おーせ様、白衣乃天使様、本当にありがとうございました!

使用報告は不要ですが、していただければ見に行きます!!!

【エモい愛】(5分/女性2名)

■あらすじ
まるで双子のように仲の良い凪(なぎ)と律(りつ)。何気なく過ぎていく日常の中で、たくさんの時間を共に過ごしている二人は、お互いがお互いのことをよく理解している…はずだった。似ているようで全く違う、友愛と恋愛の物語。

■登場人物
凪(女性):吹奏楽部所属の女子高生。律へ友達以上の思いを寄せている
律(女性):陸上部所属の女子高生。凪とはニコイチ。

■本編
凪:あれ、律、まだ残ってたの。
律:お、びびった(そんなに驚いていない様子)
凪:陸部、雪でオフになったんじゃないっけ
律:いや、まあ、気分?凪こそ部活は?
凪:休みなった。なんか、顧問の息子さんが熱出したらしくて
律:えー
凪:なんかインフルかもって
律:インフル?吹部やばくない?
凪:や、まだわかんないけどね
律:あ、そっか
凪:災難だよね、こんな日に
律:え
凪:ほら、バレンタインじゃん今日
律:あー、ね
凪:せっかく吹部にチョコ買ってきたのに配れなかったわー
律:え、余ってんの。食べたい。ガチお腹すいた。
凪:待って待ってストップ、これは明日の活動の時に配るの。
律:えーんいじわる
凪:配る用のチョコとか余ってないの?
律:ない。先月ライブ行ったせいでお金なくてさ。2月はもらう専門で、3月にお返しすることにしたのよ。
凪:んで、貰ったのはもう食べたと
律:そう。さすが凪。
凪:ちょっと待ってね……(すこしためらい)ほら、これ律の。あげる。
律:…え、くれるの?まじ?(すごくうれしそう)
凪:買ったはいいけど、うちらの仲だし、お返しとかだるいから今年はいいかなって思ったんだけどね。日ごろの感謝的な。
律:…なんか、エモいね。
凪:なんだそれ
律:雪の降る放課後、バレンタイン、二人きりの教室で…一度は断念したチョコを渡す。ほら、エモい
凪:…あー(どきりとして)
律:JKライフあっという間に終わっちゃうからこういうところでエモを摂取しとかないと
凪:…あのさ、律は、やっぱり恋人とかほしいの?
律:なに、改まっちゃって
凪:いや、ほら、気になるじゃん。コイバナ、コイバナ。
律:コイバナねぇ
凪:どうなの?
律:や、まあぶっちゃけいうてそんななんだよね
凪:え、いらないの?
律:だってほら、あたしには凪がいるし
凪:え
律:さっきみたいにさ、あたしが考えてることめちゃめちゃわかってくれるし、あたしも凪が考えてること大体わかるし。で、毎日一緒にいるのに全然飽きないし喧嘩してもすぐ仲直りするしさ。凪以上に好きな人いないなーって思うから、もうほぼ凪が恋人みたいなもんじゃん?
凪:う、ん。私も、そうおもう。(期待、緊張)
律:まじ?やった。あ、橋本とか、あたしら付き合ってると思ってたらしいよ。がちうけるくない?この前ガチトーンで聞かれてさ、あたしめっちゃびっくりしたんだけど、なんか悪い気しなくってさあ
凪:(遮って)あのさ
律:あ、なに?どした
凪:…じゃあ、さ、…もう、ほんとに付き合っちゃわない?
律:え
凪:…私も、律のことが1番好きだし、一緒にいてすごく楽しい。ずっと、こうして二人で過ごす時間が続いたらいいのに、っていつも思ってて、それで…
律:(間)
…このチョコも、ほんとは「そういう意味」で渡そうと思ってた?
凪:…うん
律:そっかあー、なんというか、ありがとうね。めっちゃうれしい。
凪:…(しばらくの間)
律:…でもごめん、あたしは凪と付き合えても、凪を「そういう目」でみれないよ(諭すように、優しく)
凪:え
律:想像したけど、やっぱだめだ。あたしの「好き」は、「友達としての好き」なんだ
凪:わ、私は、律と付き合えるなら、それでも
律:よくないでしょ
凪:あ…(言い淀む)
律:わかるよ。そんなこと。…でもあたし、もっと大事なことには気づけなかった。苦しい思いをさせてほんとにごめん。
凪:…私こそ、ごめん、私がこんなこと言わなきゃ、
律:凪、それは違うよ。…誰かを好きになるのに、間違いなんてないと思う。あたしが言えた立場じゃないけど、あたしたちは愛の形がちょっとだけ違ったんだ。お互いがお互いを好きなことには変わりない。
凪:律…
律:私は、明日からも凪がめーちゃ好きだよ。
凪:…うん、…ありがとう(希望、さみしさ、切り替え)
律:…あ!!やば!!部室にスマホおいてきたかも。もう閉められちゃうかな
凪:…ふ、律、ムード台無し
律:いや、ごめん、マジごめん
凪:いや、いいよ、エモい。
律:エモい?これが?
凪:エモいエモい
律:そういうもんかなぁ、え、凪もう帰る?
凪:そうしようかな。今日は失恋ソング聞きまくる。
律:そっか、おすすめ送ろうか?
凪:あんたが送ってどうすんの(笑いながら)
律:あ、たしかに
2人、しばらく楽しそうに笑う
律:…じゃ、また明日ね。
凪:うん、…またね。

■追記
自然ぽさを重視した脚本なので、思い切りキャラ付けして読むよりも、素に近い状態で読むほうがよいかと思われます。普段の会話の場面はテンポよく、悩んでいる・ためらっている場面ではかなり間を取ってみてください☺
また、口語で書いているので読みづらいところも多いかと思いますが、物語が変わらない程度の改変(語尾や言い回しなど)は自由にしていただいて構いません。
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